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45. 待ちきれない
ようやく国王陛下にはお帰りいただけた。
……のだけれど。
王弟殿下は、まだいる。
「…………」
なんとなく、このまま一人で帰すのも可哀想な気がしてきた。
「殿下。夕飯、食べていきます?」
レオンハルト殿下は少し驚いた顔をして、それから――。
こくん。
と頷いた。
……なんだか、可愛い。
食卓に並べたのは、いつもの庶民的な料理だった。
温かいスープに、焼いた肉。
採れた野菜を使った簡単な煮込み料理。
王宮ではまず出てこないような料理ばかりだったけれど、殿下はずいぶん気に入ったらしい。
「……美味い」
「本当ですか?」
「ああ」
何度もお代わりをし、そのたびに目を輝かせている。
さっきまで国王陛下の隣でもじもじしていた人と、同一人物とは思えない。
妹が殿下の皿へスープをよそおうとした、その時だった。
レオンハルト殿下が、唐突に口を開いた。
「エレノア嬢」
「はい?」
「返事が欲しい」
ガシャン。
「…………」
妹の手から、皿が滑り落ちた。
また一枚。
我が家で一番高価な皿が、犠牲になった。




