↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
35/43

第35話 最強パーティー完成 - でも、戦うのは嫌です

2026/08/28 修正

さき、ももち、ニヘイの職業に 「商人(ユーカー商会)、冒険者(PTベリーズ)」を入れました

 ステータス400のおかげか、すっきりと目覚める。身体の動きも、全てスムーズ。時計を見ると午前6時。朝食までは1時間余裕がある。


 昨日、寝る前に[HP、MP収納]スキルで、試しに僕のHPを300、MPを300収納したので、ステータスを見てみる。

 HP[490/490]+[300/3000]

 MP[630/630]+[300/3000]

[収納]した分は、僕のステータスに「+」されている。無くなった時、補充するための銀行預金みたいなものかな。仮にこの補充が僕だけにしかされないとしても、[リフレッシュ]スキルで他人に譲渡すれば良いだけなので、2度手間になるけど、みんなに使える銀行預金だ。


 次に、スキルを手に入れてずっと気になっていた[ゴーレム」を作ってみる。まずは、身体作りだ。鉄の木を使い、美術のデッサンで使用するような、関節が曲がる木の人形を作った。最初なので、30cm位の高さだ。

 さて、これからどうするのか、検討が付かない。緑魔石小を使ったが、身体がミスリル並に強化されただけで、ピクリとも動かない。ここは一先ず置いといて、誰か知ってる人に聞くか、資料室で調べてみよう


 ふいに、ドアから誰か覗いている気配を感じた。振り返ると、ももちがドアの影からこちらを見ていた。

「おはよう、ももちも早起きだな。いつから起きているの?」

「今日は、1人で起きられたのね。私は、ロシナンの餌やりがあるから、5時半起き。そうだヒカル、飼い葉が少なくなってきたの、買ってきて良い。

「僕に断らなくても、君の馬だから、好きにして良いよ。あっ、これ、馬に掛かる費用はこれから払って」と、大金貨1枚を渡した。

「これ、どのくらいの価値があるの?」

「こちらのお金で、50万モグ」

「ひゃ、150万円。飼い葉、何年分になるの?」

「それから、これ」

 僕は、[収納1]に入っているサイドバッグの中身を、[収納1]に作ったソルグスのフォルダーに移し、サイドバッグだけを取り出した(ちなみに、実際にフォルダーが作られた訳ではない。そう、イメージした方が、移動させやすかったから)。そして所有者を変更して、ももちに渡した。

「このサイドバッグは、ロシナンの前の持ち主が使っていたものだよ。ロシナンもこれの方が慣れていると思う。2m立方の容量があるから、飼い葉も沢山入ると思う」

「ありがとう、ヒカル。朝ご飯は、7時からだよ。」

 ももちは、スキップしながら出ていった。子供以外のスキップを見たのは、何時以来だろう。


「丁度良い大きさのパンがあったので、ハンバーガーにしました」

と、さきちゃんが、楽しそうに話す。ローストビーフならぬローストタイガーと、目玉焼き、トマト、レタス(みたいな野菜)をはさんだ、どこから見てもハンバーガーだ。付け合わせに、フライドポテトも付いている。涙が出るほど嬉しい。


 みんなで、「いただきます」をする。ニヘイちゃんがこちらを見たので、

「『いただきます』というのは、僕たち3人が生まれたニホンの風習で、ご飯を食べるときの掛け声なんだ。植物や動物を育ててくれる大自然や、農作物や海産物を収穫してくれる人たち、そして僕たちが生きていてお世話になっている沢山の人達や物事に対して、こうしてご飯を食べることができることに感謝を表すための言葉なんだ。」と、説明した。

「ふぅーん、エルフと同じような考え方なんですね」

「「「エルフ!」」」、3人の声が重なった。

「エルフって、いるの?」

「はい、ビギンの街だと、魔法ギルドや魔法屋で働いていますし、時々、冒険者も来ます。領都や王都だと、もっといますよ」

「そ、それだったら、ネコのような人とか、ウサギのような人もいるの?」

「ああ、獣人ですね。この街には住んではいませんけど、冒険者として、ちょくちょく見ますよ。身体能力が高いのでランクも高いですね」


 僕の頭の中では、フリフリのドレスを着た数人のネコ獣人が、両手を丸めて、「ゴメンニャンダンス」を歌って踊っている光景が浮かんだ。


「ヒカル、鼻の下が伸びている。ご飯、早く食べよう」

 ハンバーガーは、想像以上に美味しかった。フォレストタイガーの肉を使っているから当然か。欲を言えば、スライスチーズが挟んであれば最高だ。あと、炭酸の飲み物が欲しい。これについては、さきちゃんに相談だ。

 そう言えば、[素材探索]スキルが新しく追加されていたな。炭酸水を頭に浮かべながら[素材探索]を掛けたら、頭の中に地図が出て、ビギンの森を指し示した。領都に行く前に調査しよう。[素材探索]スキル、欲しい素材がどこにあるか教えてくれる凄いスキルじゃないか。素材に限るところが、ちょっと残念だけど。


 食後のデザートにプリンを食べながら、ニヘイちゃんが、興奮した声で話し始めた。

「昨日食べたバナナスムージーも、かき氷も、プリンも美味しかったのですが、今日のハンバーガーは、美味しい上に、食材のバランスが良く、手軽に食べられて、最高です。ぜひ、領都でも販売しましょう」

「それだけでは、メニューも少ないし、ほかに、パフェやケーキも作りたいし」

「さきちゃん、いきなりそれだけ出したら、食のカルチャーショックで大騒ぎになると思う。少しずつ展開して行こうよ」


「さて、食事も終わったようだし、僕から皆さんに話したいことがあります」

「なぁに、改まって」

「とても、大事なことだから、改まったんだ。僕とさきちゃんとももちは、女神様から5つのスキルを貰って、この世界に転移したと、ニヘイちゃんには説明したけど、その際、スキルとステータスに割り振り用のポイントを100ずつ貰いました。」

「昨日、さきさんがポイントを割り振っているのを見ましたが、割り振るスキルやステータスを自由に選べることは、凄いことだと思いました」

「僕の場合、女神様の手違いで、スキルを選択するのが遅れたので、上級のスキルは、忍術以外取ることが出来なかった。その代わり、割り振るポイントを沢山貰ったんだ。それで、普通の転移者以上にポイントを割り振ったんだけど、まだ、沢山余っているんだ。」

「ここからが、本題です」

「ポイントを分けて貰えるの」

「ももち、ピンポン。」

「うっそー、冗談で言ったのに」


「昨日、ステータスを見ていたら、、僕の余っているポイントを、パーティのメンバに割り振ることができる事に気付いたんだ。パーティーを組んだ効果かも知れない。ただし、女神から貰ったポイントを分けられるのは、同じ転移者のさきちゃんとももちだけだった。ニヘイちゃんには悪いけれど、その代わり、パーティーとして獲得したポイントは、当面、ニヘイちゃんに全部割り振るつもりだ」

「私、今のままで十分です。そこまでしていただいたら、恐縮です」

「ニヘイちゃんのためと言うより、パーティのバランスを取るためだから、そんなに恐縮する必要はないよ。それに、[商業]スキルを持っているのは、ニヘイちゃんだけだから、そこを伸ばして貰えると、ユーカー商会の発展に繋がるし」

「分かりました、私、頑張ります」

「そこそこに、頑張って。無理はしないようにね」


「さて、ポイントを割り振る前に、お願いがあります」

「ここは、茶化しちゃ駄目なところね」

「そうだね。ももちにはしっかりと聞いて欲しい。ポイントは沢山割り振るので、ももちの場合、B級冒険者や騎士団長並に強くなると思う」

「いきなり、そんなに強くなるの?」

「スキルもレベルアップするけど、突然強くなる一番の理由は、ステータス全部が200になるから」

「ちょっ、5つのステータスが200って、全部で1000ポイントじゃない。そんなに貰えるの? てか、そんなに、余ってるの?」

「それは、また今度話すとして、とりあえず、ステータスが200になると、垂直で5m跳べるとか、視力が良くなるとか、苦無の命中率が上がるとか、超人的な忍者になれるよ」

 ももちが、静かになって、キラキラした目で聞いている。

「多分、僕たちは最強の冒険者パーティーになれると思う。この街の騎士団相手でも、引けを取らない強さだと思う。そして、そんなに強いパーティーなら、国から戦争への参加も要請されるかも知れない。それは僕の望むところではないんだ」

「もちろん、デスデス団の討伐は目標の1つだけど、血生臭いことは、極力避けたい。スキルを生かして、豊かになって、のんびり趣味を楽しむような暮らしがしたい」

「わたしは、この世界に、新しいスィーツ、新しい料理を広めることができたら、それで満足よ」

「わたしは、百地流忍術道場を造って、この世界に百地流を広めたい」

「わたすは、」

 と、ニヘイちゃんが緊張して訛ってしまった。ニヘイちゃんを含めた4人で、大笑いしたあと、

「わたしは、今のままでも満足ですが、ちょっぴり頑張って、ユーカー商会が少しでも大きくなれば、大満足です。それと、お父さんとお母さんがどうなったかも知りたい」


 沢山残っているとは言え、ポイントは簡単に手に入らない貴重なものだ。信じた友と恋人から裏切られ人間不信に陥った僕が、数日前に知り合った仲間を信じて、ポイントをホイホイ渡そうとしている。学習能力が無いと言えばそうなのだが、人を信じるって、別に悪いことではないので、まっ、いいか。


「みんなの気持ちを聞いて、安心した。それじゃ、ポイントを渡すけど、急に強くなるから注意してね。今日の午後は、レベル上げも兼ねて、使い方の訓練をしよう」

「それじゃあ、さきちゃんから。中級までのスキルは中級の上限まで、上級スキルは上級の上限まで、スーテータスは200まで上げるね。今のレベルではここまでしか上げられないんだ。今後レベルが上がった時は、自力でポイントを上げてね」


 さきちゃんには、スキルポイント870、ステータスポイント900を割り振り、次のようにグレードアップした。


名前[さき・きよみず]、種族[人間]、年齢[18歳]、出身地[日本]

称号[転移者]、職業[商人(ユーカー商会)、冒険者(PTベリーズ)]、レベル[1]

HP[100/100]、MP[310/600]

ス キ ル:収納(中級)[100]、回復(中級)[100]

      弓術(上級)[100]、料理(上級)[100]

      統率(上級)[100]、生活魔法[100]

      水魔法(中級)[100]、木魔法(中級)[100]

ステータス:STR(筋力)[200] VIT(体力)[200]

      DEX(器用)[200] INT(知力)[200]

      AGI(敏捷)[200]


 ももちにも、スキルポイント870、ステータスポイント900を割り振り、次のようにグレードアップした。


名前[もも・ももち]、種族[人間]、年齢[18歳]、出身地[日本]

称号[転移者]、職業[忍者、商人(ユーカー商会)、冒険者(PTベリーズ)]、レベル[1]

HP[100/100]、MP[310/600]

ス キ ル:忍術(上忍)[100]、回避(上級)[100]

      俊足(上級)[100]、暗器(上級)[100]

      テイマー(上級)[100]、生活魔法[100]

      風魔法(中級)[100]、火魔法(中級)[100]

ステータス:STR(筋力)[200] VIT(体力)[200]

      DEX(器用)[200] INT(知力)[200]

      AGI(敏捷)[200]


「ふたりとも、ステータスをチェックして」

「「スゴーイ」」 感嘆の言葉が、2人同時にあがった。

「ヒカル、これってどのくらい凄いのか、実感がわかないけど、MPの上限が600に上がって、生活魔法も100になっている。これで全身浄化もできるよね」

「感動するのは、そこ? これだけ、スキルとステータスがあがれば、木の葉隠れも、影分身も練習すれば使えるようになると思うよ。それと、生活魔法のレベルも上がっているから、使うときに気をつけて。威力を少なめにしてね」


 そして、ニヘイちゃんにも、転移後、僕が自力で獲得したポイントを、それぞれ30ポイントづつ分け与えた。個々のスキルやステータスに割り振りすることはできないが、ニヘイちゃんのこれまでの行動を元に、スキルは[商業]、[料理]に、ステータスは、DEXとINTに割り振られたようだ。


名前[ニヘイ]、種族[人間]、年齢[18歳]、出身地[サクラ王国]

称号[---]、職業[商人(ユーカー商会)、冒険者(PTベリーズ)]、レベル[2]

HP[100/100]、MP[110/110]

ス キ ル:商業(初級)[ 47]、料理(初級)[ 27]

      芸術(初級)[  8]、生活魔法[ 10]

      土魔法(初級)[ 10]

ステータス:STR(筋力)[ 15] VIT(体力)[ 10]

      DEX(器用)[ 30] INT(知力)[ 45]

      AGI(敏捷)[ 10]


「それから、お知らせですが、闇魔法が上級になったので、[転移扉]と[闇領地]が設置できるようになりました」

「[転移扉]って、どこにでも行けるピンクのドアのこと?」

「ももち、残念ながらどこにでも行けるわけではないよ。設置した扉から扉へ転移できるだけで、設置できる扉は4つだけ」

「ヒカル様、その扉、この街と、領都と、王都をつなぐことが出来るって言うことですか」

「あとひとつ、ビギンの森にも設置しようと思っているんだ。素材取り放題になるしね」

「すごい、すごい、すごい。馬車で遠い道のりを運ぶ必要が無くなるのですね。盗賊にも襲われなくなるのですね」

 やはり、ニヘイちゃんは、両親が盗賊に襲われたことを、ずっと引きずっているな。当たり前のことだが。


「それと、[闇領地]だけど、魔石黒大1個で500m×500mの、他人から見えない領地を造ることができるんだ。この領地は、増やすことも結合することもできるよ。そして、領地の中では、温度調整、天候調整、気候調整、地形設計、土地改良、給排水ができるんだ」

「ヒカルさん、それって、農業のためにある領地だと思う」

「ぼくもさきちゃんと同じ事を考えた」

「不作知らずで、季節を考えずに作物が作れるということですね」

「それって、1年中、取れたてイチゴが食べられるって言うこと?」

「ももち、それを言うなら桃だろう。魔石黒小で10m×10mの闇領地ができるので、領地毎に違った作物を作ることができるよ」

「ヒカル、私、桃の領地、イチゴの領地、メロンの領地が欲しい」

「で、誰が面倒を見るんだ」

「人を雇うとか、兄と弟にやって貰うとか」

「実は、[錬金術]スキルに、[ゴーレム]作成と言うのがあるんだ。今は、実験中。それが完成すれば、あとは、種と肥料があれば、果物の楽園も夢じゃないな」


 ももちの音頭で、3人が万歳を始めた。フルーツパフェが食べられるのも、そう、先の話ではないな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。