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34. 金が底をついたなら
なんとか自転車操業で凌いできた。
そんなある日、宮廷の官吏から納税の通知書が届いた。
「…………」
完全に失念していた。
税金。
払える金など、もう残っていない。
借りられるところからは、限度いっぱいまで借りた。
新たに金を貸してくれる相手も、もういない。
それどころか、例の金貸しへの返済期限まで迫っている。
そして数日後。
とうとう金貸しの男たちが、屋敷まで押しかけてきた。
幸い、父上は用事で王都へ出かけている。
男たちは応接室へ通されるなり、我が物顔でソファへどかりと腰を下ろした。
「伯爵家の若様なら、借りた金くらい当然返していただけますよねぇ?」
にやにやと笑う顔を見て、背中に嫌な汗が流れた。
「……もう少し待ってくれ」
「もう少し?」
「鉱山が手に入るんだ」
男たちの表情が変わった。
「鉱山?」
「そうだ。もうすぐ俺のものになる。そうすれば、借りた金なんてまとめて返せる」
男たちは顔を見合わせる。
やがて一人が、口元を歪めた。
「……まあ、伯爵家の顔を立てましょうか」
もう一人が続ける。
「本当に鉱山があるなら、ね」
「ある。間違いない」
俺は言い切った。
もう、後には引けなかった。




