第140話 フォールベアンの視察
翌朝、男爵家の町を出て準男爵家の町に向かい、野営をしながら順調に進み到着するとレイ達は屋敷に入る
「御主人様、お帰りなさいませ、メリトルセイド行きの商隊が別邸の方に泊まっております」
執事が笑顔でレイを見ている
「後で報告を聞きたいと伝えて欲しい… それと客間を用意するように」
レイが笑顔で説明して、レインが侍女長に警備体制を最上位に上げるように伝えている
日が暮れて夕食後、レイはフォールベアンの部屋に向かう
「レイ、少し予定を変更しても良いか? ゴブリンの被害を直接見たい」
フォールベアンが言う
「レイ様、元々少し抜け出して視察に向かう予定でしたが、レイ様の護衛が厳しく、抜けるのが不可能と思いレイ様に負担になるとは思いますが、重要な事になります」
執事が説明をしている
「先程、メリトルセイドに向かう商隊から報告を受けましたが、町中は安定しているそうです。 まだ少し残るゴブリン討伐は続けていますので油断はしてないそうです」
レイが説明をしている
「レイの商隊は盗賊に襲われないのか?」
「護衛をつけています… それに行商人も少なく商隊を運営しないとメリトルセイドの町は食料不足になります… 実際は開拓村への生活必需品の配送です」
レイが説明している
「レイ、メリトルセイドの町を案内してほしい」
フォールベアンが笑顔でレイを見ている
「フラン商隊はこのままルセイドの町に向かわせます。 もう一つの商隊と共にメリトルセイドの町に向かう事で良いでしょうか?」
レイが説明をしている。執事が微笑みながら頷いている
(商隊を毎に商品が違うなら仕方ないですが、商隊と一緒ならば夜の警戒は少なくて済みます… レイ様の警備体制を抜けられる密偵がありません… ことごとく密偵が見付かり、近付けないのですから)
翌朝、出発の準備をしていると、家令がレイに面会にくる
「何か御用ですか?」
「準男爵様がお会いしたいとの事で迎いに参りました」
家令が微笑みながらレイを見ている。 遠くでフォールベアンと執事が様子を伺っている
「今日は難しいですが、メリトルセイドに行って戻ってきた時でもよろしいでしょうか?」
「急ぎではないので、後日で構いません」
家令が微笑みながら言うと帰っていき、フォールベアンと執事がボソボソ話している
レイ達が町を出発してメリトルセイドの町に順調に進み、町に到着すると商隊は商会に向かい、レイ達は少し商会の付近で荷卸しているのを見てから、屋敷に向かう
「レイ、少し町中を歩きたい」
フォールベアンがレイを見ている
「冒険者風に変装をお願いします」
レイが笑顔で言い、フォールベアンが笑っている
レイ達とフォールベアン達が町中を歩いて見て回っていると、騎士が近付いてくる
「レイ様、護衛させてもらいます」
騎士がレイを見て微笑みながら姿勢を正している
「面倒なので、断りたいですが… 断れないですよね? それならば町中の案内もお願いします」
レイが笑顔で言い、騎士が先頭に町中を歩いて回り、執事が質問するとすぐに答えている。何事も無く屋敷に戻る
「まさか、騎士に案内を任せるとはな… 思ったよりも治安は悪くない… 人の数も少ないな」
フォールベアンが考えてからレイを見ている
「農村復興で浮浪者達は村に行かされたのでしょう… 商品価格は少し上がっています」
「なるほどな… 税は取れているのか?」
「無理でしょう… 農村を見ればわかります… 町から離れてない農村であれば少し見ますか? ついでに開拓村の状況も確認したいので…」
レイが説明している
「是非お願いします、抜け出せないのでお願いするつもりでした」
執事が微笑みながらレイを見ている。フォールベアンが執事を見て笑っている
「警備体制は認めよう… 執事の配下が近づけないのだからな!!」
フォールベアンが笑いながらレイを見る
「密偵ですか? 何回も近付いて来ていた人達ですか? 追い回すよりも追い返して終わりにしましょうか? 村の視察ですが少し野営しながらになりますがよろしいですか?」
「野営か? 気にならない! スープも美味しいからな… 騎士に習わせてほしい」
フォールベアンがレイを見ている
「スープ作る時に手伝いをお願いします」
レイが軽く言い、執事が驚いたようにレイを見ている
(レシピを隠さないのか? 聞いていたが本当だとは… )
翌朝レイ達は町を出発すると、遠回りしてメリトルセイドの領内のいくつかの村を見て回り、最後に開拓村に到着する。レイが馬車を降りて周囲を見ると、村人達が慌てて集まってきて地面に座り込み頭を下げている
「御主人様、何か御用でしょうか?」
村人が頭を下げたまま言う
「村の生活状況の確認に来ただけだ… 何か困り事は無いか? それと作物の状況はどうかな?」
「困り事はありません… 食料の支援のお陰で誰一人餓死は出ておりません… それと共に数人妊娠しております… 申し訳ないと思います」
「それはめでたいな… 丈夫な子供を産むように伝えるように… 村人全員で支え合うように」
レイが微笑みながら村人達を見回している
「御主人様、改めて忠誠を誓います!! 」
村人達が嬉しそうな声で言う
「少し見て回るから、気にせず作業を続けてほしい」
レイが笑顔で言い、村人達がそれぞれ仕事に戻っていくのを見てから、フォールベアンの馬車に近付いていく
「レイの開拓村は奴隷の集まりだったな… 期間奴隷か?」
「全員借金奴隷です… それと犯罪者奴隷もおります… 期間奴隷は男爵様が全員引き受けました」
レイが笑顔で説明している
「この数がレイの奴隷か? 今まで見てきた村々と全く違うな… 作物も育っているし… 向こうには家畜か?」
フォールベアンが見渡している
「家畜からはチーズを作るように伝えてあります… 産業も必要ですから… これだけの人を養うのは大変です」
レイが説明している
「少し見て回るぞ」
フォールベアンが笑顔で言い、畑や村の中を見て回り、少し納得したように執事と話している
(遠くで武器を持っているのは監視役か? 他の村々よりも住民の顔色も良く、生き生きしているな… 食料を中心に育ててるのか… 数種類ならば飢饉になりにくいのか? )
開拓村で野営してから、準男爵の町に向かって進み、数日後準男爵の町に到着して屋敷に向かい、レイは領主の館に向かう
「レイ殿、商隊の運営感謝しているが、他の商会が交易出来ないと文句も出ている」
準男爵が少し申し訳なさそうにレイを見ている
「ルセイドの町と同じですが、行商人がほとんど来ていません… フラン商隊がミッドランドの町まで何往復かしていますが、利益が少なく魅力が無いのが問題です… もう少しルセイドの町で何か交易に使える物を作りたいとは思っています」
レイが考えながら説明している
「行商人が少ないか… その通りだな… 商業ギルドも商隊を編成するように伝えよう… ホルスウィナー様から野営地の事は何か聞いてないか?」
「公爵様から、公爵領でも野営候補地を作る事をやるみたいです… 」
レイが説明をしていると、準男爵が考え込んでいる
「騎士の巡回も定期的にさせよう…野営地の周辺の治安維持はさせよう」
準男爵がレイを見て言い、その後夫人と子供達を呼んで雑談をしてからレイは屋敷に戻る




