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人畜無害を極めていたらクラスの美少女がやけに構ってくるようになった話。  作者: ちーずとーすと


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エピソード7

卯月くんを怒らせてしまった。


帰り道で私は1人、自分の行いを悔いていた。


いつも通り揶揄って卯月くんの可愛い困り顔を見てやろうなんて思っていた。でもあの時話しかけてきた卯月くんの表情は少し落ち着かなそうな、どこか不安を抱えているような目をしていた。


それに気づいていながら私は自分の私欲を満たすために軽率に言葉を発してしまった。


私は卯月くんのことが好き。


初めて会ったのは中学の頃、学校は違うけれど部活で度々顔を合わせていた。というより私が一方的に彼を目で追っていたのだ。


西中学校サッカー部のキャプテン、毎試合すごいプレーで周りを沸かせていた彼を、気付けば相手チームのマネージャーだった私は好きになっていた。


もちろん共通点もなければただの他校の生徒という立場の私が彼に接触することなんてまるで無かった。


でも高校に入学した時、姿は少し変わっていたけど前髪から覗くその目を見て私は確信した。あれは卯月くんだ。


なんとかして仲良くなりたいけどあの頃と違う出立の彼にはきっと何か辛いことがあったのだろう、1人でそっと静かに過ごしているところに水を差してしまうのは良くない。そう言い聞かせて私は知らないふりをしていた。


でもある日、それは突然起きた。


卯月くんが私の前を横切った時にポケットから学生証が落ちてしまった。一瞬すぐに追いかけて渡してあげたほうがいいのか迷ったけど、それだと周りに人が多すぎて目立ってしまうだろうと思った私は学生証に書いてある住所まで届けてあげることにした。その方が人目につかず彼を安心させることができると思ったからだ。


それから今日まで彼との距離は縮まって、友達と呼べる仲まで進展していったのだけれども今日は少しやり過ぎてしまった。


好きな人の前で他の男の子を褒めちぎった。揶揄いのつもりだったけど卯月くんは酷く傷ついたような表情で次第に顔色が悪くなっていってしまった。


裏を返せば嫉妬してくれて、私のことを意識してくれているということになるけど今はそんなことはどうだっていい。


まずは彼にしっかり謝って今まで通りの関係に戻すことが最優先だ。


私のこの思い、彼に伝えるにはまだまだ早いと思う。だから少しずつ距離を縮めて仲良くなってそれから、、、。


さっきまで眩しく輝いていた月は大きな雲に隠れて輝きを失ってしまった。まるで今の私たちの関係みたいだ。

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