第147話 ラーミリアランド男爵領の実情 前編
順調に進み、準男爵の町を経由して男爵家の町に到着する。 屋敷に向かい執事と侍女が並んで出迎えている
「御主人様、お帰りなさいませ」
執事が深々と頭を下げている
「何か変わった事はなかったか?」
レイが執事を見ている
「フラン様以外に訪問者はおりません、町中も特に噂はありません」
執事が笑顔で説明している。説明が終わるとレイ達は屋敷に入っていく
レイ達は屋敷で書類を確認して執事が追加で説明をしている
「フラン商隊がこの町の生命線になっていそうだな」
レイが書類を読み終わり言う
「それでも稼ぎが悪いですね… フラン商隊以外だともっと仕入れが高くなるでしょう、それに安く買えるものが少ないです」
レインが考えながらレイを見ている
「果樹園があるから良いけど、新しい特産品も欲しいな… 果樹園の状態も確認したいし… 男爵様に頼んでみようかな?」
「何気に街道以外見てません… 何か見付けたいですね」
「何も無くても、多くの土地を回るのは良い事だよ… 村人の話も聞きたいし… 才能がある人を見付けられるかもしれないしね」
レイが笑顔でレインと話している
侍女が入ってくる
「クリアナ様が来訪です。 応接室に通してあります」
侍女が微笑みながらレイを見ている
「クリアナ様が、果樹園への案内の騎士でも紹介してもらおうな?」
レイが笑顔で呟き、レインと一緒に侍女の案内で応接室に向かう
「レイ様、今回はどのぐらい滞在しますか?」
クリアナが笑顔でレイを見ている
「少し滞在をするつもりです。 果樹園も見たいと思っておりました」
「明日以降であれば御案内させます」
「クリアナ様、ありがとうございます」
「レイ様には本当に感謝しております。 果樹園の件も… マーブリル子爵の野望も打ち砕いて頂き本当に感謝しかありません」
クリアナが頭を下げている
「頭をあげてください」
「最初にお会いした時、実は身売りを考えておりました。 借金にもう男爵家は終わりと思っておりましたが、レイ様のお陰で全てが解決しました。 後は領内の経済の立て直しをすれば良い所までになりました」
クリアナが笑顔で説明している
やっぱり身売りの相手候補にされていたのか… しかし、少し明るい表情になったな… 果樹園の木はまだ見てないけど、果樹園の増設の話にいつ言うか… あの果実の収益が一番多いからな…それに根野菜もそれ相応に多く欲しいな
2日後、クリアナと家令の案内で果樹園に向かって進み、日が暮れる前に到着する
「レイ様、小さいですが泊まれる家がありますが、流石に全員は泊まれません、家令が果樹園の管理をしている者達に到着した旨を伝えに行きました」
クリアナが説明している
「丘の斜面を果樹園にしているのですね… この先はマーブリル子爵領ですか?」
レイが遠くを見ている
「マーブリル子爵領には半日で入れます。 あの付近が国境に一番近い村になります… 今年に入り行商人や商隊が通らなくなり、村から陳情が入っています」
クリアナが少し困ったように村の方を見ている
「結構畑も多いので、何を栽培しているか後で見て回りたいです。 それと途中の草原地帯の花畑は綺麗でした」
レイが笑顔で村の方を見ている
「はい、花畑は綺麗でしたね… 少しゆっくり見たかったです」
クリアナが少し嬉しそうに微笑んでいる
翌朝、管理をしている村人の案内で説明を受けながら果樹園を見て回る
「花も良い匂いです」
エリンが花の匂いを嗅いでいる
「レイ様が言われていた養蜂も今年はさせています。 花が掌よりも大きいので蜜も多く良い蜂蜜が採れそうです」
クリアナが笑顔で説明していると、案内をしている男が困惑気味にクリアナを見ている
「蜂蜜が出来ましたら、買取の交渉をさせてもらいたいです。 果樹園の収益になってくれれば良いです… 後はこの花は多いのですが、全て実がなるのでしょうか?」
レイが花を見ている
「ある程度間引きして、良い実がなるようにします… 」
「実は、花から何かできないか調査をしたいのですが、後で集めてもらえますか? 散った花びらと間引きした花で良いです」
レイが説明をして、レインが追加で説明している
「集めたら町に送りますが、花は食べれませんが…」
男が驚いたようにレイ達を見ている
「色々調べたいです… 何が儲けになるか解りませんから… 果樹園の増設を男爵様にお願いをするつもりだし… 向こうの果樹園も中々良い花も咲いていますね」
レイが果樹園の奥の樹木を見ている
「あれは… 申し訳ありません… 収益を得る為に勝手に別の果樹園を作っていました…… 」
男が慌てて頭を下げている。クリアナも気が付き血の気が引いている
「問題です! 何故勝手に!!」
家令が睨んでいる
「少し見ます」
レイが笑顔で奥の樹木に向かっていく
桜に似ているな… どんな果実が採れるのかな?
男が樹木について説明を始めて、ジャムと酒を作っている事も説明して、レイ達は酒とジャムを見せてもらっている
「ジャムはあまり良くないですが、この酒は面白いですね… 甘みと色合い… このままだと雑味が多いです… それに少し… 」
レイが鑑定をしてから匂いを嗅いで試飲をしている。 レイン達も少し試飲をしている
勿体ないな… 蒸留させて確認をしたいが… 引き取らさせてもらえるかな? サクランボに近い果実なのは分かったけど… それに奥の人… 造酒スキル持ちなんて、拾い物かな?
「レイ様、この事はお父様に報告をして厳正に処分をさせます」
クリアナがレイを見て言う
「まだまだ失敗でも挑戦は良い事です。 果樹園の増設に問題が無いのならば、こちらの栽培も認めてあげてください… 養蜂の蜜が混じって品質が落ちるかな… 良くなるかな? この酒も完成している物は持って帰り、屋敷の侍女達に感想を聞きたいな… 全部でいくらぐらいかな?」
レイが笑顔で男達を見ている
「一樽金貨1枚… 銀貨5枚以上ならいくらでも…」
「鑑定持ち達に鑑定をさせて、支払いをするように… レイン、価格の交渉も鑑定持ち達にさせてね… 」
レイがレインを見て言い、レインが頷いている。男達が驚いたようにレイを見ている
(怒らずに酒を見てくれているのか? それも鑑定持ちが来ているのか? 本当に価値があるか分からないのに交渉出来るのか? この人は本当に強欲商人なのか? 噂ではかなりの数の奴隷をこき使い暴利を得ていると聞いていたが… 油断をしなければ問題が無いのか… 分からない… 噂を信じて良いのか…クリアナ様の笑顔も…もしかして好意を抱いているのか? )




