50/50
50. エピローグ
鉱山から得た収入で、妹たちは立派な馬車を購入したらしい。
休暇で領地へ帰った際、私はその馬車を見せてもらった。
「…………」
どこかで見たことがある。
立派な車体。
上等な造り。
じっと眺めているうちに、ふと思い出した。
(あ……)
前回、カイルと恋人が乗っていた馬車と同じだ。
思わず、くすりと笑った。
あの頃は、古びた荷車しか持てなかった我が家に。
今では、こんな立派な馬車がある。
◇
後になって知ったことだが。
国王陛下は、レオンハルト様から何か聞き出したい時には、酒をたっぷり飲ませるらしい。
どうやら私への想いについても、それで随分と聞き出したようだった。
そして陛下は、それをきっかけに「鉱山の視察」と称して、たびたび我が領地へ顔を出すようになった。
もっとも。
本当の目的は、どうやら我が家で昼食を食べることらしい。
その席で陛下は、延々とレオンハルト様の話をする。
そして妹たちは、その内容を律儀に手紙で私へ知らせてくる。
こうして私は、本人からではなく――
国王陛下と妹たちを経由して、少しずつレオンハルト様のことを知っていくことになった。
それは――また、別のお話。




