第36話 ミリーアリア 前編
翌日、町を出発する。 いくつかの町や村に寄りながら進み、迷宮の有る町の手前の村を出発して歩いている
「御主人様、前から血の匂いと悲鳴が」
エリンが剣に手を掛けながら言う
「魔物?」
レイがエリンを見ている
「多分、人同士です… 魔物ではないです」
エリンが緊張したように言う
エリン先頭に走って進み、10人ぐらいの賊と1人の戦士が馬車と女性を背中に剣を構えている
「観念して捕まれ! 逃げられないのはもう理解しているだろう? お嬢様に用が有るだけだ! 少し可愛がるがな!!」
男が笑いながら戦士を見ている
「近付くな!! 賊ごときが!!」
戦士が剣で牽制しながら叫んでいる
「エリン手加減が難しい… この訓練用の剣で戦え! ファー、エリン行くぞ」
レイが走りながら訓練用の剣を出してエリンに渡しす。エリンが一気に男達に近付いて剣を振り抜き男が弾き飛ばされて、ファーも一人目の男の腕を斬り、男達が慌ててエリンとファーを見ている
レイが訓練用の剣で男を弾き飛ばす
「何だ!! 死にたいのか!! こいつらも殺ってしまえ!!」
男が慌て気味に叫び、男達がレイ達に武器を向けるが、エリンとレイが素早く次々と男達を弾き飛ばして、ファーが牽制するように構えている
「嘘だろ… 強い… おい!! 冒険者なら金貨10枚でどうだ? 味方にならないか?」
男が慌て気味にレイを見て叫ぶ
「取り敢えず捕まえてから考える」
レイが笑顔で言うと、男に接近して剣を振り抜き男の腕が砕ける音をしながら弾き飛ばす
「ファー、こいつらが戦えないように腕を折っておいて」
レイがファーを見て言うと、ファーか気絶している男達の腕をへし折って足も折っている
戦士が警戒しながらレイに剣を向けている
「この状況… えーと… 冒険者なのですが、イキナリ助太刀してよかったですか?」
レイが戦士を見て言う
「はぁ? 何を… 助けてもらい感謝するが… 」
戦士が構えたまま困惑気味にレイを見ている
「えーと、こいつら盗賊で良かったですか? どうも悪者に見えたので…」
レイが苦笑いしながら戦士を見ている
「は? ………… 失礼した… ルセイド伯爵家騎士ロワイダルと申す… 」
戦士が考えてから言う
「冒険者レイですが、この賊どうしましょうか?」
レイが困ったように言う
「は……… 好きに… 殺せば良いだろう… もしかして人を殺した事が無いのか? 」
ロワイダルが苦笑いしながらレイを見ていると、レインとアリスもレイの近くに来る
「助けてもらい感謝します… ルセイド伯爵家ミリーアリアです」
戦士の後ろの少女が驚いた様にしていたが、戦士の横に出て言う
「え! 貴族様… 無礼ですか? 礼儀作法知らないので…」
レイが苦笑いしている。ロワイダルが苦笑いしながら剣をしまい、持っていたポーションを使い、周囲に倒れている兵士の状態を確認している
「構いませんが、女性が多いのです… 」
ミリーアリアがレイン達を見ている
「私達は御主人様の奴隷です」
レインがミリーアリアを見て言う
「え! 奴隷なのですか? どう見ても奴隷に見えませんが… 結構美人でスタイルも良く服装も良い物に見えますが、奴隷なのですか?」
ミリーアリアが驚いた様にレインを見ている。エリンが周囲を警戒して、ファーが盗賊の足を持って一箇所に集めている
「レイだったか? 相談なのだが町まで迎えを呼んできてもらえないか?」
ロワイダルがレイを見て言う
「全員で行ったら不味いですよね? それに呼んでくるにしても信用されない可能性も有ります」
レイが困惑している
「この手紙を門番に渡すだけでも構わない… 誰か1人でも」
ロワイダルが手紙を書いている
「エリン任せられるかな? 走ってどのぐらいか解らないけど」
レイが考えて言うと、エリンが頷いている
エリンが走っていくと、ロワイダルがミリーアリアと話し合い、レイ達は周囲を警戒している。レインとアリスが焚き火を始めて鍋に水を入れてリュックの食材でスープを作り始めている。ロワイダルがそれを見ている
(旅に慣れた冒険者か? 手際が良いな… それに魔法を使えるなら、結構な戦力にもなりそうな… お嬢様の護衛を頼むか… それにあの鎧の者もそれなりの戦士だ… 日が暮れて更なる賊が来る前に迎えが来てくれれば良いが…)
エリンは必死に走って町が見えてくると、列に並ばず門番の所に向かう
「何だお前!! 列に並べ!!」
門番がエリンを見て怒鳴る
「騎士ロワイダルさんからこれを至急渡すように頼まれました」
エリンが手紙と短剣を差し出す
「知るか!! 早く並べ」
門番が信用しないで怪しむように怒鳴っている。門の方から騎士が見ている
「何している?」
1人の騎士が近付いてきて、エリンを見てから門番を見ている
「割り込みをしているだけだ!!」
門番が騎士を見て言う
「騎士様? この手紙を届けに来たのですが…」
エリンが短剣と手紙を見せている
「その短剣! 」
騎士が短剣を見てから手紙を読んで、顔色が変わっていく
「待っていろ!!」
騎士が慌てて門に戻り3人の騎士を連れてくる
(大変な事が… 周囲に知られても面倒だが、すぐに迎えに行かなくては… 追加の部隊も呼ばなくては… お嬢様ご無事で… この場で詳しく聞く訳にもいかないが… )
「この手紙は本当か? すぐに迎えに向いたい!!案内を頼む」
騎士が厳しい顔をしてエリンを見ている
「はい」
エリンが笑顔で言うと、騎士達が馬に乗る
「お嬢さんこっちに乗ってくれ」
騎士が手を差し出すと、騎士が手伝って騎士の後に乗り、他の騎士も馬に乗り疾走していく。 門番が呆気に取られたように見送っている
(何が起きたのか?あの騎士があの顔… 相当焦っている様に見えたが… もしかして本当に何か起きたのか? 後で文句言われないよな… )




