第95話 ミッドランド公爵家の町 後編
レイは数日間ミッドランドの町で過ごし、町を出発して男爵家の町の宿屋に泊まっていると、クリアナが訪ねてきて、一緒に館に向かう
「レイだったな… 実の加工方法が解れば独占権は与えるが何か問題でも有るか?」
男爵が説明してクリアナも説明している
「無理ですよね? 加工方法が解れば投資した貴族達に全部奪われます。 なので加工出来ても加工方法は教えられません」
レイが笑顔で説明している
「は? 何故だ?」
「公爵様に投資の契約書を見せて貰いましたが… 完全に無理です。 契約書を確認していますか?」
レイが説明して、男爵が慌てて契約書を持ってこさせて読んで頭を抱えている
「これでは… 木の実の利益が出ても…ほとんど奪われて終わりです… 財政を立て直せない」
クリアナが涙目になっている
「これだからマーブリル子爵が余裕なのか… 成功しても失敗しても我が家は終わりだな… あの重臣が余裕なのもこれが有るからか… 」
男爵が頭を抱えて言う
「男爵家は木の実の生産だけして、領民に分配だけにして、利益が出なければ支払いが無いです。 それが前男爵様の思惑です。 木の実の加工方法が解れば貴族達も栽培して加工すれば良いですし… 完全に男爵家は儲けになりません… それでも独占権与えられますか?」
レイが笑顔で説明している
「無理だな… 利益が出ない販売では投資した貴族達が納得しない… 高く売っても買う方が買わなければ終わりだ… 栽培をやめたら投資の返却を求められる…」
男爵が頭を抱えている
「取り敢えず試したい事も有るので、酒に加工した物等を欲しいです… 」
レイが説明している
「それは案内しますが… 何か手立ては無いのでしょうか? 何か…」
クリアナが弱々しい声で言いレイを見ている
「利益無しで売って領民を納得させる方が良いです… それと蜂蜜も作ってください… 蜂蜜なら確実でしょう」
「え! 蜂蜜ですか? 」
「蜂蜜です。 あれだけの果実なら蜂蜜も美味しいと思います」
レイが説明してクリアナを見ている
「何もしてないが… 」
男爵が苦笑いしている
「来年は作ってください… 養蜂の方法なら領内でやっているでしょう」
「御父様やりましょう」
クリアナが男爵を見ている
「やらせるが… 何故今までやってないのか?」
「投資が木の実からですから… 花は別物です。 投資の抜け道です… 多分既に裏でやられているでしょう… 」
レイが笑顔で説明していると、クリアナが考えている
(あ! 蜂蜜毎年販売していますが… 木の実の蜂蜜かは解りません… 商業ギルドが独占販売をしていますから… 完全に監視してません… 蜂蜜作ったら後で文句も言われるのでは… レイさん凄いです… 加工方法が解って木の実が売れれば良いのですが…)
レイ達は町中の市場を見て回り、安い根菜を見ている
「買うのか? 硬くて食べ難いが… 銅貨2枚だ」
露天の店主が説明している
「煮ても食べれないのか?」
「硬いからな… 甘味は有るが… 果実の方が美味い」
「何故作っているのか?」
「斜面の畑で簡単に栽培出来て手が掛からない… 連作の間に一度作れば、作物が育つし… それにスラムの人が買うからな… 硬くても食べられるだけ良いだろう… 」
店主が説明している
「有るだけ買おう… 面白そうだからな」
レイが笑顔で店主に言うと、店主が驚いた様にして根菜を用意して、レインが魔法の鞄にしまっている
「御主人様、あんな物をどうするのですか?」
レインがレイの横顔を見ている
「作れるか確認したいだけだけど… 簡単に育つなら育てたいし… トウサイ… 良い名前だよ」
レイが笑みを浮かべている
「そうなのですか? 」
レインが不思議そうに見ている
(簡単で食べる… 村で食べ物になれば… それが狙いですか? それならば種も買いましょうか?)
レイ達は、宿屋に戻り日が暮れる前にクリアナが数樽の酒と皮を乾燥させた物や種を持って来て、レイが確認して魔法の鞄にしまっている
「レイ様… 用意しましたが… 酒は一樽銀貨1枚でお願いします… 捨てるよりは良いと作っていた者から言われました」
クリアナが説明していると、レイが硬貨を出して渡している
「何が出来上がるか…帰ったら試してみます」
レイが笑顔でクリアナを見ている
「男爵家の未来は有りませんが… お願いします…」
クリアナが言うと帰っていく
「御主人様、あの様子身売りでもしそうな感じです」
レインがクリアナの後ろ姿を見ている
「レインも売られる前あんな感じだったのかな? 貴族様は面倒だな」
「御主人様に買ってもらって感謝しています」
レインが笑顔でレイを見ている
「帰って色々作って利益をあげないと… 自分も破産しそうだけどね」
レイが笑っている
「全て売って旅に出ますか?」
「それもありだよね… あ!錬金術姉妹だけだと今後面倒になりそうだから、誰かいないか見に行くかな?」
レイが笑みを浮かべている
レイ達は奴隷商に向かい、奴隷商人に錬金術やポーション作りをしていた奴隷がいないか聞いている
「中々いませんが… 調度助手していた者がおります」
奴隷商人が笑顔で言うと、1人の痩せた女性を呼び出す
「10日程前に入りましたが、この通り痩せていて健康状態も悪い借金奴隷になります。 金貨3枚で如何ですか?」
奴隷商人が笑顔で説明して、女性が絶望した様にただ立っている
「指が黒いが何故かな? それにどんな仕事をしていたのかな?」
「手が… これは薬草を毎日下処理して… それ以外にも掃除等をずっとしていました… 」
女性が淡々と説明している。レイが鑑定を使い女性を見ている
「薬草の… なるほどね… 奴隷になったのは追い出されたからか? 結構有名な錬金術師か?」
「御父様は、そうですが… 兄も跡を継いで錬金術をしています… 」
「兄に追い出されたと言うより兄の借金の返済の為に売られたのか… 今頃困っているだろうな… 奴隷商人買おう」
レイが笑顔で言うと、硬貨を出している
奴隷商人が奴隷契約をして、女性がレイの前に座りレイの足に口付けをしている
「フィオナは御主人様の為に寝る間も惜しんで働きます。 末永く使いください」
フィオナが興味なさそうにレイを見上げている
フィオナが魔力も錬金術も使えるのに売るなんて、相当価値が解ってないのか? それも奴隷商人は健康状態が悪く痩せているから安く売るなんて… 努力しそうだし… 良い人材と思うけど、人がいなくなって初めてその人の価値が解るのかな? 人材が大事だと解ってない人の事なんてどうでも良いけど…




