110.お掃除速度アップ
星の数ほどある作品の中からこのお話を見つけて読んで頂きありがとうございます。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
新章始まります。
・・人物紹介・・
楠本健吾 Lv50 火魔法使い 元社畜廃人ゲーマーおじさん
スティング Lv90 風魔法使い 筆頭宮廷魔導士 王太子派
リリィ・ノーブレット Lv50 聖魔法使い 筆頭聖女 勇者PTの聖女の妹
テーズ Lv70台 風魔法使い スティングの師匠 ジジイ
コッヂ Lv70台 土魔法使い スティングの師匠 ジジイ
辺境伯 Lv70台
「リリィさ・・、聖女様は壁が進んだ後の森の土を浄化してもらますか。」
「ぷぅ!」
健吾が聖女と言い直した事に頬をぷくーと膨らませて抗議していたが、さすがにこの状況で怒れないと判断して渋々壁を降りて行った。
「な、何を怒っているんだ聖女様は?」
「がっはっは!若いのぅ!」
「あはは・・・」
大粒の汗をかきながら土壁を移動させるコッヂに茶化される。
リリィと辺境伯軍の聖魔法使い二人は土壁が前進して奪還した森の地面に浄化魔法をかける。
森の出口辺りの土はまださほど汚染されていなかったようですぐに浄化は完了した。
3人にそのまま壁の後をついて来るようにお願いし、前に視線を向ける。
スティングが壁近くのアンデッドをファイアーストームで処理してくれており、テーズは壁から離れて奥から来るアーチャーを対処しながら竜巻で吸い込みまくっていた。
「スティングさん!完全に倒さなくていいので吸い込んでダメージを与えたら移動してください。」
「・・・なるほど。では移動速度を上げますね。」
健吾の意図がすぐ伝わったのか、スティングは竜巻の移動速度を上げ壁近くのアンデッドに対応していた。
竜巻の通った後には燃え続けていたり手足を吹き飛ばされたアンデッドが残っていた。
だが倒しきれなくても十分にダメージを喰らっていて無力化出来ていたので、壁を前進させて堀に落とせばサクサクと討伐していった。
さらに遠くで見ていたテーズも理解したのか、移動速度優先で暴れまわっている。
「なるほど、竜巻で痛めつけて、トドメは壁にいる我らに譲ってくれると言う事か。」
「そうですね、早く無力化できますし。」
「異世界人の発想はホントにぶっ飛んどるわ!」
(まぁそれもあるけど、スティングさんだと経験入らないからトドメは出来るだけレベル低い人がやったほうがいいってのもあるんだよね。)
本音を言うと危機的状況でレベルの話をするのか、と怒られそうなのであえて言わなかった。
しかし確かにファイアーストームに吸い込む事により50~80%近くのダメージを負ったアンデッドを辺境伯軍で倒す事で経験も入るし効率もよくなった。
動かすコツを覚えたスティングたちの移動速度はすでにお掃除ロボの2倍以上の速さになっている。
「こりゃ夜明けまでにこの森全部終わらせてしまいそうじゃの。」
テーズがちょうど森の真ん中辺りまで到達し、残りの森方向を見ていた。
「まぁ、森を焼いてしまうのはちと心が痛いが・・・。」
森は焼かれてしまうが、アンデッドの気配を感じた動物たちは早々に他の森へ去っているのが不幸中の幸いと言えた。
むしろ大事なのはその後の復興作業になるだろう。
その復興作業もすでにリリィ達3人が浄化魔法で汚染された土を元に戻していっている。
森の面積は小さめだが全域に浄化魔法となるとかなりの日数がかかるかもしれない。
「そ、そろそろ4分の1くらいは来たか?」
「そうですね、それくらいは前進できてます。」
「ふぃーちと休憩させてくれ。」
5m強はある土壁と深い堀を、一部分とはいえブルドーザーのように前進させてきたコッヂ。
さすがに疲れたようで小休止となった。
それに合わせてスティングとテーズも壁に戻ってきて魔力譲渡を受ける。
「こんなめちゃくちゃな作戦よく思いつくもんじゃな。」
「鉱山で色々試しながらやったのが良かったですねぇ。」
「でも確かにこの策はこちらの被害が圧倒的に減りますね、壁作って上から撃つのは本当に素晴らしい。」
スティングが魔法のカバンから携帯食料を取り出し皆に配る。
「あー、干し肉か・・・。不味くはないが・・・。」
「バーベキューがしたいのう・・・。」
すっかりBBQの魅力に取り付かれたジジイ二人が愚痴をこぼす。
ほったらかしの火の竜巻は誰もいないのに勢いよく燃えている。
「しかしすごいですね竜巻、あのまま維持できるのか。」
「火魔法は詠唱者の手を離れても関係なく燃え続けるみたいなので、それを強くイメージしてみました。」
「火を消す事はいつでも出来ますので問題ないと思います。」
「ホント卓越しとるな、お前さん・・・。」
「まぁワシの土壁も動かせるんじゃね?って最初はバカげた事言ってると思ってたら動かせたからな・・・。」
「安全に討伐できる策があるなら多少無理してでもやりたいですしね。」
「ほぉ・・・、すごいな君は。」
長い間戦ってきた辺境伯軍の被害と疲労も考えてくれた作戦なのだと辺境伯は感動する。
ただ実際は、
(こんな大規模イベントで死者が出るようでは二流!誰も死なせず傷つかせず、モンスターたちを完封してこそ一流のゲーマー!)
と、ゲーム脳に支配された「廃人の思考」なだけであった。
滞在している国ゴールドランドにある8つのダンジョン
低級
南の森ダンジョン Lv20 ゴブリン・狼系 王都から南へ1時間
国立墓地ダンジョン Lv20 アンデッド系 王都から南東へ30分
川沿いのダンジョン Lv20 スライム・動物系 王都から南西へ2時間
中級
深森のダンジョン Lv40 亜人・動物系 王都から東へ1日
鉱山のダンジョン Lv40 昆虫・爬虫類系 王都から西へ1日
草原のダンジョン Lv50 亜人・動物系 王都から西へ2日
上級
湖畔のダンジョン Lv60 水棲亜人系 王都から北へ2日
廃城のダンジョン Lv70 アンデッド系 王都から北へ3日 今ココ
騎士団のレベルと人数
第一騎士団 所属人数 約400人(再編成中)
レベル20台200人 30台100人 40台70人 50台20人 60以上10人
第二騎士団 所属人数 約1000人
レベル20台~40台 0人 50台970人 60以上30人
第三騎士団 所属人数 約2000人
レベル20台~40台 0人 50台1980人 60以上20人
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抜け毛が減ってハゲみになります。




