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31.まだまだ財布を溶かします。
それからも、エレノアとの外出は続いた。
宝石店。
服飾店。
また宝石店。
「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
店員に見送られながら、エレノアはすっかり慣れた様子で微笑んだ。
「ええ。また来るわね」
(……また来るのかよ)
そのたびに、俺のもとには請求書が届いた。
一枚。
また一枚。
気づけば、領地の書類に紛れ込ませた請求書は、随分な厚さになっていた。
さすがに一言言ってやりたい。
だが、今エレノアの機嫌を損ねて、婚約者の座を他の男に奪われるわけにはいかない。
鉱山さえ手に入れば、こんな出費などすぐに取り戻せる。
これは先行投資だ。
そう自分に言い聞かせた。
そして、もし父上に請求書の存在がバレた時には――
鉱山の話を出せばいい。
それなら父上だって、きっと黙る。
俺はそう信じて、また一枚、請求書を領地の書類へ滑り込ませた。




