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38. 一件落着……?
その後、カイルがどうなったのか。
怪しい金貸しから賭博代を借りていたカイルは、父親に借金の肩代わりを断られ、今も借金取りから逃げ回っているらしい。
けれど、あの優しい伯爵様のことだ。
カイルが心から反省すれば、きっと助けてくださるだろう。
……たぶん。
それから、カイルの恋人だった女性は、川から変死体となって引き揚げられたらしい。
――カイルは、落ち込んでいるかしら。
だから、それから先のことは知らない。
知ろうとも思わなかった。
これで、一件落着。
そう思って、ようやく肩の力を抜いて暮らせるようになった。
ある昼下がり。
私は暖炉の前で、のんびりと紅茶を飲んでいた。
「やっと落ち着いたわね……」
窓の外には、春の気配が見える。
月日が経つのは、本当に早い。
お母様が亡くなって、もうすぐ三回目の春――。
「…………」
三回目。
三年目。
「…………」
私は、そっとティーカップを置いた。
「しまった! 婚活忘れてた!」
復讐に、鉱山に、領地経営。
やることが多すぎて、すっかり忘れていた。
三年以内に婚約者を定めなければ、爵位と領地を失う。
期限は――もう目前。
エレノアは、残念な女だった。




