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『あなたの財布を溶かします。〜ざまぁから始まる贅沢生活〜』  作者:


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15/39

15. 僕たちの未来のために

それからカイル様は、


「僕たちの未来のために」


と言って、帳簿の付け方や領地経営について熱心に学ぶようになった。


「少し休んだら?」

「大丈夫。早く仕事を覚えたくてね」

「うふふ……ありがとう」

私たちの未来を、こんなにも真剣に考えてくれている。

そう思うだけで嬉しかった。


「それよりさ、エレノア」

「なあに?」

「横領って、どうやって見抜くんだい?」

一瞬、答えに詰まった。

「……どうして、そんなことを聞くの?」

「君が今までどんな仕事をしていたのか知りたいんだ。それに、鉱山が見つかれば、収益をきちんと報告しない業者だって現れるかもしれないだろ?」


なるほど。

あまりにもっともな答えに、私はほっと息をついた。

「うふふ……そういうことね。分かったわ、教えてあげる」

これまで、私の仕事について詳しく聞いてくれる人など、ほとんどいなかった。

だから、嬉しかったのだと思う。


帳簿を見る時にどんなところへ目を向けるのか。

数字に違和感を覚えた時、どんなふうに考えるのか。

監査室で経験したことを、私は雑談のように話していった。


カイル様は、そのたびに興味深そうに頷く。

「へえ。それで?」

「それからね――」

聞いてくれることが嬉しくて。

私は、ついつい話しすぎてしまった。

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