ゼノの気持ち。
夜、城の裏にある騎士舎でゼノは1人夜風に当たりながら酒を飲んでいた。
ここ数日は色々大変だった。
エンシェントドラゴン騒動にクロエの存在、まさか《神の加護》を持っていたとは…今の自分達だけで守るには限界があると思い、即座に陛下に相談した。
あの幼い天使の様な子が良からぬ事を考えている貴族や他国よって巻き込まれるのは間違いないからだ。
それに自分が団長になるとそれなりに動きやすいだろう。
とりあえず今の問題はブレイン…か。
カラン…
「もう飲んでしまったか…」
考えながら随分と飲んでしまったようだ。空になったグラスを置きまだ飲み足りないな…と思っていた所でドアが開く。
「お〜入るぜぇ。」
勝手に部屋に入って来たブレインも同じ騎士舎に住んでいる。部屋が隣なのだ。
もう既に出来上がっているのか顔が赤い。
手にはウイスキーをとグラスを持っており、ドカッと椅子に座る。
「はぁ、毎度毎度勝手にに部屋に入らないでくれよ…」
「いーだろ?俺とお前の仲なんだ、前に他の奴の部屋なんか入ったら顔が青ざめちまってよ、クク。」
小声で愚痴るがどうやら聞こえていたようだ。
ブレインはゼノに並々酒を注ぐと「あぁ、そうだ…」と声を漏らし、
「そうだ、これからはもう団長じゃねぇからな、下手な敬語やブレインさんなんてお前は言うなよ?」
「じゃあ…おやっさん。」
「はぁ?まだそんな歳じゃねぇ!まだ30だ!」
「いーや、決めた。アンタはおやっさんで決定だ。今まで散々振り回されたからな。これくらいは許して貰おうか。」
フッと笑いながらゼノは酒を飲む。
どうやらゼノも少し酔っているようだ。
「チッしょうがねぇな…そういやぁあのチビ助、これから大変だなぁ…《神の加護》なんかもってよ、しかもあの容姿、今でアレだぜ?もっと成長したらとんでもねぇな…」
クロエは自身の容姿について多少注目を浴びてるのは自覚している様だが、実際は本人が思っている以上に目立っていた。
「それに中身はあの性格だろ?面白すぎるぜ。クク。」
ゼノはなんだか胸の辺りがモヤッとしたが気の所為だと思いブレインに忠告する。
「さすがに3歳児に手は出さないでくれ…」
「クク、その割にはお前だって随分気にしてたようだがな…まぁいい、時間はたっぷりあるんだ。あのチビ助がどこまで強くなるのか楽しみだなぁ。」
その後1時間程してブレインは部屋に戻った。
残されたゼノはグラスに残った酒をグィッと飲み干し再び溜め息をつく。
「はぁ、あの人の事だ、嫌な予感しかしないな…」
とりあえず明日からは団長としての仕事をこなさなければならないのでゼノは頭を悩ませるのであった。




