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その日の夜…

訓練が終わったケンジは、夕食前に風呂に浸かる。朝の登山ランニングは相当足に負担があったのか、脹脛ふくらはぎがパンパンになっていた。

「はぁ〜……疲れた…」

(やっぱり日本人の疲労回復にはお風呂だな〜)

「なんじゃ?!あれっぽっちの訓練でもう根を上げてるのか?」

「うわぁ!!あれ?シゲルさんいつからそこにいたんですか?」

「ふん!お前さんが来る前からおったわい!」

ケンジは気づかなかったが、シゲルは大浴場の隅っこの方で湯に浸かっていた。

「いや〜全然気づかなかったです。」

「そりゃそうだろうな!気配を消したわしを、素人が気付くなんて事ある訳ないわ!」

「気配を消すのは、俺でも出来るようになりますか?」

「訓練次第だが、おぬしでも出来るようになるじゃろう。それは追々教えるから、今は疲れを癒しなさい。明日も朝からランニングじゃからな!」

「…はい。(やっぱり走るのか…)」

「わしは上がるぞい。そろそろハジメが夕食を作り終える頃じゃろうから、遅くならんようにな。」

「また、爆盛りじゃないっすよね?」

「昼間のはやり過ぎじゃと言っといたわい。」

「ありがとうございます。じゃあ俺も上がります。」

風呂を終えた2人は食堂に着くと、ハンバーグがテーブルに並べられていた。食堂にはサトシ以外のメンバーが各々の席に着き最後にハジメがシゲル用の焼き魚をテーブルに出す。

「さぁ、食べましょう。」

ハジメの一言で食事が始まった。

ケンジの前にはお茶碗にグレードダウンしたにも関わらずマンガ盛りのご飯が置かれていた。

「ハジメさん、俺のだけおかしくないですか?」

「何言ってるんだい。男ならそんぐらい食べれるだろ?それとも何だい?ダイエットでもしてるのかい?」

「ケンジに彼女なんかいないでしょ?何ならアタシが彼女になったげようか?」

「ミオが彼女になったら、結婚詐欺に間違いないだろ?」

ケンジは即答だった…

「ヒドい…アタシとは、遊びだったのね…」

「ノリノリじゃねぇか…」

今日、初めて顔を合わせたはずなのに、既に息ピッタリの2人をみんな笑いながら楽しく食事を済ませた。

「さて、ケンジ君。

これから、一緒に戦うチームメイトの役割りを説明しようと思う。」

「はい。」

「まずは、シゲさんから…

シゲさんは気配を消すのは上手な人だ。だから、基本先陣を切る。気配を消しながら敵を発見次第、殲滅!もし、敵が複数確認が出来た場合は、無線でシゲさんが指示を出してくれる。その時は指示に従ってくれ。

次にユキとマサだ。

この兄妹はマサが、敵のメンバーを拉致して、ユキが敵の携帯をハッキングして、敵の位置やリーダーのパスコード解析をする。この時、マサがイケるなら敵を狙撃もしてもらう。

次はコウジ。

コウジには、武器の整備などを頼んでいるが、アイツは元陸上自衛隊の『S』にいたんだよ。」

「トオルさん、『S』ってなんですか?」

「『S』ってのは陸上自衛隊がアメリカの『Delta Force』(デルタフォース)や『グリーンベレー』を範して編成した特殊作戦群『Special Forces Group』(スペシャルフォースズグループ)の事を『S』と呼ぶんだ。当然、陸上自衛隊の中でもトップクラスの精鋭部隊だ。コウジはそこでの経験を活かしてトラップを仕掛けてもらうよ。

ハジメさんは後方で怪我人の手当てや武器の補充に着いてもらう。

ミオは意外と動きが素早いから敵の囮や陽動で動いてもらってるよ。

さて、あとはサトシだが、彼には一切指示を出さない。彼は目の前にいたヤツを片っ端から殺すからね!

まぁ、終わったら勝手に戻って来るからね。

ただし、サトシは味方まで殺す可能性があるから、なるべく近くに行かないようにしてね。」

「あの、トオルさんは?」

「私は、バトルフィールドの端で戦況を確認しながら指示を出していくよ。そして、ケンジ君には遊撃をしてもらいたい。」

「臨機応変に対応しろってことっすね。」

「勿論、1番キツい役を押し付けて済まないと思っている。」

「わしがしっかりと育ててやるから、安心せい!」

「はは…よろしくお願いします。

みなさん、結構長い間このゲームに参加してるんですよね?終わりっていつなんですか?」

「分かるわけないじゃない。」

ミオからの即答だ。

「アタシはそろそろ半年だね。それまでに5回戦ってきたよ」

今度はハジメ…

「私達は8カ月前からずっと兄妹で生き抜いてきた。」

マサの発言にユキが頷いて答える。

「俺は10カ月経ったかな?部隊長にここに行けって言われてからずっとだしな〜」

コウジも答えてくれた。

「私は1年以上、このゲームに参加してます。そして、多くの仲間を失ってきました。今のチームは今までのチームで最高のメンバーが集まった。作戦をたてるのも苦労しないで済みそうだよ。さぁ、次のバトルは絶対に誰も死なずに勝ち抜こう。」

トオルの言葉に全員が、意思統一するのであった。

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