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覇王様の子守唄 第2章  作者: 日明
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歌姫へ感謝

 少年と別れ、市場を歩いていると果物屋の老婦がにディーナに声をかけてきた。


「ねえあんた・・・。嵐の時避難所にスープを運んでくれた子じゃないかえ?」

「え?あ、はいそうです」


 ディーナは以前酷い嵐の時幼馴染みのシンと共に避難所にスープを届けに行ったことがある。そのことを思い出して頷いた。


「おお!あん時の子か!!」


 隣の八百屋の男性もひょっこひと顔を出す。


「あん時はあんがとなぁ!」

「い、いえ。私は言われたことをしただけですし・・・」

「嵐の中一生懸命あたしらのために働いてくれたんだ。ありがとうぐらい言わせておくれ」


 微笑む老婦人にディーナは照れくさそうに笑った。


「あ!歌の上手なお姉ちゃん!!」


 少女の声に振り返れば母親に手を繋がれている女の子がディーナを指差していた。


「あら!本当!」


 母親が手を離すと少女はディーナに駆け寄った。


「スープありがとう!おいしかったよ!」

「それは良かった」


 ディーナはしゃがんで少女と視線を合わせ、頭を撫でる。


「あの時はお世話になりました」


 続いて頭を下げる母親にディーナは立ち上がって両手を振る。


「色んな方にお礼をいただいていますが、私は城の方の指示に従っただけですから」

「貴女は私たちに安心感と癒しをくださった。それは貴女自身が私たちにくれたものです。だから、私たちは貴女に感謝するんです」


 母親の言葉にディーナは照れくさくなり、ありがとうございます!と勢いよく頭を下げて照れを誤魔化した。


 そんなディーナと街の人達の様子を見ていたレオナが口を開く。


「安心した」

「嬢ちゃんが愛されてることにか?」


 ギドの言葉にレオナはうんとうなずく。


「それだけじゃなくて城の人も、街の人も優しいから。こんな環境ならディーナが悲しむことないだろうなって」

「誰もが完璧だったわけじゃねえぜ。な、メルフィ」


 話をふられ、メルフィは顔をそらす。


「実はメルフィってな「あーあーあー!!!」


 いい笑顔で話始めようとしたギドをメルフィが慌てて止める。聞きたいレオナと話たいギド。そして絶対に聞かせたくないし、言わせたくないメルフィの攻防戦となった。

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