黒の定例会
※全編ほゞ会話で進行。
コウとリクの影スキルとは。(※注)あくまでもイメージです。
今話の登場人物一覧
シュウ 現在15歳 黒の一族の長 影渡りスキル ジーンに憑いている。
リク 現在15歳 シュウの友人 影糸スキル ローランド先生に憑りつき中
コウ 現在18歳 騎士見習 影渡りスキル セシルと同体
セイ 現在20歳 ローゼの男娼 なし 娼館ローゼが遊び場 (新キャラ)
スイ 現在25歳 ローゼの薬係 なし 娼館ローゼで物色中 (新キャラ)
《1》
ライとアーサーの二人が、スイとセンの住む屋敷に引っ越し、落ち着いてから数日後。
( 黒の一族たちの間では、此の屋敷を〔スイ家〕と呼んでいた。)
黒の定例会会場となっているスイ家にシュウとリクは集い、そして影渡りを使ってコウがオレンヂ王国から訪れていた。
厨房に入る手前の狭い使用人休憩所。
パイン材で作られたシンプルな四角いテーブルの上には、スイが小径で採ったハーブで作った薄黄色のお茶を人数分の木製カップに注ぎ、無造作に並べ置かれている。
両壁に沿って背凭れの無い木製の椅子が並べられている。
若き長のシュウは、ジーンが見たこともない真面目な顔で、会の口火を切る。
「あの日から六カ月目に入った。時々おいらとの会話で、影スキルが向上しているのは把握している。 おいらとしては、特殊なセシルと近いコウの状況を聞きたい。 そしてリクは先生との接触で、何か変わったか? あの時サロンでお嬢が、リクの操っている影糸が見えていたのには驚かされた。ぼんやりとした物だったようだったが。」
「あン時は焦ったッス。『モヤってる』みたいなことをお嬢がシュウに話したから。 慌てて手中で〔隠〕の指を曲げて隠せたッスけどぉ。」
「セシルは、ヨウが隠さない影糸は視えてる。 セシルは目が良いよ。黒の一族じゃないのが不思議。」
「そういえばあの夜ヨウはセシルに影糸を放てたのだったな。 夜においらたちのスキルが使えていてから唖然とした。 ヨウだけかと思って居たらおいらやリクも夜にスキルが使用出来るようになってたから。 だから始め頃は、里の地でなく女王の住む王都だから特別なのかと考えた。
しかし皆の話を聞くと、夜に使用出来たのはヨウとコウ。そしてリクとおいらの4人。 おいらは救ってくれたお嬢の力だと考えて居た。 リクはおいらと一緒にいつもお嬢と居たからな。 でもヨウとコウは、一日の殆どセシルと過ごすが、お嬢との接触は酷く少ない。 それなのにスキルが変容したと思える程の進化を遂げていた。 もしかしてスキル向上の鍵はセシルなのか。」
「だと思うけど。 でも一族に貸し出せる程の時間はセシルにないよ。 オレンヂ王国から帰国してもね。 今でさえ僕はセシルと班が別だから抱けないし。時間厳守で行動が決まってるからホント騎士って不便だよ。 こっちに戻っても、それは変わらないと思うから他の奴とヤる暇なんてないからね。」
「で、コウのスキル状況は?」
「前回話した時は、僕の影にセシルを入れて抱き始めると、影の濃さが変わって僕がセシルを抱きやすいように動いたって話だったね。 その時の感動って言ったら。 ああ僕は影と一体になった。って思えて嬉しくて。
それで今回の話は、影の中でセシルを抱いていると、僕の影がセシルを包みながら蠢いて人の形を取ろうとしたんだっ。 セシルに抱かれてたヨウが「盗ンな!」って怒ってたけど。 でもヨウは僕の影の感触に慣れているから受け入れて、、、3人がピッタリ填まった。 その瞬間僕は絶頂を迎えた。 それと同じ瞬間に2人も絶頂を迎えていたから、あの一致したって感覚を2人とも得たと思う。
その時に僕たちのスキルは一段上がったと思うよ。 セシルは影から影糸を作れるようになったし。ヨウは影糸から、相手に声だけじゃなく感覚を送れるようになった。まあ、エッチしてる時の感覚だけだけど。僕たちは、それだけで良いしね。 でしょ?シュウ。」
「まあな。城の奴らとおいらたちでは、大事なモンが違うしな。 うーん、、、セシルが鍵なのか。 おいらがセシルにちょっかいを出せないしな。 本格的にお嬢を怒らせかねない。どーすンべ。 しかし、、、だ。コウっ! セシルが超絶イイ!!っての聞いてりゃ分かるけどなぁー。 そろそろコウは孕ませる相手を見つけておけよ。 お前は19歳になるだろぉ? おいらたちが身命をかける使命は、古からの教え通り黒の一族の血を繋ぎ増やすことだ。 亡くなった長や年長者たちに代わってなっ! おいらだって忙しい合間を縫って頑張ってるんだゾっ。 ヨウは17歳になったばかりだから、未だ少しゆとりがある。 コウっ!王都での生活で忘れているかも知れんが、20歳になったら、あっと言う間に年長と呼ばれる27歳になるからな。 里のようには行かないンだぞ。」
「いやぁ、里の様に行かなくて唯一良かった事があるだろう、シュウよ。」
「スイ、まあーぁー。」
「シュウが言葉を濁すとは珍しい。」
「「「「ウンウン。」」」」
「別に我らがここで口に出すのは禁忌でもあるまい。 シュウだって考えて居ただろう? 自分たちでは里の娘達を身籠らせる事は無理なのでは?と。 長と年長者が絶えれば一族の血も絶えてしまう、、、とな。」
「スイ、それ以上は、、、もう。 思ったとしても、おいらは口に出来ない。」
「しかしボクは、コウとシュウの英断で、他族の娘と交われる事を知れて良かったと思うよ。 きっと来年には新たな我ら一族の子が生まれている。 だろ?シュウ。 娼館〔ローゼ〕に来た子を娶ったのだろ? モリが笑って話してたよ。」
「ええぇー!マジッすか、シュウ! お嬢には?」
「言わないよ、リク。 話しても『フーン。』とか『へぇー。』だろうしなぁ。 まあ偶々〔ローゼ〕に裏稼業の連中から売りに来たてから買った。 つうかイブに買って貰って。 丁度王都での結婚制度を聞かされた時だったから事実婚ってことで。 で、娼館〔ローゼ〕が子のがいる娼婦の集合住宅を借りていたから空いてた部屋に住まわせてる。 ちっ。モリには秘密にしておけって口止めしてたのに。」
「そりゃシュウ、無理だろ。 長の子を身籠る可能性のある相手だよ。 王都に居る年長者にはモリが話すだろう。 そっか、そっか。 俺はてっきり亡くなった長の娘ツキと仮初婚をすンのかと思ってた。 お嬢より3つ下だけど肉体的にはツキの方が良さげだったし。 お嬢が好きなシュウだったらツキも有りかと。」
「ある訳ねーだろっ、リク。 だいたいツキを始めとしたガキたちは、ヴィーさんが知り合いのチャンとした人に育てさせるって連れて行っちまっただろう。 おいらたちに育てられたら、王都で生き難くなるっつって。 それにお嬢は感情がどうのって相手じゃねぇ。 あの方は女神ルミナス様の化身でもあンだよ。 大切にお守りしたいお方だって言ってるだろっ。 おいらはおいらの使命を全うさせているだけだ。」
「そうだよ、リク。 それとコウ? 2人ともシュウを見習って頑張りなよ。 シュウの相手は、既に懐妊しているからね。 ふっ実はゼツの奥さんも懐妊したみたいだよ。 来年の3月くらいかなあ。 シュウはギリギリ今年の年末になるか来年のはじめ頃だね。 良かったね、シュウ。」
「ぅン。 まあ娼館〔ローゼ〕で気の良い頭のイブと話していて、娼館を新たな里にしようと考えて動いてたからな。 〔ローゼ〕なら娘に困らないし、気持ち良くおいらたちのスキルを磨けるしな。 特に里で調薬していたモリとスイたちは病の匂いに敏感だから〔ローゼ〕で早めに処置出来る。 だからリクとコウはグダグダ言わずに、とっとと〔ローゼ〕で相手を見繕えっ。」
「ヤダぁ。僕はセシルが良いいぃーっ!」
「俺も今、先生が良い所なンす。 ここまで粘ったのハ・ジ・メ・テ/////!」
「リクは嘘を吐くな、嘘を。 里で姉貴が2人目の夫と仮初婚で伽をした翌朝から365日、狩りの時以外は、毎日毎日家や作業場で襲って来て大変だったと、コッチに来てから凄い文句だったぞ。 それが大変だったから窶れてたって。 おいらはてっきり姉貴が病弱なのだと、単にリクに勘違いさせられていただっけつうね。 仮初婚の時期を入れたら、3年間も姉貴の尻を追い掛けて使ってたリクが何言ってやがる。 しかも何で尻なんだと。」
「嫌だってさっ。2人目の夫って俺の兄さんだったろ?流石に前は兄さん用かなとね?にゃはっ。」
「それでリクは、なんでそんなに先生を気に入ったのかな?」
「あっスイ。うん。 まあー単純なんッスよ。俺の影糸が反応したって言うのが初め。 それが気になってお嬢たちと居る先生を見てたら、お嬢に対してめっちゃ執着してるし、青い目には噴火しそうな情欲を滾らせて見詰めてるし。 あっ、あの欲を受けたらどうなるんだろって思ったら欲しくなって、シュウに頼んだワケ。 シュウに任せたら大抵巧く行くしね。」
「はぁ。で、スキルは先生に移せそうなのか? リクはヴィーさんにそう言って協力して貰ったのだろ?おいらヴィさんだけは怒らせたくない。 あの人のスキルって、何か知らないけど気配だけでヤバそうだと感じるからな。 まあヴィさんが溺愛している先生をなんでリクに任せたのか謎だけどさぁ。」
「あははっ、ウンそれは俺も謎。 スキルを移せるのは嘘じゃないし。 今は先生のカラダに馴染んできたところかな? シュウたちは知ってると思うけど、俺って影糸使う奴の中では、一番細く影糸を撚れるよねっ?」
「まっ、そうだな。影スキルを使える奴は、影糸が視えるからな。 里の中でも使えない奴は殆ど視えてない。」
「へへへ。 それでこっち来てから娼館でヤりながら影糸を細く細ーく撚っていて。 新しい性戯に使えないかなーって。 特に先生に俺の影糸を巻き付けてから、先生の欲を結構受け取るようになって。アレ先生って此の侭、情欲を無理矢理押し込めてたら暴発しそうな強烈な欲をその頃俺のカラダが受けちゃって。
初めて自慰を体験しちった。 で、 影網を作ることにしたんだ。
俺の影糸を元々先生の手首に巻き付けていたせいか、触れながら話すと俺の〔気〕が馴染んで、話を誘導し易くなるんだよね。 強い反発や否定の気持ちがあると誘導できないけどさ。 ゼツとケイトさんの結婚話を聞いて感情が昂っている時に、直接先生の肌に触れて、影糸を出して首元に巻き付けておいたんだ。
それから作って於いた影糸の網で先生の肉体を覆った。 それをお嬢に影が「モヤっている。」っているって見られた所だったワケなのさ。」
「いや、おいらの目にもリクが両手から、薄い影の靄を出して先生の首筋に、流し込んでいるようにしか視えなかった。アレって靄じゃなくて網だったのか?」
「いくら天才的な俺でも影は糸にしか出来ないッスから。 糸使いは、シュウやコウみたいな影渡りとは違うンだぞっと。 それから俺は糸の影網から先生の欲を受け取り、その快感を影網や俺の掌、指先、舌で送ると先生は凄く良い声とたまらん表情で鳴くのが、脳天が痺れる程、気持ちいいッスよ。」
「うーん。つまり影糸使いのヨウは感覚を送れるようになった。そして同じ影糸使いのリクは感覚を送受信出来るようになったって所か。 うーん変と言うか不思議だ。 リクは性交がなくても快感を得れたのか。」
「うん。不思議なンすどね。 先生から初めて受けた脳を犯される快感は、衝撃的で神経が逝くって悦びを知ったっス。 性交で疲れとか感じたことはねぇッスけど、脳がイった時は全身汗だくで、この俺が倦怠感で動けなくなったスよ。 やっぱり先生って特異なのだと思うッス。 俺のマッサージで先生のカラダ火照るから首元や首筋の肌を晒して居るッス。」
「えー、リクたちって、、、射精なし?」(コウ)
「うっす。」 (リク)
「ダさないのかぁ。」 (シュウ)
「リクのエロが昇華したってことかぁ?」 (セン)
「絶倫絶倫と思ってたけど、まあ先生とよろしく?」 (スイ)
「「「「ふうぅぅー。」」」」
四人の溜息が重なり、それぞれが冷え切ったカップのハーブティを啜った。
その後、口直しの様に、皆がそれぞれのパートナーとのイチャラブ模様を語り始めた。
次回行われる黒の定例会の日時を決めて、、、、。
薄暗い狭いスタッフルーム(使用人休憩所)の外の裏庭には、夏の陽射しが降り注ぎ、木々の葉や花々が木陰を作り、日中の気温を下げているだろう。
『この駄犬どもがっ。』
どこかでお嬢の声が聞こえた気がしたシュウだった。




