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没作品
作品番号 No.40
2025.7.7 22:45〜22:59
束になった原稿用紙を、そのままゴミ箱に投げ入れる。ドサッという音が俺に快感を運ぶ。これだから無駄遣いはやめられないんだ。
俺にとって価値のあった紙たちも、他の人が見ればただもったいない紙たちだ。口先だけなら経験の重要性を延々と語ることはできるが、偉くなればなるほど人は結果を求める。失敗は、どうやったってただの失敗として扱われるのだ。
じゃあ結果が出たからといってそれが全て輝かしいものなのか、というと全く違う。そんなはずがない。もし同じように光を放っているのなら、わざとでも数個を汚さなければ、評価などされない。
没としてこの世に生まれてきた作品は、今ゴミ箱に捨てられている。まともに作品としての扱いも受けずに、共に見放された作品と終わりに向かう。
一番大事なことに、気付いていなかった。没作品の扱いを憐れんではいけないことに。
作品解説
作品冒頭の描写通り、書いた掌編小説の没作品を廃棄した時に書いた一作。
「小説家」としての小説との向き合い方と、他人からの評価について描いている。




