型に囚われない…
「はあ、何だろうなぁ」
ケンジは食堂に着くなり溜め息を吐いて椅子に座る。
「何か悩み事ですか?」
「あぁ…マサさん…コウジのトラップを設置する癖って分かります?」
「トラップの設置する癖?気にした事ないから分からないな〜。それがどうしたの?」
「トラップに掛からない様にするにはコウジの設置する癖を見抜けってシゲルさんが言うから、コウジ本人に聞いたら何と無くやってるって言われちゃって…あーもう分かんね〜」
その時、ミオがピンク色の迷彩服を見せにやって来た。
「ねぇねぇ、この迷彩可愛くない?」
「もう迷彩服じゃないだろ?そんな目立つ服、狙ってくれ言ってるのと同じだぞ。」
「え〜?!いいじゃん!!可愛くしたい年頃の乙女だよ!アタシ!!」
「20代後半で乙女って言うな!」
「うるさい!年齢の事言わないの!」
「そうか!詐欺の時は年齢詐称してるのか!」
「仕事の時はいろんなアタシを演じてるの!型にハマってたら演技なんて出来やしないわよ」
「詐欺を仕事って言うなよ……型に…ハマって……
そうか!!」
「うゎっ!びっくりした!どうしたの?」
「ミオ!サンキュー!お前のおかげで何とかなりそうだ!」
ケンジはミオにお礼を言って走り出した。
「ちょっと!ケンジ!どうゆう事?
……行っちゃったよ…」
そして、ケンジはコウジの元へ…
「コウジ!発信機は何とかなりそうだってトオルさんが言ってくれたぞ。あと、トラップの仕掛ける位置だけど、さっき何となくって言っていたけど、もしかしたらトラップを効率的に発揮出来る配置にしてないか?」
「そんなの当たり前じゃないか!」
「じゃあ、あまり効果が無いとこに仕掛けた事はあるのか?」
「無いよ、無駄に仕掛けても意味ないから!」
「それだよ!」
「なにが?」
「コウジは自衛官としての経験から何となくだが、効率的な場所に設置している。それって型に囚われている事じゃないか?」
「ん〜まぁそうなのかも知れない…じゃあ、無意味に設置しろって事か?」
「そうじゃない!例えば、ワイヤートラップの場合、ワイヤーが引っ張られて起動するだろ?切られたらもう役に立たない!じゃあ、切られたワイヤーを固定してある方に別のトラップを連動出来ないか?ワイヤーのあるとこまでは敵が来てる訳だから切れた途端に落とし穴が発動するとか、ボーガンの矢が飛んでくるとか…」
「なるほど…面白いな!!トラップの重ね掛けか…」
「ユキのハッキングの為に捕虜だって必要になるだろ?だったら、無理に殺す必要だってないはずだろ?」
「あぁ、そうだな!」
「じゃあ、ちょっとシゲルさんに話があるから俺は行くわ!」
「おゔ!色々サンキューな!次のバトル面白い事になりそうだ!」
シゲルの求めといたと思う答えを伝える為に見張りをしてるシゲルの居る階段までケンジはやってきた。
「シゲルさん、コウジの癖って…自衛官として型にハマってトラップの設置位置が単調だったって事ですか?」
「うむ!一応正解じゃ。正確にはコウジのトラップは殺すだけの設置であって生かして捕らえる事はしてなかったからのー。単調って言うとそうでは無いが、1つを回避した途端に別のトラップが発動すると、驚いてすぐに対応するのは難しくなるからの。」
「よし、コウジに言ったのと同じだ。」
「ほう、もうコウジには伝えてあるんじゃな?」
「はい、伝えてあります。」
「合格じゃ!」
シゲルはケンジの行動に満足そうに合格を出してくれた。
シゲルは本当のところ、コウジ自体がこの事に気付いて欲しかったのだが、ケンジの頭の回転の良さに少し驚いていた。
(こやつ、なかなかいい眼を持っとるようじゃの)
「そういえば、ユキに頼んでいたシステムが出来上がったから、明日から取り入れるから覚悟しとくんじゃぞ」
「はい!(遂に本格的な訓練だ。)」




