ゼノの胸騒ぎ
ゼノは何時も通り仕事に追われていた。
6年前にブレイン団長、いやおやっさんから団長に急遽任命されそれはそれは忙しかった。
任命式を早々に済ませ、挨拶回り、騎士団の訓練、書類整理…などなど。
一般の兵士と王国直属の騎士団は似ている様で全然違う。
まず、一般の兵士として何百人いる中でも10〜1まで隊があり、1番優れている1番隊から更に昇格、騎士団からスカウトが入ると騎士団に任命される。
騎士団事態は人数はさほど多くはなく、大体30人ほどであるが、その1人1人が優秀だ。
しかし、それが何とも骨が折れる。性格にクセのある奴が多い!
そいつらを纏め上げ、書類仕事もこなし、で気付けば6年も経っていた。最近では魔物が活発化して更に忙しくなっている。
…あの天使の様な子に会って癒されたい。
そう思いながらも仕事は待ってくれないのであった。
「団長、少し離れますがまた魔物が活発になっている森があるとの情報です。」
クイッとノンフレームメガネを押し上げ書類を持ってきたクールメガネはうちの副団長でマグニスと言う。
如何にも書類整理が得意そうだがかなりのレイピアの達人で怒らせるとブリザードが来る。実際氷魔法にも特化しているので1番怒らせたらいけないと思う。
「はぁ、またか。」
「えぇ、また、です。しかも今回の場合やはり魔族が絡んでいると言ってもほぼ間違いないでしょう。」
「それについては俺も賛成だ。今回は俺も行くとしよう。5人ほど連れて行く。くるか?」
「そうですね、森の状況も気になりますし行きましょう。」
そうして他の騎士団と、例の森に向かうとするが…
「こりゃ酷いな。」
一応バレない様に洞窟などを拠点として活動しているみたいだが数が多い。
「よし、二手に分かれる。マグニスそっちは任せた。」
「了解です。」
切っても切っても出てくるが、やっとの事で一息つく事が出来た。
「団長〜!俺もうヘトヘトっス!」
短髪の爽やかな顔をした男はソラ。
「…俺、…まだ行けます。」
タレ目の無表情な体のでかいこのワンコはルイ。
「俺も早く帰って可愛いコちゃんとにゃんにゃんしたいわぁ〜。」
艶っぽい笑みを浮かべ後ろに長い髪を纏めた色男はキース。
なんでよりにもよってこんな濃いメンバーなんだ…と思いながらも休憩する。
「そうだな、そろそろ…ん?」
帰ろか…と言おうとしたが、手の甲にある紋章が光り出した。そう、6年前のあの子が付けてくれた《神の加護》によるものだ。
まさか、あの子が近くにいる?
それとも危険な目に遭っているのか?
急いで立ち上がると他の者達を置いて走り出したゼノ。
後ろから声が聞こえるが今はそれどころではない。
幸いその手の甲からの光が方角を指しているのでその通りに走った。
すると近くから声が聞こえた。
そこからは見ての通りだ。




