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人畜無害を極めていたらクラスの美少女がやけに構ってくるようになった話。  作者: ちーずとーすと


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エピソード2

「なんで御子柴さんがここに・・・?」


俺の住所を知っている友人は本当にごく少数でその少数の友人もこの辺りには住んでいない。

御子柴さんがなぜ俺の住所を知っているのか気になるがまずは何の要件か聞くべきだと判断して通話ボタンを押した。


「はい、卯月です。」


「あ!!やっぱり卯月くんのお家だ!よかったぁ〜。」


「よかった〜じゃなくて!!!なんで御子柴さんが俺の住所知ってるの?!」


人畜無害を貫くべくツッコミは控えてきたのだがこんなシチュエーションだ。流石の俺も無意識に言葉を発してしまっていた。


「それは秘密!!それより渡したいものがあるから通してもらえないかなー?」


時刻は午後の7時半を回っている。いくら高校生とはいえこんな時間に女子を1人にしている方が何か良くない気がして渋々通してしまった。


再度インターホンがなり玄関のドアを開けるとそこには本物の御子柴さんが腰に手を当てて突っ立っていた。本物も何も御子柴さんは1人しか存在しないのだが。


「卯月くん!!こんばんは!!」


「御子柴さん、こんばんは。それで、俺に何か用があるのかな?」


先ほどより冷静さを取り戻した俺はいつもの人畜無害モードを発動して彼女に問いかけた。

すると彼女はポケットから1枚のカードを取り出してひらひらとさせ始めた。


「もー卯月くん、こんな大事なもの落としたらダメじゃん!!個人情報めっちゃ載ってるよ?!」


御子柴さんが手に持っていたのは俺の学生証だった。そういえば今日学校を出る時に御子柴さんグループの前を横切ったな。おそらくその時に落としていたのかもしれない。


学生証にはガッツリ住所や名前、学校名やクラスまで書かれている為、落としたら大変なことになりかねない事態だった。九死に一生を得るとはまさにこういう事か。


「いつのまに学生証落としてたのか。御子柴さん、届けてくれてありがとう!」


「いえいえ〜。でもこれからはちゃんと気をつけてね!!」


そういうと御子柴さんはまだ何か言いたげな様子で俺の顔を見つめている。


「うん、気をつけるよ。それでまだ何か言いたそうだけど、、、」


すると御子柴さんはハッとした様子で我に帰った。


「ごめんごめん!!ちょっと疲れちゃってさ、申し訳ないんだけど少し休憩させてもらってもいいかな、、、?」


わざわざ用事を済ませて学生証を届けてくれた恩人にこのまま帰れなんて言えるほど人の心を捨ててなかった俺はそれを了承しリビングに案内した。


同じクラスの同級生(美少女)が俺の家で休憩をしている。言い方によっては少々やましく聴こえるかも知れないがそんな事は今はどうでも良い。


ソファーに座るなり御子柴さんは辺りを見渡して何かを観察しているようだ。


「卯月くんって一人暮らしだったんだ!!高校生から一人暮らしって凄いなぁ。」


「まぁ色々あって1ヶ月前にこっちに引っ越してきたばっかりなんだよ。」


「じゃあ自炊とかもしてるのー?まさか料理系男子?!」


何故か目をキラキラさせ何か期待するような眼差しを向けてくる御子柴さん。


そして俺は当たり障りのない返答をする。


「少しならできるけど簡単なものばっかりだから結構食べ飽きて外食にしがちかな。」


すると御子柴さんは急に立ち上がって腕まくりをし始めた。一体何をする気なんだろうとその様子を眺めていると彼女は自身ありげにチカラコブを作ってみせた。


「外食ばっかじゃ体に良くないよ!!せっかく来たんだし今日は私が作ってあげる!!」


「いやいやそんな悪いよ、用事もあったのにわざわざ届け物してくれて手料理までご馳走になるなんてそんな、、、」


「別に大した事じゃないし気にしない気にしない!!でもそこまで気にしてくれるならせっかくだし夕食一緒に良いかな?」


それは勿論。クラスの美少女が自宅で手料理を振る舞ってくれた上に2人で一緒に食べることになるとは前世の俺はもしかしたらラノベ主人公だったのかもしれない。そんなくだらない妄想をしつつ俺は快諾した。


そして早速料理に取り掛かろうとキッチンに向かった御子柴さんがくるっと振り返ってまた話しかけてくる。


「卯月くん、私が今日用事があるって話聞いてたんだねー?」


なにやらニタニタと悪戯っぽい笑顔を浮かべている御子柴さん。俺は動揺を悟られないようにたまたま聞こえてきただけだと苦し紛れの言い訳を並べるのだった。


「卯月くん、かわいいなぁ〜」


御子柴さんが小さな声でそんなことを呟いた事に俺は全く気付かず、静かに料理ができるのを待つのだった。

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