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もうすでにタイトル思い付かないが?

ほわぁぁぁん……


 ……なんだ今の効果音は。いまだに正解が分からないんだよな、効果音って。剣を振るときに『ザンッ』だとか『シュッ!』だとか使い分けてるけど、別に全部同じだしな……まぁいいや、で、何の音なのこれ?


「僕が異世界転生して、光の中から異世界に現れた音みたいですね」


 なるほど、ワープ音ってやつか。


 ところでSF的な話になるんだが、ワープする時に一瞬この世から全身が消えて、またそこに出現したお前は、果たしてワープ前の人間と同じ存在だと言えるのだろうか?


「はいはい。それはあなたが昔書いていた全く人気の出なかったSF作品でやっててください」


 全くじゃないもん!投稿したら20人くらいは見てくれてたもん!


「でもお気に入りもブクマも0で、感想も0でしたよね?」


 わがっでるよぉ!もうほじくり返さないでよぉ!あれは作品削除と同時に宇宙に消えたんだよぉ!変にクローンものなんか書いてたから、途中から誰が喋ってるのか分からなくなって作者も混乱してたんだよぉ!!


「文才もないのになぜそんな難しそうなものを……」


 思い付いたんだからしょうがないだろ。作品を作るのはいつだって『これ書いてみたいなぁ』っていう心からだろうが。


「それは売れっ子作家が言うから良いんですよ。あなたが言っても言い訳にしかなりませんって」


 おっと、それ以上作者をいじめるなよ?俺が歯車マークさんを押して、その先の真っ赤な文字を押すだけで、この作品を宇宙に還すことも出来るんだからな?


「いい年して、自分の書いているキャラクターと喧嘩して恥ずかしく無いんですか。これ、ようは複雑なひとりごとですからね?」


 そんなこと言わないでよぉ。俺だってたまには創作に関して愚痴りたいんだよぉ。創作関連の知り合いなんて居ないし、そもそも誰にも小説書いている事なんて言ってないんだ。俺の話を理解してくれるのは俺だけなんだよぉ。


「あぁ神よ。なぜ僕を小鳥遊ユウキとして産み出したのですか……どうせなら、ジャ○プ作品の王道主人公とかに産まれたかった」


 贅沢言うな。こうやってネットに投稿されてるだけでも、昔よりはずっとありがたいんだぞ?紙に埋もれて、誰の目にも入ることの無かったキャラクターが、この世にどれだけ居ることか。


「でも読むの20人くらいなんでしょ?」


 あー!書くの辞めようかなぁ!?歯車マークさん押しちゃおっかなぁ!?


「ごほん……と、とりあえず異世界転生を続けましょう。まだたったの2話だと言うのに、ここまで脱線してしまうのは、さすがにマズいです……」


 確かに。そういえばこれは異世界転生モノだった。せめて30人は見てくれるように頑張ろうなユウキ。


「目標低……とは言えないか。あなたの技量を考えると」


 はは、○すぞ。じゃあ早速だがユウキ。とりあえずその辺に『めっちゃ人通りのありそうな街道で、なぜかモンスターに襲われてる若い女』を出すから、それを助けてあげてくれ。


「あー、分かりました。ハーレムの一人目になりがちなやつですね」


 そう、それそれ。エエ女出したるさかい、期待しーや。


「なんですかそのエセ関西弁……まぁ、とりあえず行きますね」


 よし、そうだ。そこを真っ直ぐ行って……もうちょい右だユウキ。よしそこだ、ほら、あの馬車の所に居る若い女を助けるんだ!


「なんか『若い女』って言い方嫌だな……まぁいいや。大丈夫ですか!今たすけ」

「たちゅけてくだちゃい!!」

「いや若すぎる」


 なんだ、熟した女の方が好みだったか?


「熟した女って言い方もなんか嫌だな……じゃなくて!若いって言うか子供じゃ無いですか!」


 なんだ?最近のトレンドは『舌足らずの子供を見て癒される系の作品』だと聞いたんだが……ダメか?


「その方向ならダメでは無いんですけど……これ、一応ハーレムものなんですよね?」


 あぁそうだ。作品のタグにも『ハーレム』ってつけた。ハーレムを作れユウキ。


「ハーレム一人目が舌足らずの子供はもう特殊作品ですってば!」


 ……いや、そんな事無くない?結構あるよ?


「あぁくそ!展開としてはおかしいはずなのに、作品の多様性が広がってるせいで、そこまで異常な事でも無くなってるのか!」


 時代は進むんだぞユウキ。なんなら残りのハーレム全部舌足らずのキャラでも良いんだぞ?


「そんなことしたら、またクローン作品の時みたいに、誰が喋ってるのか分からなくなりますよ?」


 ぐっ!また傷口広げやがって……分かったよ。じゃあやり直すからちょっと戻ってくれ。


「よ、よかった……作品のタグに『ロリ』とか付ける事になるかと思った……」


 ……『アリ』だな。


「絶対にやめてください。年齢制限になってしまう」


 よし、じゃあこれをこうして……さぁ良いぞユウキ。ほら、あの馬車の所に行くんだ!


「ごほん……だ、大丈夫ですか!今たすけ」

「タスケテ タスケテ ガガガガガ」

ウイーン! ガシャンガシャン!

「人ですらねぇ!!」


 なんだ?若い女だぞ?なんせさっき製造したロボットだからな!産まれたてほやほやだ。やっぱり『ロリ』もタグに入れるべきだったか?


「くそ!おかしいと思ったんだ!異世界転生ハーレムなのに、なんでタグに『ロボット』って書いてあるんだろうって!こういう事かちくしょう!」


 そんな嫌がるなよ。多様性の時代だぞ?ロボとの恋愛物語なんて、今さら珍しくもないってば。


「それはそうですけど……ハーレムの一人目がロボはさすがに……」


 なんだ、これも嫌なのか?じゃあなんなら良いんだ?やっぱり熟した女か……


「ふ!つ!う!普通の女の子にしてください!」


 普通だと?言葉を撤回しろユウキ!普通なんてものはな!人によって変わるんだよ!舌足らずのキャラが普通な人も居るし、ロボの女の子が普通の人も居るんだ!!お前の小さなものさしで、普通を語るなよ!!


「あ……も、申し訳ありませんでした……配慮が足りませんでした」


 じゃあ次普通の女の子出すから頑張ってなー


「なんだこいつ……」


 これをぱーしてぺーして……よし。さぁ行けユウキ!そろそろ同じ展開の繰り返しで飽きられるから、これが最後な!


「わ、分かりました……大丈夫ですか!今たすけ」

「わんわん!」

「作者の普通が特殊性癖!!」


 なんだよ。かわいいだろワンちゃん。全くうらやましいよ、こんなかわいいワンちゃんをハーレムに出来るなんて。


「なんで正しい意味での方の『ハーレム』作らないといけないんですか!ハーレムもの詐欺でしょこんなの!」


 嘘は言ってないだろ。ハーレムって要は『群れ』だしな。これからお前は、動物達のハーレム王になるんだユウキ。


「くそ!こいつに普通を求めたのが間違いだった!てかなんだよこれ!異世界転生見にきた読者は、絶対こんな展開望んでませんってば!」


 いや、冷静に考えろユウキ。この作品のタイトル、そしてあのカスみたいなあらすじ。この二つを閲覧した上で、2話まで読んでくれている読者だぞ?


 イカれ野郎に決まってるだろ。


「数少ない20人の読者になんてこと言うんですか」


 イッエーイ!読者見てるぅ?今からあなたの貴重な人生の時間を、俺の性癖で潰させていただく。お覚悟を。


「わんわん!くぅーん……」

「くっ……求めていたものでは無いけど、かわいい……!」


 黒いふわっふわの毛に、くりくりっとしたまぁるいおめめ。体の大きさはユウキのすねくらいまでしか無く、小さな手足を、元気にパタパタと振っていた。


 ちょっとちぢれた毛のおかげで、脱げ毛も少なく、人懐っこくて頭もとってもおりこうさん。毎年の『飼い犬ランキング』でも常に上位をキープしてる大人気のワンちゃん。


 そう、トイプードルであった。


「長い長い!容姿の説明が僕と女神さまの時よりも、明らかに鮮明で長い!あれ、というか僕の容姿の説明ってあったっけ……?」


 さぁユウキ。あのトイプードルちゃんをいじめている、悪しきモンスター……ゴブリンを倒すんだ!


「お、やっと異世界転生っぽい展開が……覚悟しろゴブリン!僕が倒して」

「俺にはムリだ!!こんなかわいい生き物をいじめるなんてぇぇぇ!!!」

「どこが悪しきだ言ってみろこの野郎」


 分かる、分かるぞゴブリン。いくら創作とはいえ、動物を苦しめるのは気が引けるよな……俺もこんなことしたくないよ。でも、ユウキが人気の為にどうしてもやれって……


「お前には人の心が無いのかニンゲン!!この承認欲求モンスターめぇぇぇ!!」

「人の心しかないなこのゴブリン……」


 ……負けたよゴブリン。お前の優しさには完敗だ。もうやめようユウキ。いじめられているトイプードルなんて、最初から居なかったんだよ。


「なんで僕が全面的に悪いことにされてるんですか……?書いてるのあなたですよね?」

「ありがとう作者!ありがとうぉぉぉ……さぁ、俺と一緒に行こうワンちゃん。お散歩に行こうねぇ」

「わんわん!へっへっへ!」


 二人で幸せにな……


「うん。なにこれ?どう展開したら異世界転生ハーレムものの2話が、ゴブリンとトイプードルが笑顔でお散歩に行って終わるの?」


 それではまた次回お会いしましょうイカれ野郎ども。さよなら。


「はは、○すぞ」

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