前へ目次 次へ PR 13/34 13.違和感 カイル様が領地の視察にも付き添ってくれるようになると、私はその時間を心待ちにするようになった。 馬を並べて走り、他愛もない話をする。 そんな何でもない時間さえ、幸せだった。 ある日、山間の道を馬で進んでいると、岩肌に生い茂る草花が目に留まった。 「……あら?」 見覚えのある花だった。 けれど――色が違う。 私は手綱を引き、馬を止めた。 「どうしたの、エレノア?」 「……なんでもないわ」 そう答えて再び馬を走らせた。 けれど、あの草花のことが妙に心に残っていた。