虫に触れたあの頃の自分にどん引きする事がある
ガシャコン ガシャコン
「……………」
ガシャコン ガシャコン
「……あのー……発言よろしいでしょうかシュワチャン様……」
「ナンダ ニンゲン ○スゾ」
「すいません……その、ヘカトンスケイルには、今後もずっと乗ったままで移動する予定なのでしょうか……?」
ガシャコンガシャコンって、結構な音がするんですね、ヘカトンスケイルって……
「ナンダ モンク アルノカ?」
ガシャコン ガシャコン
「いえ、その……シュワチャン様が出てくるたびにガシャコンガシャコン音がするのは、今後の進行的にも色々と不備があるかと……」
ガシャコン ガシャコン
「あ?うるせぇって言いたいのか?ヘカトンスケイルとアタイは一心同体だ。もうひとつの体と言っても良い。それを引き剥がそうってのか?あぁ?」
ガシャコン ガシャコン
「うぅ……」
「ま、うるせぇってんなら仕方ねぇな。そこの茂みにでも隠しとくか。悪かったな、迷惑かけた」
ポイッ
え?あ……い、良いんですかシュワチャン様?もうひとつの体が茂みに不法投棄されましたが。
「まるで河川敷に落ちてる所有者不明の自転車みたいだ……」
「心配すんな。ヘカトンスケイルはアタイが呼べばいつでも駆け付けてくれるからな」
「へぇー。自動でも動くんですねヘカトンスケイル」
「いや、動かないよ。ヘカトンスケイルに自動操縦機能は付いていない」
「え?でも呼べば駆け付けてくれるって……」
「おう。呼ぶと来るぞ」
「……でも自動操縦機能は付いていないと……?」
「おう。付いていないぞ」
「心霊現象じゃねぇか!!」
ま、待てユウキ。ここは異世界だ、魔法とか超能力とかなんかそんな感じの
「アタイはアンドロイドだぞ?魔法も超能力も使えないよ」
心霊現象じゃねぇか!!
「んー?そんなにおかしいことかね?ねぇアネさん?」
「そうですね。明らかに自動操縦機能が付いていないロボットが、何故か名前を叫ぶと出てくるのは、ロボット界隈では特に珍しい事でも無いかと」
「ですよねぇ?ほら、よくある事なんだから、そんなに心配すんなって。な?」
「ど、どうします作者?なんだか、おかしいのは僕らの方みたいですよ……」
ご、郷に入るには郷に従えと言うし、ここは一旦気にしないでおこうユウキ……ここは異世界、何が起こっても不思議じゃない、ご都合主義の世界だ……
「そんな、異世界を免罪符みたいに……」
「グチグチ イウト サツガイスルゾ ニンゲン」
「すんませんしたぁ!シュワチャン様ぁ!!」
「……あと、そのシュワチャン様って呼ぶのやめろよ。なんかその……距離感が遠くなんだろうが……」
「え?あ……すいません……なんか、畏怖を込めてお呼びした方が良いのかと……」
「あのなぁ、アタイは旅の仲間だぜ?もっと気軽に喋れよ」
「そうです……ううん。そうだよね。ごめんシュワ。これからは普通に」
「舐めた態度取ったらぶっ○すけどな」
「これからも末長くよろしくお願い申し上げますシュワ殿下」
よろしくお願い致しますシュワさん。
「うーん、まぁ良いか。んで?こっからどうすんだ?どこに行って、なにをやるんだよ?」
「……さ、さぁ?」
「……は?おいおい。まさか目的も無く歩いてたってのか?おい作者!どうなってやがる!」
えーとですね……実はこの先のお話の構成が一切決まって無くてですね……ここから何をしようかと悩んでまして……
「んだそりゃ?大抵こういうのって、一話目か二話目辺りで、なにを目的とするのか決めてるもんじゃねぇのか?お前ら一話目と二話目でなにやってたんだよ?」
「一話目は……御手洗さんの服がエッチですねって論争してました……」
二話目は……ゴブリンがトイプードルと散歩に行って終わりました……
「……からかってんのか?嘘ですよね?アネさん」
「ちなみに三話目も私の服がエッチですねって論争してましたよ」
「中学生の昼休みじゃねぇんだぞてめぇら!なんで三分の二がアネさんのエッチな服の話で終わってんだよ!!」
だってエッチだったんだもん!薄い布の服から着替えたと思ったら、着替えた先も胸のボタンぱっつんぱっつんの服でエッチだったんだもん!
「エッチエッチうるせぇな!一応全年齢でやってるんだぞこの作品!」
「でも見てくださいよ御手洗さんの服。どう思いますか?」
ムネノトコロギチィ……
「……エッチだな」
「お褒めにあずかり恐悦至極です。好きなだけご覧になってください」
「あっはい……じゃなくて!もうアネさんの話はいいから、さっさと次の目的決めろっての!なんか行きたい所とか、やりたい事ねぇのか?」
「そう、ですね……とりあえず、この世界の他の住人に会ってみたいので、どこか街に行きたいです」
そうだな。そういえばまだ街にすらたどり着いていないんだった。じゃあ街に行こうユウキ。お二人もそれで良いですか?
「おう。なんであれ、目的があるのはいいことだからな。ね、アネさん」
「はい。ダラダラと旅を続けていても、私のムフフなイラストは増えませんからね」
「あ……そういう方向に積極的なのはアネさんの方なのか……」
よし、では進めユウキ。その先になんか良い感じの街を建設しておく。とりあえず土ブロックと鉄ブロック掘ってくるからちょっと待ってろ!
「そこからやるんですか?え?3年くらい歩いてないとダメですか?」
よし出来た。速度3000倍クリエイトモードは楽で良いな。
「なに言ってるのかよく分かりませんが……ようやっと街に行けるんですね。まともな冒険が始まりそうでなりより」
ブゥゥゥゥン!!
「ヒャッハー!!ここから先は暗黒帝グランザ様の領地だぁ!!通行料を払ってもらうぜぇぇ!!」
ユウキ達の目の前に、バイクに乗ったノースリーブ肩パットのモヒカン達が現れた!
「世紀末国家じゃねぇかぁぁぁ!!」
「イイナ アタイハ コウイウホウガ コノミダ」
「世紀末衣装って良いですよね。布が少なくて」
「意外にも好評だ!?なんでこんなのにしたんですか作者!普通の国にしてくださいよ!」
普通だぁ?何をもって普通だって言うんだユウキィ!モヒカンじゃなくて、ノースリーブじゃなくて、肩パットしてなくて、農業と産業が盛んな、噴水の綺麗な街並みが、普通だって言うのかぁぁ!?
「そうだよ!!この上なく普通だよ!!!誰が好き好んで異世界転生した後の最初の行き先に、暗黒帝グランザの領地選ぶんだよぉぉ!!」
ブゥゥゥゥン!!
「なにくっちゃっべってやがる!!さっさと通行料払いやがれぇぇ!!」
「くっ!戦闘は避けられなさそうな」
スッ……
「こちらが書類となっております。お連れの方含めて3人分の料金となります。お確かめください」
「本当にただの通行料なのかよ!!」
おいおい。仮にも帝国って名乗れる程度には法のある国なんだぞ?
ちゃんとしてるに決まってるだろ
「い、言われれば確かに……帝王名乗るって事は、ちゃんと王政って事だもんな……」
「イセカイデ バイク ノッテルッテ ギジュツノ ハンエイモ スサマジイ クニダナ」
「よく見たら街の門も立派ですねぇ。資金周りも順調なのでしょう」
「えぇ。暗黒帝グランザ様は素晴らしいお方です。民に優しく、国に優しく。外からの来訪者も決して無下にしない。正に理想の帝王です」
「そんな人が治める領地が、なんでこんなヒャッハーな感じになるんですか……」
人の趣味に口出すもんじゃ無いぞユウキ。かく言う俺も、異世界転生書きたくないって、まぁまぁ酷いことタイトルに書いてるけど……
「はい。確かに通行料頂きました。それでは……ヒャッハー!!せいぜい楽しんでいくんだなぁ!!」
ブゥゥゥゥン!!
「カッキノアル イイクニダナ ユウキ」
「あれは活気なのか……?」
まぁまぁ、とにかく入ってくれよユウキ。住めば都、入ればテーマパークって言うだろ?
「知らないカスみたいな造語吹き込まないでください……まぁいいや。とにかく行きますね」
じゃあたまには真面目に、街の描写でもするか。
暗黒帝グランザの領地こと『グランザランド』の歴史は、100年前の『グランザ56世』から始まる……
「あなたのクソみたいな地の文を読みたくないので、カットしてください」
……こうして、グランザ56世は楽市楽座を開き、国境での検閲を撤廃し、3000丁の火縄銃を用いて、武田の騎馬隊を見事に打ち破ったのであった!
「グランザ56世織田○長なの?ここ愛知県なの?」
「イッサイ マチノビョウシャ ナカッタナ」
街の描写?えっと……なんかレンガの建物がいっぱいあって……あとお店がたくさんあって……えっと……
「相変わらず描写が下手ですね……三行も使って、何も伝わってこない」
あと大量のバイク店と全長500メートルくらいの『壊滅要塞ゼロビュート』がある
「壊滅要塞ゼロビュート!?壊滅要塞ゼロビュート!?」
「アノ ヒトバンデ タイリクノ ハンブンヲ ケシトバシタトイウ デンセツノ……」
「そのあまりの破壊力から、天界からも警戒されているという、神殺しの可能性さえある驚異の要塞ゼロビュート……!まさかこんな所にあるなんて……」
噂ではグランザ56世が尾張地方を統一出来たのも、あの壊滅要塞ゼロビュートの存在が大きかったらしい。それほどまでに、あの壊滅要塞ゼロビュートは恐ろしい力をもって
「ストップ!ストォォップ!なんで僕だけ知らない事になってるんだよ!そんなに有名なの!?壊滅要塞ゼロビュートって!」
「例えるなら、大谷○平さんくらいの知名度はありますね」
「世界的英雄レベル!?なにやったんだよ壊滅要塞ゼロビュート……」
え?世界中の貧しい子供達に資金援助して、魔物に壊された村を再生させて、その壊滅力をもって、魔王軍の幹部を何人か倒した。
「世界的英雄だった!壊滅要塞ゼロビュート世界的英雄だった!」
「ドウセダカラ イクゾ ユウキ ゼロビュートノ ケンガクニ ジョウホウヲ モトニ あたいのヘカトンスケイルにその壊滅の力を宿してやる……世界はアタイのものだ……」
「私も見てみたいですね。今のうちに視察して、天界に報告しなければ……弱点と……グランザの弱みを握って、ゼロビュートの支配者を天界に……」
「……なんか僕たちの方が悪者みたいじゃありませんか、これ」
善と悪なんて、見る人によって変わるんだぞユウキ。誰かの救いは、誰かの地獄だ。
「いや、これはたぶん誰が見ても僕たちが悪な気が……」
「ウケツケハ アソコダ ユウキ ハヨイクゾ」
「う、受付?壊滅要塞ゼロビュートって受付があるんですか?」
あるぞ。ほら見ろ『壊滅要塞ゼロビュート見学ツアー』って書いてあるだろ。
「幅広くやってるなぁ壊滅要塞ゼロビュート……」
「これもきっと、暗黒帝グランザの経済計画の一つなのでしょう。観光の目玉として、これ以上のものは無いですから」
「まぁ確かに……普通に僕も行きたいもんな、壊滅要塞ゼロビュート見学ツアー……」
俺も行きたい。早くチケット買ってユウキ。
「はいはい。分かりました。すいません。学生一人に大人一人に……えっと、シュワはどっちだ……?」
「アタイ製造されたの去年だから一歳。子供料金で」
「かしこまりました。学生一人大人一人お子さま料金一人ですね」
「……なんか、19歳だけど、留年したから高校生料金で映画見ようとしてる人みたいですね……」
なんだその妙にリアルな例えは。シュワさんがいっちゃいのお子さまなのは事実なんだからしょうがないだろ。ね?シュワちゃま
「舐めたら○すって言ったよな?誰がいっちゃいのお子さまだコラ?」
シュワ様は一歳の麗しきレディーだぞ!!丁重にエスコートしろやユウキィ!!
「手のひら返しすぎてねじれ切れますよ……」
「はい。ではこちらがチケットになります。どうぞお楽しみください」
「ありがとうございます……受付の人、礼儀正しいけどモヒカンノースリーブなんだよな……というか街の人9割くらいモヒカンノースリーブなんだけど……」
ふむ。例えばテレビなんかで、首にたくさんの鉄の輪っかを付けてる部族の人とか、舌にピアスを開けるのが習慣の村とか見たことあるだろ?
あれだよ。
「あれなんだ……もうなんか、国レベルの伝統衣装なんだあれ……由緒正しいやつなんだ……」
「さっき広場で子供達が『僕も大きくなったら立派なモヒカンノースリーブになるんだ!』って笑顔で言ってましたよ。微笑ましいですね」
「微笑ましい……うん。そうだよね。たまたま伝統衣装がモヒカンノースリーブなだけであって、伝統が守られてるのは素晴らしいことだよね……だよね?」
あぁそうだユウキ。伝統が受け継がれるのは素晴らしいことだ!良かったら、お前も伝統にならってモヒカンノースリーブに
「さ、早く見学ツアーに行きましょう!楽しみだなぁ!!」
……ふっ。強くなったなユウキ。そうだ、都合が悪い時は、デカイ声で誤魔化せユウキ……
しかしユウキ達は知らなかった。壊滅要塞ゼロビュートの見学ツアーで、まさかあんな事になるなんて……
次回『おこちゃまいっちゃいシュワちゃま。迷子になる』
一体どんな事件が起こるのだろうか?




