第一章 ニューイヤーパーティー~デヴィン~
壁際に戻り、フロアの様子を眺めていると息を切らせて銀髪の青年がやって来た。
「デヴィン君」
「お久しぶりです、マヤ先輩」
「本当に久しぶり。デヴィン君の卒業式以来だものね。まさか首席で卒業するとは思わなかったわ」
「貴方に少しだけでも追いつきたかっただけです……それは僕が贈ったドレスですよね?」
「ええ、エミリーが『これが一番似合う』って勧めてくれたの。いつもたくさんありがとう」
「着て頂けて嬉しいです。それでは」
デヴィンは腕を差し出し、私はそれを取った。
「それにしても背が伸びたわね、デヴィン君」
「ああ、あれから随分伸びたんですよ。もうとっくにマヤ先輩なんて追い抜きましたから」
「そのマヤ先輩って止めない?もうお互い学生じゃないんだし」
「それじゃあマヤさんって呼びます。貴方もデヴィン君は止めてください」
「じゃあ、これからはデヴィンって呼ぶわ。もう立派な紳士だもんね」
「そうですよ、いつまでも子ども扱いしていると……」
すっとデヴィンが私を引き寄せて抱きしめる。
「簡単に捕まえてしまいますよ?」
デヴィンの腕の中で二人の視線が絡み合う。
私は不覚にも一瞬どきっとした。
ぱっと私を離すとあの学生のころと変わらない悪戯っぽい潤んだ瞳で私を見つめていた。
「なんてね。マヤさんは隙が多いから気を付けてくださいね」
曲の終わりとともに、私の手はデヴィンから離れる。
「それでは良い夜を」
「良い夜を」
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