74.待望
・・人物紹介・・
楠本健吾 レベル33 火魔法使い 元社畜廃人ゲーマーおじさん +9up !
リリィ・ノーブレット レベル37 聖魔法使い 筆頭聖女 勇者PTの聖女の妹 +6up !
ブライス レベル40+ 宮廷魔導士 火属性魔法使い +2up !
アルバート レベル50+ 第二騎士団員 盾防御スキルが優秀
アラン レベル50+ 第二騎士団員 盾防御スキルが優秀
スコット・スタインズ レベル?? 第二・第三騎士団副団長 ケリーの側近 リックの弟
キョウコ レベル?? 宮廷魔導士団序列3位 研究派 引きこもり
スティング レベル90 風魔法使い 筆頭宮廷魔導士 王太子派
ケビン・エーリック レベル??? 第一王子 王太子 第一騎士団長 腹黒
ケリー・エーリック レベル??? 第二王子 第二・第三騎士団長兼務 脳筋
大きな火の玉がムカデのひしめく穴の底に着弾する。
ムカデに当たった瞬間に火の玉が崩れ、液体のように周りに広がった。
それはまるで夜店で取ったヨーヨーが地面に落ちてしまい、バシャッと中の水が飛散するように。
「「「ギィイイイイイイ!!?」」」
飛び散った液体は例えるならガソリンみたいなもののようで、そこから火は瞬く間に燃え広がる。
火力も健吾の初期の火魔法とは大違いで、火だるまになったムカデたちは必死にのたうち回っていたが、1分も経たないうちに燃やし尽くされ絶命していった。
昆虫系の魔物は硬い外殻を持つものの多くいる上に、HPが非常に高い。
中でも大ムカデはその上位にいるような存在なのだが、高火力の火魔法によってどんどん消炭になっていく。
それでも1分近く高火力の炎に耐えるほどの生命力。
昆虫系に対して火は弱点属性でもあるのにこの耐久力。
HPは不明だがとんでもなく高いことが予想された。
スティングの風魔法のような一撃でぶった斬る魔法とは違い、一度命中すれば命尽きるまで燃やす持続ダメージ型の火魔法は、HPの高い魔物に対して相性が非常に良い。
その高レベルの火属性魔法を目の当たりにして健吾は体中の毛が逆立った。
「す、すげええええ・・・これが高レベルの範囲魔法・・・っ!」
「え、えっと?、あのっ!・・・ケンゴさん。れ、レベルが・・・!」
「んえっ?」
広範囲に飛び散った先でさらに大ムカデを焼きまくり、すでに30体近く倒した状態でリリィが驚きながら話す。
「レベルがもう2つも上がってますわ・・・っ!」
「ええっ!ま、マジで!?・・・うおっ!なんだこれ・・・!!」
燃えている場所に大ムカデの方から大量にやってきて勝手に燃え広がっているので、討伐数がどんどん上がっていく。
その結果50匹近く倒した時点で健吾のレベルが5つ、リリィのレベルが3つも上がっていた。
(自分のレベルのごく簡単な数値は生活魔法の簡易鑑定で見る事が出来る。)
「こ、これは凄いですね、このレベルの上がり方は・・・国立墓地ダンジョンのボスと変わらない経験値をこのムカデ1匹が持っている事になります!」
「僕もレベル1つ上がりましたね。」
「な、なんと、レベル40台のブライスも!?・・・硬くて全く死なないから魔力の無駄と長らく放置されていたムカデがこんな経験値を・・・!」
大ムカデ1匹の経験値の多さに目を回すスティング。
実際にゲームの世界でもこういう場所は結構存在する。
普通の一般ダンジョンなのに、強さが明らかにおかしいモンスターがいる特殊な場所があったり、今回のムカデのいる道のように、適正レベルでは討伐が難しい場所があったりする。
本来は開発者が「そこは危険だからレベルが上がったらまた来て倒してみてね。」という遊び要素を兼ねて作っているので無理をしていく場所ではない。
討伐できたのは、昆虫は火が弱点だった点と、火魔法が属性の中でも最高の火力だという点。
この2点のおかげでなんとか討伐出来たのだが、それ以上に大きかったのは「穴の底にいるムカデに対し100%安全に、かつ一方的に攻撃できる点」だった。
細い道さえ渡らなければリスクゼロで攻撃しまくれる点がパワーレベリングに最も適していたのだ。
倒せなくても追撃される事も無く、その場から離れればいいだけ。
もちろんリスクゼロのレベル上げはゲーム内ではバグ扱いされてアカ停止処分かBANが待っている「悪質チート行為」である。
ただしここには管理者はいない。
強いて挙げるならこの世界の創造主、女神カティア様だが、多分健吾がこういう事をするのを見越してこの世界に連れてきている、と思われるのでお咎めはないだろう。
しかも私欲も無く、国や世界の脅威となる悪魔の巣の対抗策として、騎士たちのレベル上げに使うとなれば笑ってくれているかもしれない。
「ケンゴ殿、見つけてしまいましたね、パワーレベリングの場所。」
「ですね、うおっまたレベルが上がった・・・。」
「す、すごいですわ・・・。」
穴の上にいるブライスを攻撃しようとワラワラ集まってくる大ムカデが自分から業火に飛び込み、勝手に討伐されていく現状にスティングも自然と顔が緩んでしまう。
「ブライス、業火をどんどん撃ってください。」
「え、私の魔力量では3発程度で魔力切れになりますが。」
「心配いりません、ケンゴ殿が魔力回復魔法を掛けてくれます。」
「そ、そうですか、では撃ちまくりますよ。」
「お願いします。・・・ではケンゴ殿。」
「はいはい、お任せあれ!」
健吾は魔力回復と言う名の魔力譲渡を行い、ブライスは盛大に大ムカデを焼きまくり始める。
この時点で討伐数は100匹超え。
健吾とリリィのレベルはさらに上がって33と37になっていた。
ゴールドランドにある8つのダンジョン
低級ダンジョン
南の森ダンジョン Lv20 ゴブリン・狼系 王都から南へ1時間
国立墓地ダンジョン Lv20 アンデッド系 王都から南東へ30分
川沿いのダンジョン Lv20 スライム・動物系 王都から南西へ2時間
中級ダンジョン
深森のダンジョン Lv40 亜人・動物系 王都から東へ1日
鉱山のダンジョン Lv40 昆虫・爬虫類系 王都から西へ1日 ← Next target !
草原のダンジョン Lv50 亜人・動物系 王都から西へ2日
上級ダンジョン
湖畔のダンジョン Lv60 水棲亜人系 王都から北へ2日
廃城のダンジョン Lv70 アンデッド系 王都から北へ3日
騎士団のレベルと人数
第二騎士団 所属人数 約1000人
レベル20台200人 30台500人 40台200人 50台70人 60以上30人
第三騎士団 所属人数 約2000人
レベル20台500人 30台1200人 40台200人 50台80人 60以上20人




