75.狩られない理由
・・人物紹介・・
楠本健吾 レベル37 火魔法使い 元社畜廃人ゲーマーおじさん +4up!!
リリィ・ノーブレット レベル41 聖魔法使い 筆頭聖女 勇者PTの聖女の妹 +4up!!
ブライス レベル40+ 宮廷魔導士 火属性魔法使い +2up!!
アルバート レベル50+ 第二騎士団員 盾防御スキルが優秀
アラン レベル50+ 第二騎士団員 盾防御スキルが優秀
スコット・スタインズ レベル?? 第二・第三騎士団副団長 ケリーの側近 リックの弟
キョウコ レベル?? 宮廷魔導士団序列3位 研究派 引きこもり
スティング レベル90 風魔法使い 筆頭宮廷魔導士 王太子派
ケビン・エーリック レベル??? 第一王子 王太子 第一騎士団長 腹黒
ケリー・エーリック レベル??? 第二王子 第二・第三騎士団長兼務 脳筋
上級範囲魔法・業火を間隔を空けながらムカデに撃っているブライス。
穴の底で豪快に焼かれる大ムカデたち。
爆速でレベルが上がっていく健吾とリリィ。
「何か国立墓地のレベル上げが物凄い効率悪いように見えてしまいますわね・・・。」
「超効率レベル上げの弊害ですねぇ・・・。」
二人が呆れてしまう程の勢いでレベルが上がっていく。
こんなに効果のあるパワーレベリングが出来るとは正直思っていなかったので健吾自身も少し引いていた。
ここまで安定して狩り続けるまでにかかった時間が、
日暮れと共に国立墓地から鉱山まで移動に30分
小休憩後に準備してダンジョンに入り3階まで1時間
ブライスがムカデに魔法を撃って1時間
合計2時間半だから驚きだ。
スティングの飛行魔法やブライスの超火力範囲魔法のお陰なのだが、狩り始めるまでの時間に至っては1時間半しか経っていないのである。
わずか1時間の狩りで健吾Lv35、リリィLv39にまで上がっていた。
「ムカデは・・・まだまだ沸きまくってますね・・すごいな。」
「な、なんであんなウジャウジャいるんですの・・・。」
「この道の穴中のムカデが集まってきているんでしょう。1000匹くらい平気でいますよ。」
「ひゃあああ!」
それを聞いてリリィはまた健吾の後ろに隠れた。
健吾も自分でこの狩場を選んだものの、ウジュルウジュルと音が聞こえてくるムカデの密集具合に気持ち悪くなってしまう。
「スティングさんの後ろに隠れてもいいですか?」
「ダメです。」
「デスヨネー。」
スティングに断られたので次にキョウコを見ると、「ははっ」とバカにしたような笑いをされてしまう。
「オッサンの軽い冗談なのに・・・。」
と言い訳をしながらブライスに魔力譲渡の白い火魔法をかける。
聖女様は健吾の後ろにぴったりと引っ付いたまま離れない。
「もしムカデを狩り尽くしたらボスを倒しに行く提案をする所でしたが・・・、まだまだ行けそうですね。」
「まだまだいっぱいいますね。」
「ひいいいい」
リリィはもう見るのも嫌なのか目を閉じている。
「しかしケンゴさん、全然魔力切れませんね・・・。もうかなり譲渡してるのでは?」
「そうですねぇ、まだまだ大丈夫ですよ。かなり魔力回復も早いですから。」
ブライスの火魔法は持続型の上級範囲魔法なので連発する必要が無く、かなり間隔を空けて様子を見ながら撃っているので魔力譲渡にもまだ余裕があった。
そんな感じで範囲魔法を撃ち続ける事2時間。
大ムカデはまだまだひしめきあっている。
もうすでに500匹くらいの討伐数になっていた。
「あの硬いムカデを500匹・・・私の風魔法でもさすがに無理ですね。相性が悪い。」
カマイタチのような真空の刃を放って切りつけるのが主体の風魔法の攻撃力では、硬い外殻にダメージを軽減されるので手数を増やさなければならず、結果魔力切れで数を狩れなくなる。
上級の風魔法を放ってもやはり外殻でダメージを軽減されるので何発も撃つと魔力が先に尽きる。
レベル90のスティングでこれなので、3階のムカデは倒せないものと思い込み誰も手を出さなかった。
確かに遠回りのルートを選べば倒す必要など無く、最短ルートを選んだとしても飛来する魔物だけ倒せばいいだけなのである。
「まぁ本気でやれば倒せなくはないですが・・・、3階で全力を出して硬いムカデを倒そうとする暇があったら、普通は先に進みますよね。」
「た、確かにそうですわね・・・。」
普通ならボスを倒すかドロップが美味しい階層に行くのが鉄板なので、クソ硬くて与えるダメージが低ければHP自然回復力の方が上回ってしまうほど強敵のムカデなんぞ誰も相手にしないだろう。
その点外殻ごと丸焼きに出来る火魔法はまさに打って付けだった。
このムカデの狩場は上級範囲魔法を覚えた火属性魔法使い専用狩場と言ってもいいほど倒せる職が限られていた。
これほど能力の高いムカデを多数倒す事が出来る火魔法とブライスはかなり優秀である。
しかし、
「師匠・・・飽きました。」
褒めた途端に飽きたと言うブライス。
ズッコケる健吾。
「さすがに2時間続けてますしね。少し休憩にしましょうか。」
「ぶ、ブライスさんお疲れ様です。」
「ありがとうございますわ!」
「いえいえ。」
スティングがキョウコに魔法のカバンを渡す。
キョウコがテーブルや椅子、食べ物と次々に取り出していく。
先に進まない限りハチの魔物も飛んでこないのでショートカットの開始地点はちょっとした安全地帯になっており、パーティーは悠々と休憩を取る事が出来た。




