歌姫の覚悟
「思いません」
その声と共に、小さな刃がカルマに向けられた。
「・・・何のつもりだ?ディーナ」
カルマの前にナイフを構えて立ったのは、ディーナだった。
「私だって陛下を完璧お守りする自信なんてないのに、陛下には私を完璧に守ってほしいなんて言えません」
「ディーナ!下がれ!これは俺達の戦いだ!「ふざけないでください!」
初めてディーナに怒鳴られ、王は目を丸くする。
ディーナは王を振り返り泣きながら叫んだ。
「私だって同じです!!貴方とずっと一緒に居たい!貴方のいない世界なんか考えられない!!私だって・・・っ貴方を守りたい!!それなのにどうして除け者にするんですか!?」
ディーナは王の前に膝をつき、血まみれの手に自分の手を重ねる。必死な思いを尚も続ける。
「愛した人が傷つく様を・・・っ誰が見たいと思うんですかっ!」
「ディーナ・・・」
「ディーナ」
冷えた声でディーナを呼んだのはカルマだ。ディーナは王の手を離して立ち上がり、カルマを真っ直ぐ見る。
「お前が戦いに割り込んできた以上、この戦いは俺の勝ちということで構わないな?」
「ーーはい」
「待て!!」
まだ戦える!と立とうとした王は惨めに地に伏せる結果となった。
「陛下と貴方の戦いは、貴方の勝ちです」
「覚悟を決めてくれたか」
カルマは微笑みディーナに手を差し出す。
「待て・・・っディーナ!!」
すがりつくように王もまたディーナに手を伸ばす。




