第157話 ヒリアの静養 後編
翌朝、レイ達は森を進み山奥の小屋に到着する
「頭のおかしい奴か… 何か用か? 武器防具ならいくつか作ってある。 持って行け」
男がレイを見て言うと、空間収納から武器と防具を出している
「対価に…これなんてどうですか?」
レイが魔法の鞄から迷宮のドロップアイテムの袋を出して置いている
「何を出した? 中身は… は? ドロップアイテム!! それにこれはタイガーの牙!! ミスリルの剣を強化も出来るぞ……… 」
男が他の袋も開けている
「強化してから受け取りますね」
「は? やっぱり頭がおかしいだろ… 対価を出して強化してから受け取るとか、普通言うか!! お前の頭はどうなっている!! 大体あの温泉宿どうなっているんだ!! お前何を考えている!! 悪徳商人と思えばとんでも無い村を作り、開拓村? 開拓村と言わないぞ!! いい加減頭がおかしいのを認めろ!!」
男がレイを怒鳴っている
「普通だよ… 強化してもらった方が使いやすいし… 開拓村も自給自足できれば利益になります」
「女… こいつに頭がおかしいから、町を作るなと言え!!」
男がレインを見ている
「開拓村です。 準男爵家の開拓村の方が発展しています。 それに大きさもどんどん大きくしてますし… ここは山奥の別荘ですから」
レインが笑顔で説明している
「やっぱりこいつも頭がとんでいる… 」
男が疲れたようにレインを見ている
「あ! そうそう、この国のヒリア王女様を奴隷としてもらったので、しばらく別荘で静養させるから、警備も増やしたからね」
レイが笑顔で説明している
「は? 王女様を奴隷として… 何を… 移住を考えないと… はぁ……」
「え? 秘密にします… それにここは住みやすいですよね?」
「は? お前… 住みやすいか… 生活必需品は村で分けてもらえるし… 鉱石も… 炭も… 鍛冶をするなら良いが… 指名手配されている国崩しを匿って後が大変だぞ!!」
「山奥の鍛冶師としか知りません」
「山奥の鍛冶師… やっぱり頭がおかしいだろ… こいつに比べたら正常か……」
男が疲れたように呟いている
「食料と炭置いて帰りますね」
レイが笑顔で言い、たくさんの炭と食料を出している
「こっこっこっこれは!! 味噌!! こっちは醤油だと!!」
男が叫んでいる
「転生者の奴隷が作りました… また完成したら持ってきますね」
レイが笑顔で言い森に入っていき、男達が見送っている
(味噌と醤油… 嬉しいが… 何気に転生者と言っていたか? 新しい勇者か? 味噌と醤油作れるならば… 久々に日本食を… 他の調味料もほしい… 米が食べたい… 米が… あいつに頼ったら足元を見られる… 味噌と醤油…… 嬉しいぞ!!)
レイ達は森の中で葉っぱや花びらを集めながら開拓村に戻り、錬金術師の工房に向かい、錬金術師2人に蒸留の魔導具を使い、抽出してもらうように伝えてから、別荘に戻る
「お帰りなさいませ、ヒリア様は町を見て回り疲れたようで、休まれています」
執事が微笑んでいる
「無理してないかな?」
「侍女の話によれば、無理はしてませんが、陶器の作り方を知りたいと言われていたみたいです。 かなりの興味があるようです」
「趣味を見付けてくれたなら良いけど、静養中興味がある物は色々経験をさせてあげてね」
「かしこまりました。 喜ぶと思います」
執事が深々と頭を下げている
数日間温泉でゆっくりしてから、レイ達は開拓村を出発してフォーレルドルフの町に戻っていく
「御主人様、お帰りなさいませ」
執事と侍女が並び出迎えている
「御主人様、子爵様より会いたいと連絡が有りました」
執事が説明している
「気が向いたら行くけど、町の状況も知りたいかな? 先に商会の状況を確認したい」
レイが考えながら説明する
「出発前に会うと伝えます」
執事が頭を下ている
翌日、商会に向かいブライドンから商会と町の状況について説明を受けている
「陶器の産地ですか? この地方にはありませんが、ガラスなら湖の畔にあります。質は良くないです…」
ブライドンが説明している
「湖の… ガラスの材料が取れるのか… 」
「旧マーブリル子爵の商会が未だに出入りしておりますが、フォーレルドルフ子爵はあまりよく思ってません、代官は送り込み調整はしているみたいですが、友好的ではありません」
ブライドンが説明している
「行ったら押し付けられそうだな… 商会ならばそんなに悪いことではないとは思うが… 隠れた特産品が有るかもしれないから、調査も必要かな?釉薬が作れるならば、行商人を送り運ばせるかな…」
「行商人を送るのは良いと思います… 商隊が通り、商品も流通していますから」
ブライドンが笑顔で取引の状況も説明している
商会を出てしばらく町の中を見て回り、別邸て密偵からの報告を受けてから屋敷に戻る
翌朝、執事の案内で子爵の館に向かい、部屋に案内される
「レイ殿、相談がいくつかあるが… まずは料理の件だ… 料理人を派遣してくれないか? もしくは町に宿屋を作ってくれないか?」
子爵が説明している
「断ります。 料理がこの町でたくさん作るとルセイド伯爵の町に人が来なくなります。 秘密を守れなくなり、最終的にレシピ全てを奪われて終わりですね」
レイが笑顔で説明している
「断られるのは予定内だが、公爵様達をもてなす料理が必要だ… 」
「通る貴族でもてなす人は、2日分ぐらいでしょう… それならば、伯爵家の料理長に習うのが良いとは思います。 メインの作り方やスープや前菜ですね… 基礎を習い、フォーレルドルフ流のコースを作られた方が良いとは思います。 食文化が発展しますから」
「なるほどな… 伯爵家が修行を認めてくれるか? 」
「フォーレルドルフ子爵様が直接お願いすれば、可能だと思います」
レイが笑顔で公爵が伯爵に頼んだ内容も伝えている
「料理人はそれで解決するだろうが、次の問題だが、マーブリル子爵から割譲した領地だが、商会がいくつか動き、行商はしているが、マーブリルの商会に良い所を支配されている… 」
子爵が詳しく説明している
「逆に利用して領地運営するぐらいしても良いとは思います。 マーブリル子爵領が欲しい商品をしっかり見極めて、何の為に必要か調査して逆に領内で量産にしてしまえば、マーブリル子爵の経済の影響は無くなるでしょう」
レイが説明している
「マーブリルが欲しい物か… そうだな… 商人の事情で動くよりも、産業に繋げろと… その通りだが、簡単には行かないだろう」
「男爵家の領地で布の原料を栽培させて、布でかなり儲けていたみたいですから、今は男爵家で布の生産を始めようとしています。 原料の交易の価格が上がれば、マーブリルの布の価格も上がり、売れなくなるでしょう… 他もそうでしょう、フォーレルドルフ子爵家が領内で生産したら、ライバルになり、価格競争になれば、マーブリル子爵領の経済が更に苦しくなるでしょう」
レイが笑顔で説明している
「そう言う事か… 余裕がある間に投資をすれば良いのか? マーブリルの産業破壊するのか? マーブリル潰しの為か… 」
フォーレルドルフ子爵が笑みを浮かべている
「警戒は怠らないでください… 景気が悪くなれば、争いの種になります。 最悪跡目争いなどになるでしょう… 公爵領までの各家が団結している今ならばマーブリルの脅威も落ちています」
「レイ殿を甘く考えたら終わりだな… 娘の件だが、レイ殿の妾にしてくれないか? 領地付きでも良いぞ」
フォーレルドルフが笑顔で言う。レインが睨んでいる
「御冗談はおやめください、押し付けようとしないでください」
レイが睨んでいる
「侯爵家が狙っているぞ… 密偵の件だが、処分は進めている… 奴隷として欲しいか?」
「フォールベアン王子にあげてください、その方が国の為になるでしょう」
レイが笑顔で説明している。フォーレルドルフ子爵が笑っている
(公爵様の言われる通り敵対しなければ、これ以上良い味方はいないとろう… マーブリル子爵家も敵対しなければ良いものを… 利権を守りたい商会をうまく扱うか… 商会を排除したら商品価値もなくなり、領地問題になるが、研究してこっちで作れば、商会排除も可能なのか? レイ殿ならば簡単にやりそうだが…)




