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黒歴史と夢
作品番号 No.33
2024.10.13 23:38〜23:58
もう一つの故郷といってもよかった。それほど、ここは安心できる場所だった。
祖父母の家に行くと、祖母は決まって「これだから商人はやーねー」と言う。今年で創業45年になる飲食店を営んでいるため、なかなか時間がとれないのだ。
この家には、母とその姉妹の歴史がある。もしかしたら一部は黒歴史なのかもしれないが、俺にはどの記録も素晴らしく見えた。
母が幼少期を過ごしたこの家は、本人にとっては「実家」。俺が思っている何倍も、思い出が残っている場所なはずだ。そういう所には、必ず夢がある。
子どものころの夢でしかない夢も、思春期のころの現実味を帯びた夢も、この家は全て知っている。全て見ていたのだ。
母の姉は夢を叶え、仕事に就いている。当時からの思いを、ずっと忘れないでいるのだ。
作品解説
祖父母の家へ帰省した際に書いた一作。
全ての物事の過程となる過去と、輝きのある未来を柔らかに描いている。




