仲間との出会い2
トオルに連れられ、ユキの部屋の前に来た。
「ユキ?いるかい?」
トオルの声に反応するかのように扉の鍵が『ガチャ』と開いた。静かに扉が開くと中学生くらいの少女がチラリと顔を出した。
「…なに?」
「新しい仲間を連れて来たよ。」
トオルの言葉にゆっくりケンジを見て、コクンと会釈をしてトオルを見つめる。
困ったような素振りをしながらトオルが話し出した。
「ケンジ君ごめんね!ユキは人見知りが激しい子なんだ。ユキは高校生なんだけど、ハッキングのプロだよ!」
「ハッキングだって?!」
ケンジの反応にコクンと頷くユキ。
「ユキにはセーフハウスのセキュリティーと敵の動きを仲間に流して貰ってるんだ。」
「じゃあ、非戦闘員ってことか?」
「いや!バトルフィールドには居るよ!一応スナイパーとしてね。相手の端末にハッキングをして、相手の場所をユキが一番最初に知ることが出来るからスナイパーに向いてるんだよ。」
「なるほど、ってかハッキングで相手リーダーからパスコード入手出来ないのか?」
「今までに何度かチャレンジしてみたんだけど、バトルが終わる前にパスコードの入手は未だに出来てないんだ。」
「…防壁多過ぎる…」
「ユキはよくやってるよ」
そう言って、ユキのアタマをトオルは撫でる。
ユキも俯向きながら嬉しそうだ。
「ユキ、マサは居る?」
「…寝てる……」
「トオル、マサってのは?」
「……マサは、……私の兄……」
「警視庁のサイバー警官だよ。」
「トオルさん、静かにして下さいよ。」
ケンジが声のする方に顔を向けると、190cmくらいの男性がユキの背後に立ていた。
「済まない。起こしてしまったみたいだね。」
「別にいいですけど…何ですか?」
「新しく仲間になったケンジ君を紹介しようと思ってね。」
「ケンジです。よろしくお願いします。」
「マサです。まぁ、簡単に死なないようにしてくださいよ。」
「明日からシゲさんにみっちり鍛えてもらうから大丈夫だよ。」
「シゲさんに任せれば安心ですね。ユキもシゲさんのおかげで、それなりのスナイパーになれましたからね。後は誰の所に行くんですか?」
「後は、ハジメとコウジとサトシだね。」
「サトシか…
ケンジさん、サトシには気をつけて下さい。
彼は、殺人鬼ですから。」
「殺人鬼?」
困惑してるケンジにトオルが気まづそうに話し出した。
「サトシは、連続殺人の犯人で、刑務所に収監されてる人間なんだ。」
「なんでそんな奴が…」
「実行委員会がどれだけ力があるのか分からない。ただ、国の機関にも影響を与える事が出来る事から見ても、相当な力があると思う。」
(力があるどころじゃないだろ…
じゃあ、国もこのふざけたゲームを黙認してるって事か…)
「とりあえず、サトシには極力近づかない方が良い。」
「分かりました。忠告ありがとうございます。」
「じゃあ、次はコウジの所に行こうか。」
「はい…」
トオルの後に付いてセーフハウスの地下をさらに降ると射撃練習場と思しき広い部屋にコウジは銃の整備をしていた。
「コウジ…」
「あぁ…トオルさん。どもっ!」
「新しく仲間になったケンジ君だよ。」
「ケンジです。よろしくお願いします。」
「どもっ!ケンジさんは何の武器を使いたいんだい?」
「コウジ、AKあったよね?」
「AKっすか…ありますけど、整備してないんで2日貰えないですか?」
「それくらいなら問題ない。よろしくね。」
「ウィっす。」
「ケンジ君、武器の事ならコウジに話すと良い。」
「何でも言ってきて良いっすよ。」
「はい。分かりました。」
「あと、俺は堅苦しい会話出来ないんで、砕けた感じでいいっすよ。」
「了解。」
「じゃあ、ハジメのとこに行こうか…」
「はい!」
「いってら〜」
射撃練習場から出て行く2人を手を振って見送るコウジだった。




