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人畜無害を極めていたらクラスの美少女がやけに構ってくるようになった話。  作者: ちーずとーすと


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エピソード8

御子柴さんとの一件から1週間が経過した。


御子柴さんとはあれ以来会話もメッセージのやり取りもしていない。


本当なら俺の方からあの時の幼稚な態度に対してしっかり謝るのが筋だと思う。だけどあの時感じた孤独に縛られて未だに言葉を交わすことすらできていない状況だ。


離れていくくらいなら初めから連まない方が良い、という気持ちと自分の起こしてしまった非常な態度を改めてしっかりと和解したいと感じる気持ちが交錯してここ数日間は頭の中がぐちゃぐちゃしている。


そんなことを考えているうちにみるみると時間は過ぎて行きあっという間に全ての授業が終わった。


ホームルームの後、入学直後のように1人で足早に席を立つと後ろから腕を掴まれる感触がした。


振り返るとそこには寂しそうな顔をした御子柴さんが立っていた。


「卯月くん、ちょっといいかな?」


俺は御子柴さんに連れられて屋上にやってきた。


「卯月くん、あのね。この前はごめんなさい。」


深々と頭を下げる御子柴さんに少し驚いて俺は慌てて頭を上げて欲しいと伝えた。


「別に御子柴さんは何も悪くないよ。悪かったのは俺だから。あんなに酷い態度をとってしまったんだ、謝るなら俺の方だよ。」


俺はごめんなさいとしっかり頭を下げる。彼女の方から謝らせてしまった、という事実にまた自己嫌悪に陥りそうになる。


「頭を上げてよ、卯月くん」


そうして御子柴さんの前に向き直ると一歩前進した彼女が俺の頭に手を伸ばしてきた。


「じゃあお互い様ってことにしてまた仲良くしてよ?」


御子柴さんの手がゆっくりと俺の頭を撫でてくる。あの時の感覚と一緒だ。御子柴さんに撫でられると何故かとても安心してしまう。


お互い様ということで俺もゆっくり御子柴さんの頭を撫でる。絹のように透き通ったセミロングの髪が心地いい。


自然と御子柴さんがしてくれたように撫で返したことで一瞬ビクッとしながらも撫でている最中は犬のように気持ちよさそうな顔をしていた。


今日まで俺の心にあった胸のざわつきが洗われていく気がして、この気持ちがとても愛おしく感じる。


俺はおそらく御子柴さんのことが、、、。


そんなことを口にするのはまだ早いと思いこの胸の高鳴りをしっかりと抑えて飲み込む。


「卯月くんも案外スキンシップ好きなタイプなんだね〜」


「そういう御子柴さんこそ。すぐ俺の頭を撫でてくるじゃないか」



「だって撫でられてる時の卯月くん、可愛いんだもん!」


「かっ!可愛くないから、、、。御子柴さんこそさっき犬みたいな顔してたけど?」


「なっ!犬って何!犬って!!私そんな気持ちよさそうにしてた?!」


「それはとてもとても気持ちよさそうにしてたけど?!」


一瞬の静寂が訪れ少し強い風がびゅんと吹いた。


そんな中、俺たちは思わずぷぷっと吹き出して笑ってしまった。おかしな話だ。こんな太陽みたいな子と雲に隠れる月みたいな奴が笑い合ってるなんて。


御子柴さんと一緒にいると不思議とこんなのも悪くないな、なんて思ってしまうのだ。


トラウマを抱えて本当の友人なんか必要ないと思っていたはずなのに、今はこんなにも愛おしいと思ってしまう。


「俺も大概だな。」


そんな俺の呟きは初夏を告げる優しい風に乗ってどこか遠くへ消えていった。

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