火傷の王の攻撃
レオナは騎士団の使う馬の世話を手伝っていた。
「レオナ」
名前を呼ばれ思わずビクリと肩を跳ねさせる。
「お、お兄ちゃん・・・」
顔半分は仮面で隠れているが口元から笑っているのが分かる。周りの兵達も相手が何者か聞いているため騎士団の礼をとる。
「俺のことは空気と思って仕事を続けてくれ。レオナにしか用もないしな」
「用って?」
馬にブラシをかけながら、何処か刺々しいレオナの様子に苦笑する。
「何だ。お前も俺が嫌いか?」
「嫌いではないけど・・・」
レオナはもごもごと言い淀む。
「突然で驚いてるのは分かる。だが、俺は本気だ」
「・・・冗談言うような人じゃないのは知ってるよ。でもさ、折角久し振りに会えて嬉しかったのにそんなこと言うんだもん・・・。感動も薄まっちゃうよ」
レオナは言いながら手が止まっていることに気付き、再び動かす。
「俺も言うつもりはなかったんだがな・・・。お前達が美しく成長しているのが悪い」
「アタシが変わったのは体つきぐらいだよ。イル姉もディーナも可愛くなったけど、私は何も変わってない」
「いいや。お前も変わったよ」
耳元に違和感があり、振り返ればすぐ傍にカルマがいた。
「花が似合う可憐な女になった」
ふと髪にバラが挿してあることに気付いた。
「これどうしたの!?」
「ちゃんと庭師を手伝ってその報酬に手に入れたんだ。怒鳴られるいわれはないぞ。だからちゃんと貰ってくれ」
レオナは心を読まれたようで唇を尖らせながら頷いた。
「昔はお前のイメージに花など合わなかったがな。今はよく似合う。綺麗だ」
微笑むカルマにレオナは少し頬を赤くしながら「ありがと・・・」と小さく呟く。
「まだ時間はある。俺が本気だというとをふまえ、考えておいてくれ」
カルマはそう言い残し去って行った。レオナは暫しうつ向いていたが、やがて顔をあげ、馬の世話を続けた。




