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ポイント活用で豊かな異世界ライフ  作者: 朝倉瑞穂
【第1章】

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12/23

第12話 ファーストコンタクト2 - 胸ドキの魔法鞄(仮)

次も、完成次第ということで、ご了承願います。

 美人のお姉さんのキラキラ目は反則だ。材料費タダで作ったポーションなので、思わず「料金は要りません」と言いたくなるけれど、当面の生活費は必要なので、慎重に考えよう。

 ラムスは生理的に嫌いだが、コフスは正直者だ。「自分語り」が長かったけれど、鑑定結果と照らし合わせても、嘘は吐いていない。ここは、必要な情報を聞き出して、格安料金で手を打った方が良いだろう。後々の心証も良くなるし。


「あのう、いくつかお聞きしたいことがあるんですが」

「何だ、何でも答えるぞ。ちなみに、マイミーに恋人はいないぞ」

「兄さん、何を馬鹿なこと言ってるの」怒った顔も美人だ。


「ビギンの街はこちらの方向であってますか」 僕は北の方を指さす。

「そうだ、ここから1日も歩けば森が終わる。崖の上に立ったら、草原の向こうにビギンの教会の赤い屋根が小さく見える。」

「街に入るのに、身分証や通行料は必要ですか」

「身分証があれば通行料は要らないが、無いときは、2000モグ取られる。それで1週間滞在できる。その間に身分証を作れば、1000モグ返してくれるがな」

「身分証は、どうやったら貰えるんですか」

「早い話が、ギルドに登録すれば貰える。冒険者ギルドは、3日間の講習付きで1万モグだ。講習は受けておいた方が良いぞ」

「他のギルドは」

「商業ギルド、工房ギルド、魔法ギルドは、10万モグだ。奴らは自分らの儲けしか考えていないからな。他にも、薬師ギルド、農業ギルド、興業ギルドなど、いろいろあるが、いくらするか知らん。商業ギルドよりましだと思う」

「ありがとうございます。ちなみに、中程度の宿で1泊いくらするんですか。」

「お前さんの中程度がどの程度なのか分からないが、俺たちが使っている『ムーンライト』はお勧めだぞ。2000モグで朝食付き。連泊すれば割引もある。なんといっても朝食が旨い上に量が多いから、しっかり食えば、昼飯が要らないくらいだ。冒険者ギルドの近くだから直ぐ分かる」


「探してみます。それと、マイミーさん、魔法書はどこで売っているのですか?」

「生活魔法書ならギルドの売店でも売っているけど、他の魔法書は『魔法屋』で買えるわ。魔法屋には魔法道具とか売ってあるので、ちょくちょく行ってるし、魔法鞄の拡張も、工房ギルドより安くやってくれるわよ」

「その魔法鞄なんですが、たくさん物を入れて、取られたらどうするのですか?」

「俺が生きている限りは俺しか開けられないから、めったに取られることはない。」

「もし、死んだら」

「その時は、その魔法鞄を最初に手に取った奴が使えるようになる。」

 ラムスが、イライラしながら、こちらを見ている。


「いろんなことを教えていただき、ありがとうございます。情報料も加味して、ポーションの価格は10万モグでどうでしょう」

「そんなに安くして良いのか」

「当面はそれくらいあれば充分やっていけますので。それと、ポーションの空き瓶と、要らない袋があればいただきたいのですが」

「遠征を始めたばかりだから、空き瓶は、あと1本しかないけれど、それでよければどうぞ。もっと必要だったら、薬師ギルドに行けば、1本500モグで売っているわよ。それから、この鞄、私が使っていたものでよければどうぞ。背負い鞄だけど、肩掛けにもなるから便利なのよ。たいがいの物は、魔法鞄に入れてもらっているから、今は、このポーチだけで充分なの。」

「これが、ポーション代。小金貨9枚と銀貨10枚だ。というかヒカル、武器も鞄も持たず、良くこんなところまで来られたな。数日遠征したら、ビギンの街に戻るから、一緒に来ないか。」

「俺は反対だ。こんな弱っちい奴が一緒になれば、足を引っ張られる。大体、ポーションなんか無理矢理奪い取っても良かったんだぞ」

 僕が何か言い返す前に、コフスの鉄拳がとんだ。

「お前はどうして何時もそうなんだ。冒険者の風上にも置けない奴だ。その性格のせいで、国を出る羽目になったのを忘れたのか。」

 ラムスは下を向いて、シュンとしている。

「ご厚意はありがとうございます。でも、一人旅も気楽なもんですよ」

「武器無しで大丈夫なの?」

「武器は無いけど、魔法は使えますから。」

「え、どんな魔法。火魔法?」

「いえ、何というか、猿のように登り、猿のように飛び移る、強いて言えば猿魔法です。」

「そんな魔法、聞いたことが無いわ」

「猿で思い出した。この先に『バナの実』が沢山ある場所があるが、モンキーとエイプが縄張りにしているから、近づかないようにな。それと、ワームも潜んでいるからな」

「『バナの実』というのは、黄色いのが房になっている果物ですか。」

「そうだ、今熟れ頃で一番おいしい時期だがな」

「分かりました、用心して進みます。それでは、いろいろ教えていただき、ありがとうございました。」

「こちらこそポーションのことありがとう。ビギンの街であったら、一緒にご飯でも食べましょうね」

「喜んで。その時は、ビギナーダンジョンのこととか教えてくださいね。それでは、また会いましょう」


 こうして、異世界人とのファーストコンタクトは無事に終わった。向こうからしたら僕が異世界人なので、異世界人同士と言った方が良いのだろうか。当面の生活費と有益な情報が得られたので、上々の首尾と言えるかな?

 受け取った硬貨から考えると、小金貨1枚が1万モグ、銀貨1枚が1000モグとなる。普通の宿が2000モグということだから、10万モグは最低でも日本円で約3倍の30万円くらいだろうか。

 物価は日本の3分の1くらいとして、科学的水準は、彼らの服装やギルドの情報からすると、異世界小説の典型である「中世ヨーロッパ」程度と思われる。街についたら、車がバンバン走っていたら笑えるが。

 それと、今気づいたんだけど、鑑定結果に「性別」が出ていなかった。実力本位の考えで、男、女を問わないジェンダーレスの社会なんだろうか。

 鞄を貰えたのは、ラッキーだった。鞄に手を入れた時、[収納]したものを取り出せば、魔法鞄らしく見える。僕が[収納]スキルを持つことが隠せるし、手ぶらなのも怪しまれない。ただ、あのお姉さんが使っていた物を背中に背負ってると考えると、胸がドキドキする。


 さて、当面の楽しみは「バナの実」だ。まちがいなく「バナナ」だ。アポの実は栄養はあるけれど、今ひとつ、食事した気がしない。その点、バナナは満腹感も味わえるし、おかずにもおやつにもなる。気になるのは、そこを縄張りにしているエイプとモンキーだ。どちらも猿だと思っていたけれど、どこが違うんだろう。うーん、あ、そうだ。

 僕は、[収納1]からスマホを取り出した。さすが、時間停止機能付き、バッテリー容量は100%のままだ。2TBのSDカードに、オフラインWeb辞書、オフライン検索データを入れてある。まあ、そのデータ量がSDカードに占める割合は、ほんのわずかなんだけど。2TBの大半は、アイドルのライブステージばかり。スマホの充電さえできれば、異世界生活もバラ色に変わるんだが。

 エイプとモンキーを検索すると、エイプは、ゴリラやチンパンジーなどのように尻尾が無く、知能が発達している猿で、モンキーはニホンザルのような尻尾のある普通の猿らしい。その場にならないと分からないが、戦うとしたら、モンキーは手裏剣で、エイプは忍刀でというのが良いかな。でも、あまり猿とは戦いたくないな。ワームについては、昨日のように「毒肉作戦」でいこう。


 あれ、鞄を背負ってたら、忍刀を背中に担げない。忍刀を腰から下げるのはいやだし、とりあえず、人と出会うまでは、鞄は収納しておこう。

 当初の予感どおり、ビギンの街が北の方向だと分かった僕は、忍刀を背に、足取りもかるく進んでいった。

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