火傷の帝王の答え
「ーー分かった。」
その一言を聞いた直後、倒れている男達はまだ戦えるとどうにか動こうと力を振り絞る。だが、意思に反して体はまともに動こうとしない。
そんな彼らを嘲笑うようにカルマが言葉を続ける。
「俺の負けだ」
全員が暫し言葉が理解出来なかった。カルマは両手を上にあげ、苦笑する。
「可愛い妹達の決闘を受ける。その上で負けを認めよう」
「ーーえ?」
ディーナがようやく、カルマの言葉を聞き返すような声をあげる。
「え?とは何だ。俺が可愛い妹をーー愛しいお前達を傷つけられるとでも思っていたのか?だとしたら心外だな。お前達のためだけに生きてきたんだ。俺の全てをお前達に捧げていると言ってもいい。そんなお前達の命懸けの願いを受けぬ訳にはいかんだろう」
「お兄ちゃん・・・」
カルマは小さく笑ってレオナ、イルリカ、ディーナの頭を撫でる。
「それで?お前達の願いは?」
「ここに・・・陛下のお傍にいたいです」
「アタシもまだここにいたい。ごめんけど・・・お兄ちゃんの隣にはいれない」
「私も、ここで成さねばならないことがあります。それに・・・自分の心にけりをつけなければなりませんから」
「分かった」
カルマは頷いた後、地面に伏している男達に視線を向ける。
「お前達は俺に負けた。その以上は俺の命令に従ってもらう」
カルマは膝をつき、王達と目を合わせた。鋭い視線に王達は身構える。
「己の全てをかけて、俺の妹達を幸せにしろ」
驚きに目を丸くする王達にカルマは背を向け歩き出す。レノはその王の背に黙ってついていく。
「お兄ちゃん!!」
叫んだディーナの声でカルマは足を止める。
「会えて嬉しかったのは本当だよ!ありがとう!!」
「ありがとう!お兄ちゃん!」
「ありがとう」
可愛い妹達の声にカルマは振り返らず片手を振って応えた。そして、ディーナが昔よく歌っていた小鳥のさえずりを口ずさむ。ディーナはそれに合わせてカルマを見送りながら歌った。




