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深夜  作者: 福野みふ


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8/9

深夜

作品番号 No.43

2025.10.11 22:58〜23:08

 美しいものを求めると、別の美しいものは捨てなくてはならなくなる。


 夜とはそういう時間だ。特に、深夜。私たちは、「夜景」という美と引き換えに、「明るさ」という美を失っている。


 淡々と静かなこの時間は、そうやってできているのだと思う。他にも当てはまる美はいくつかあるが、キリがないからここでは挙げない。


 本来、人間にとって「深夜」という時間は不可思議なものだっただろう。生命活動もロクにできない時間に、意味はあるのか。そう考え続けるうちに、人間は夜を照らす「灯り」を手に入れた。


 そこから、元々の、そのものの深夜のすがたはない。残念ながら、私はその「そのものの深夜」というものは体験できなかった。


 だがいい。「静寂」という美を捨ててまで、「恐怖」という美を味わいたくはない。

作品解説

夜の「美」を考え続ける一作。

過去を振り返り、本当の「美」の在り方について描いている。

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