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覇王様の子守唄 第2章  作者: 日明
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火傷の帝王の真意

「最初から勝つ気などなかったのではありませんか?」


 乗ってきた馬に股がろうとした時、カルマはレノにそう問われた。カルマはいいやと答える。


「二割くらいは勝つ気でいた」


 カルマが馬に股がるとレノも習って股がる。


「八割は負ける気でいたのでしょう?同じようなものです」


 馬を歩かせながら二人は会話を続ける。


「大方、ラディウス国王やマルドア宰相の本気が見たかっただけでしょう」

「まぁそれはある。可愛い妹達を弱い男には預けられんからな」


 カルマはふと夜空を見上げる。満点の星は今にも降り注いで来そうなくらい瞬いていた。


「掴めそうで、掴めんなぁ」


 カルマは空に伸ばした手を握り締め、苦笑する。


「目の前のものでさえ、簡単には掴めないのですから。見えないものを掴むのは更に難しいに決まっているでしょう」

「そうだな・・・。火傷の面など気にするあの子達ではない。心意気であの男達に勝てると思っていたのだがなぁ」

「彼女達以上に愛したいと思える御仁を見付けましょう。彼女達を愛し、彼女達に好かれるような女性を」

「あぁ。そうしよう。ーーただし一年後」

「一年後?何故です?」

「一年も経てば嫌気がさし、俺を思い出してくれるかもしれんだろう」


 レノは呆れたようにため息をつく。


「しつこい男は嫌われますよ」

「その間にいい女が見つかれば別だ」

「なら探しだしますよ」

「期待している」


 カルマはニッと笑い、馬を走らせた。レノもそれに遅れることなく着いていき、バランギアス帝国の二人はウルアークを出ていった。

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