6/9
慣れ
作品番号 No.41
2025.9.6 22:05〜22:17
手首の感覚だけでこの夜を過ごしているようじゃ、だめだ。使うなら、指先まで繊細に神経を尖らせなければいけない。それに気づいていなかったのだろうか。馬鹿だな。
落ち着いた夜に会話をする相手は現れない。希望通りだ。せめてこの「夜」という特別な時間は、俺を私として生かしてほしい。一人だけにしてほしい。
話を聞く必要がないのだから、必然的に感覚は手に集中する。一種の芸術を鑑賞しながら、いつも通りを繰り返す。眠気はない。
こういった「習慣」とかいうものは、意識的に変えることができる。趣味だろうと何だろうと、いつのまにか毎日行うことが当たり前になっており、それはいつでもやめられるのだ。呼吸だって例外じゃない。気づけば常にしていて、いつでもやめられる。
だからこそ、俺はさらなる変化を求める。俺は私になれるのだから、変わる。
作品解説
「夜」という時間の自由さに照らされ、それを好む「私」の一作。
孤独を好み、限りある時間を変化とともに過ごす「私」の葛藤を描いている。




