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『あなたの財布を溶かします。〜ざまぁから始まる贅沢生活〜』  作者:


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21. 時戻り

ふと気がつくと、見覚えのある光景が広がっていた。


降りしきる雨。

そして、並んだ二つの棺。

「……どうして」

頭の奥に鋭い痛みが走る。

次の瞬間、私はその場に崩れ落ちた。

目を開けると、見慣れた天井があった。


「お姉様……大丈夫?」

心配そうに私の顔を覗き込んでいるのは、二人の妹だった。

「ここは……」

身体を起こそうとした瞬間、記憶が一気に蘇る。

外れた車輪。

宙へ投げ出された身体。

迫ってきた岩肌。

「私……死んだんじゃ……」

「そんな悲しいこと言わないで!」

妹の目から、ぽろぽろと涙がこぼれた。

「ただでさえ、お父様とお母様が亡くなったばかりなのに……お姉様までいなくなったら、私たち……」


あれは夢だったのかしら。

それとも、今が夢なのかしら。

だって、どちらにも悲しみしかない。

両親は死んでしまった。

カイル様には裏切られた。

どうして私は、死ぬことができなかったのかしら。

ただ――。

妹たちは、温かい。

私も生きている。

まだ、生きていたい。

私、妹たちのことを忘れていたんだ。

こんなに温かいのに。 


「……ごめんなさい」


私は二人を、もう一度強く抱きしめた。

私たち三姉妹は互いを抱きしめたまま、ただ泣き続けた。

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