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ポイント活用で豊かな異世界ライフ  作者: 朝倉瑞穂
【第1章】

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11/22

第11話 ファーストコンタクト - コフス3兄弟

第11話、案外はやくできたので投稿します。

前回予告したタイトルを、少しだけ変えています。済みません。

次回投稿は、でき次第ということでご了承願います。


(訂正) 3月14日 2m立法 を 2m立方 へ修正しました。

「ラムス、これじゃない。ハイヒールの方だ」

「はやくしなさいよ、ラムス」

「兄貴、済まない。ハイヒールは無いんだ」

「何を言ってるの。こういう時のため、1本は置いていたはず...... まさか、あんた、売ったんじゃないでしょうね」

「済まない、昨日、取り立て屋が来て、借金の代わりに、ハイヒールポーションを渡したんだ」

「あんた、まだ、賭け事をやっていたの。」

「マイミー、説教はあとだ。今は、この食われた指をどうするかだ。これじゃあ、剣が振れない。今日中に何とかしないと、ハイヒールポーションも効かなくなる。エクストラなんて、今の俺たちには手がでない」


[聞耳]を使いながら、[隠密]、[神足]で近付いて行った。どうやらハイヒールポーションが必要らしい。

 そっと覗くと、異世界小説に出てくる典型的な冒険者スタイルの男性が2名、女性が1名いた。かれらの言葉が理解できると言うより、普通に会話しているように聞こえるということは、ビギンの街を目指している僕にとっては、ありがたい。言葉が通じるかどうか、文字が読めるかどうかは、今後の暮らしに大きく影響する。


 とりあえず、3人を[鑑定]した。(プライバシーの侵害?)


名前[コフス]、種族[人間]、年齢[25歳]、出身地[キュッテ共和国]

称号[---]、職業[冒険者(PT絶好調) Dランク]、レベル[3]

HP[98/200]、MP[7/10]、状態[負傷]

ス キ ル:剣 術(初級)[ 50]、生活魔法[ 10]

ステータス:STR(筋力)[ 30] VIT(体力)[ 25]

      DEX(器用)[ 20] INT(知力)[ 10]

      AGI(敏捷)[ 15]


名前[マイミー]、種族[人間]、年齢[23歳]、出身地[キュッテ共和国]

称号[---]、職業[冒険者(PT絶好調) Eランク]、レベル[2]

HP[30/130]、MP[8/110]、状態[疲労]

ス キ ル:火魔法(初級)[ 30]、生活魔法[ 10]

ステータス:STR(筋力)[ 15] VIT(体力)[ 15]

      DEX(器用)[ 20] INT(知力)[ 18]

      AGI(敏捷)[ 20]


名前[ラムス]、種族[人間]、年齢[21歳]、出身地[キュッテ共和国]

称号[---]、職業[冒険者(PT絶好調) Fランク]、レベル[2]

HP[90/100]、MP[0/0]

ス キ ル:剣 術(初級)[ 30]

ステータス:STR(筋力)[ 20] VIT(体力)[ 20]

      DEX(器用)[ 20] INT(知力)[ 10]

      AGI(敏捷)[ 18]


 驚くほど、ステータスが低い。コフスのこのステータスでDランク冒険者ということは、僕のランクはどのくらいだろうか。C? B? それともA?

 この世界に転移したばかりと言うことで、どうも自分のことを過小評価していたかも知れない。考えれば、50万、100万モグもするポーションを、転移2日目にして簡単に作れるということは、とんでもないことなんだろう。4つのスキルが、軒並み中級のMAXで、忍術スキルに至っては、上忍のMAXだ。

 それよりも何よりも、特筆すべきは、ステータスのすべてが200であること。25歳のコフスのステータスは、一体、どのくらいの年月と努力で、ここまで上げてきたのだろう。

 割り振りポイントを、それぞれ10000与えてくれた女神様に感謝だ。そして、レベルさえ上がれば、余ったポイントもつぎ込める。他の転移者よりも相当有利なのではないか。


 早速、コンタクトを図ろうとして、彼らの前に姿を現した。

「あのう、すみませんが」

 そう言った途端、3人とも僕の方を向いて、剣に手をかけた。

「誰だ、お前」とラムスが怖い顔で言った。

「怪しい者じゃありません」

「そんな奇妙な服を着て、気配を消して近づいて来た奴が、怪しい者じゃないだと?」

「ほら、何も武器は持っていませんよ」と両手を挙げた。

「武器は無くても、魔法を使う奴もいるぜ。いったい何しに来たんだ」

「ハイヒールポーションって、聞こえてきたので、お役に立てるかと思って」

「あなた、今、持ってるの?」と、マイミー。僕がうなずくと、

「すまない。融通してくれないか。相場の金額は払う」と、コフス。

「相場と言うのは」

「品質による。この場で指が再生するくらいの高品質だったら、40万は払う」

[鑑定]の相場より少し安いが、無一文の僕にとって現金を手にできることは、この後、何かと都合が良いと思い売ることにした。


「分かりました。直ぐに指が元に戻ったら、40万モグくださいね」

 僕は、そう言って、[収納]スキルを持っていることを知られないよう、フライトジャケットのポケットに手を入れ、その手に[収納1]に入れているハイヒールポーションを取り出した。


「なんだ、それは」と、コフスが不審そうな顔をした。

「容器が無かったので、鉄の木から作った容器を使ったんです」

「ふざけたことを言うな。鉄の木からポーションの容器なんか作れるわけがない。兄貴、こんな怪しい奴の言うことを信じちゃいけないぜ」

 ラムスとは友達になれない気がする。


 僕とラムスが睨み合っていたら、マイミーが間に入ってきた。

「ラムス、空になったポーションの容器を頂戴」

 ラムスがマイミーに容器を手渡す。ピンポン!予想通り、栄養ドリンクのサイズだ。マイミーは容器の蓋を開け、飲み口に人差し指をかざした。すると、指の先から水が出て、容器を満たした。僕が興味津々の顔で見ていると、

「なあに、生活魔法がそんなに珍しい?」

「いやぁ、初めて見たので。どうしたら使える様になるのですか」

「ウフフ、あなたどこから来たの? 生活魔法なら、10万モグくらいで魔法書が売っているじゃない。それか、ビギナーダンジョンのクリア報酬によく出てくるわよ」

 魔法書? ビギナーダンジョン? 新しい情報で胸がワクワクしてくる。そしてマイミーは、水の入った容器をクルクル回して振ったあと、中の水をこぼした。

「はい、この容器に、あなたのハイヒールポーションを移して頂戴。魔法水で洗っているから綺麗になっているはず」

 マイミーから容器を受け取り、慎重にポーションを移した。いままで容器が黒だったので気づかなかったが、ハイヒールポーションは鮮やかな赤だった。

「まあ、綺麗な赤。色だけ見ると、高品質みたいね」

「色で分かるんですか」

「品質の悪い物だったら、薄い赤や濁った赤だったりするの」


「話し中、悪いのだが、早くそのポーションをくれないか。右手がズキズキしてきた」

「えーと、あなた...」

「ヒカル」です。

「わかったわ、ヒカル。そのポーションを私に頂戴。コフスには私がかけてあげるから」

「かけるんですか?」

「全身傷だらけだったら飲むこともあるけど、この傷だったらかける方が効き目あるし、全部使わなくて済むこともあるじゃない」

 僕はポーションをマイミーへ渡した。綺麗なお姉さんなので、少し手が震える。


 マイミーは、コフスの右手の包帯を外した。中指から小指までの3本が、食いちぎられたように無くなっていた。これじゃ剣を振ることは難しい。

 その傷跡めがけて、マイミーは慎重にポーションをかける。半分ほどかけた時だろうか、傷跡からニョキニョキと、本当にニョキニョキと指が生えてきた。

「こいつは凄い。半分かけただけなのに、もう指が生えてきた。こりゃあ、本当に高品質だ。ありがとうよ、ヒカル」

「いえ、対価はもらいますので、お気になさらずに」

「その対価だが、実を言うと今は払えないんだ」

「どういうことですか」僕は怪訝な顔をする。ラムスが睨み付けてくる。


「少し、俺たちの事情を聞いてくれ。俺たち兄弟は、俺が一番上のコフス、こいつが妹のマイミー、一番下の跳ねっ返りがラムスと言って、生まれも育ちもキュッテ共和国なんだ。ところが、とある事情でキュッテにいられなくなって、ビギンの街へ流れ着いてきたんだ。ビギンの冒険者ギルドで「絶好調」という名前でパーティ登録して、3人で地道に稼いできた。さっきは少ししくじったが、3人寄ればDランクの魔物も倒せるようになったんだ。それで、少しは蓄えもできたが、何時までもこの調子じゃ、所帯も持てない。だから一念発起して、もっと上を目指そうと装備をグレードアップした。そのため、手持ちの金が、20万モグぐらいしか残っていないんだ」

「払う金も無いのに、ポーションを譲り受けたのですか」

「払う金は無いが、払うあてはある。」

「四の五の言わずに兄貴を信じろ。そうだ兄貴、ポーションは半分ぐらい残っているから、そいつを返せば20万モグの支払いで済むんじゃないか」

「何を馬鹿なことを言っているのよ。誰のせいでこんなことになっているのか分かってるでしょう。大体あんたが、賭け事さえしなければ.........」

 マイミーの説教にラムスは下を向いている。ラムスとは『一生』友達になれない気がする。


「払うあてというのは、今回の遠征で数十万モグは手に入るからだ。今までは、精々1泊止まりの遠征だったが、大枚をはたいて『魔法鞄』を買ったので、数泊できるようになった。これで食料もふんだんに持って行けるし、手に入れた素材も、捨てること無く持ち帰れる。往復の時間も稼げるし、第一に重さを感じないから疲れないのが一番だ」

「『魔法鞄』とは、どんな物なのですか?」

「えっ、こ、これだが。見たこと無いのか? 魔法鞄では安い方なので2m立方の容量しかないが、もう既に、ラージフォレストウルフの素材が3頭分入っている。上手に仕留めたから毛皮だけでもそこそこの値が付くと思う。ビギンの街に戻ったら直ぐに換金して、ポーション代を払うから、少し待って欲しい」

「お願い」マイミーがキラキラした目で僕を見つめる。

「す、少し考えさせてください。」

 僕は、頭の中を整理するために、返答を待ってもらった。

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