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『あなたの財布を溶かします。〜ざまぁから始まる贅沢生活〜』  作者:


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30/37

30.あなたの財布を溶かします。(2)

次に連れて行かれたのは、街一番の高級服飾店だった。


(……まじか。勘弁してくれ)

嫌な予感しかしない。

そして、その予感は見事に当たった。


エレノアは店内を見て回った末、よりによって一際高価な生地の前で足を止めた。

「まあ、素敵……」

(やめろ。そこを見るな)

しかし、願いは届かなかった。

店員がすかさず近寄ってくる。

「さすがお目が高い、お嬢様。こちらは滅多に入荷しない、大変貴重な生地でございます」

「…………」

また聞いたことのある台詞だ。

エレノアが嬉しそうにこちらを見る。

店員たちも、期待に満ちた目で俺を見る。

「…………」

また見たことのある光景だ。

俺はしばらく黙ったあと――

また、聞き覚えのある台詞を口にした。

「……エレノアに似合う。これで仕立ててくれ」

「ありがとうございます!」


店員たちの声が弾んだ。

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