102.粛清と援軍
星の数ほどある作品の中からこのお話を見つけて読んで頂きありがとうございます。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
新章始まります。
・・人物紹介・・
楠本健吾 Lv41 火魔法使い 元社畜廃人ゲーマーおじさん
スティング Lv90 風魔法使い 筆頭宮廷魔導士 王太子派
リリィ・ノーブレット Lv50 聖魔法使い 筆頭聖女 勇者PTの聖女の妹
テーズ Lv70台 風魔法使い スティングの師匠 ジジイ
コッヂ Lv70台 土魔法使い スティングの師匠 ジジイ
フリッツ・エーリック Lv50台 ゴールドランド国王
ケビン・エーリック Lv60台 王太子 第一騎士団長
健吾たちが隠れている反王派がいないか探知しながら謁見の場に着くと、ケビンによる断罪の真っ最中だった。
「~~公爵、〇〇侯爵、長年我が国の金の利権が欲しかったのであろう?」
「望み通り金を独占させてやろう、一族全員鉱山で金を掘り続けよ。」
「爵位剥奪、資産没収のうえ、奴隷として30年の労役を命じる。」
ケビンの冷たい視線と容赦ない断罪が反王派の筆頭であろう公爵を両断する。
「処刑せんとは温情判決か。」
「相変わらず殿下は甘いのぅ。」
「ええっ!?」
(上級貴族の地位から一気に奴隷にまで落ちて過酷な鉱山労役30年かぁ、一族郎党死刑になるよりはマシかもだけども・・・。)
「貴族のようなプライド高い人達には、死刑より辛いんじゃないでしょうか。」
健吾に言われてジジイ二人顔を見合わせて考える。
そして納得。
「あー、確かに。」
「相変わらず殿下はエグいのぅ。」
「で、ですね・・・。」
健吾たちの前をガックリとうなだれて連行されていく反王派の重鎮たち。
60代くらいに見える杖をついた初老の公爵はもう生きて鉱山から出る事はないだろう。
この後、持ち場を離れ駆けつけた挙句に捕らわれた第一騎士団所属の騎士たちにも同じように裁決が成され、大規模な粛清は終わった。
「はああ、これでようやく騎士団や魔導士団を戦力として送り出す事ができる。長かったよ。」
夕方になってケビンがスティングたちを連れて健吾の部屋を訪ねてきた。
「おお、これから反撃開始ですね。」
「んんー、そこまで出来ればいいんだけどね。」
「我が国の北に高レベルのダンジョンが2つあるんだけど、その1つが悪魔の巣によって魔物が異常繁殖しててね。」
「国境を守ってくれている辺境伯と隣の領地の伯爵の軍隊がなんとか食い止めている状態だったんだ。」
「ええ・・、そんな状態で王都防衛とか言ってたんですか?無茶苦茶ですね。」
「酷いだろう?反王派の公爵と辺境伯は長年の政敵でね。」
「辺境伯の領地で起こったのだから私兵で対処するべきだ、隣国と臨時同盟を結んでるのだから国境の部隊をダンジョンに回せ、他の領地も王都も防衛に専念すべきだ、と。」
「援軍無しで辺境伯の兵だけで対応させて弱体化を狙ってたんだろうね。」
ケビンの握った拳が震えている。
いつも飄々としている王太子が本気で怒っているのが分かった。
「援軍を出すべきだと何度も言ったんだけどさ、議会での公爵は弁が立ってね。若輩者だった僕じゃ覆す事が出来なかった。」
「この1年でダンジョンに近い3つの村が魔物に飲まれた。事前に辺境伯軍が村人を逃がしたが、それでも死者は少なくない。」
「そしてさらに増えた魔物に辺境伯軍は押されていき、ついに領都の近くまで迫って来ているそうだ。」
「辺境伯から連絡が来てたんですか。」
「うん、3日前にね。」
「それで今日の粛清に繋がったと言う事です。」
ケビンと同様に優しい表情のスティングも普段見た事のない位の厳しい表情をしていた。
「やっと明日援軍を送れる。その為の手続きはやってきた。」
「そこでケンゴ殿、申し訳ないが・・。」
「行きましょう!!」
ケビンに被せるように健吾の一際でかい声が部屋中に響き渡る。
驚く面々。
「明日と言わず今日行きましょう!いや!今から行きましょう!」
「さぁ!!」
皆一瞬ポカンとするが、一斉に笑い出す。
「言うと思ったわ!さすが変態異世界人じゃ!」
「がーっはっは!!本当におもろいヤツじゃのぅ!」
「わたくしもご一緒しますわ!」
健吾の性格を嫌と言う程知ってしまったテーズたちには予想可能な返答であった。
「その前にケンゴさんは鉱山のダンジョンでレベル50になってもらいます。」
「えっ、もう鉱山で育成できなくなりますけどいいのですか?」
健吾がレベル50になると獲得経験値が大幅に下がるのでパワーレベリングが出来なくなる。
「うん、辺境伯領の方が最優先だよ。済まないね、ありがとう。」
「いえいえ、では行ってきます!」
「あ、ダンジョンレベルと出現する魔物は何ですか?」
そう言えば何の魔物が出るのか聞いていなかった事に気付いたので質問する。
某ロボットアニメの指令のようにテーブルに両肘を付き口の前で両手を組んだケビンが答える。
「ああ、そこは我が国ゴールドランドで最もレベルの高い、レベル70廃墟のダンジョン。」
「魔物は高レベルのアンデッドだよ。」
それを聞いてガハァと息を吐いて笑う健吾。
「OK、BOSS。」
GOODのハンドサインと共にキメ顔をする。
「「「???」」」
しかし誰も意味をその理解できていなかった。
だがすぐに振り向き、嬉々として出発の用意に取り掛かる。
それもそのはず、耐久力の高い大ムカデの群れを殲滅する火属性範囲魔法と、アンデッド弱点の火属性回復魔法を持つ健吾。
どんなにレベルが高かろうと既に彼にとっては「ドチャクソ美味い経験値の群れ」にしか見えなくなっていた。
滞在している国、ゴールドランドにある8つのダンジョン
低級
南の森ダンジョン Lv20 ゴブリン・狼系 王都から南へ1時間
国立墓地ダンジョン Lv20 アンデッド系 王都から南東へ30分
川沿いのダンジョン Lv20 スライム・動物系 王都から南西へ2時間
中級
深森のダンジョン Lv40 亜人・動物系 王都から東へ1日
鉱山のダンジョン Lv40 昆虫・爬虫類系 王都から西へ1日
草原のダンジョン Lv50 亜人・動物系 王都から西へ2日
上級
湖畔のダンジョン Lv60 水棲亜人系 王都から北へ2日
廃城のダンジョン Lv70 アンデッド系 王都から北へ3日
騎士団のレベルと人数
第一騎士団 所属人数 約620人 (肩書だけの役職20人)
レベル20台300人 30台100人 40台70人 50台20人 60以上10人
第二騎士団 所属人数 約1000人
レベル20台~40台 0人 50台970人 60以上30人
第三騎士団 所属人数 約2000人
レベル20台~40台 0人 50台1980人 60以上20人
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