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『あなたの財布を溶かします!〜ざまぁから始まる贅沢生活〜』  作者: 蒼


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45/50

45. 待ちきれない

ようやく国王陛下にはお帰りいただけた。

……のだけれど。

王弟殿下は、まだいる。

「…………」

なんとなく、このまま一人で帰すのも可哀想な気がしてきた。

「殿下。夕飯、食べていきます?」

レオンハルト殿下は少し驚いた顔をして、それから――。

こくん。

と頷いた。

……なんだか、可愛い。


食卓に並べたのは、いつもの庶民的な料理だった。

温かいスープに、焼いた肉。

採れた野菜を使った簡単な煮込み料理。

王宮ではまず出てこないような料理ばかりだったけれど、殿下はずいぶん気に入ったらしい。

「……美味い」

「本当ですか?」

「ああ」

何度もお代わりをし、そのたびに目を輝かせている。

さっきまで国王陛下の隣でもじもじしていた人と、同一人物とは思えない。

妹が殿下の皿へスープをよそおうとした、その時だった。

レオンハルト殿下が、唐突に口を開いた。

「エレノア嬢」

「はい?」

「返事が欲しい」


ガシャン。


「…………」

妹の手から、皿が滑り落ちた。

また一枚。

我が家で一番高価な皿が、犠牲になった。


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