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「違います!!!」
郁は断罪されていた。
正座した膝の上の石が積まれる…
『まだ言うか、お前だろう?
殿に無理矢理ジャコ卵焼きを食べさせたのは』
目の前にはハチワレが
羽織袴で座って居る…
大きさが魔物サイズだった。
ドン!
石が積まれる…
運んでいるのは
額に黒点の白猫と鯖トラ。
「やめて~あれは俺様黒猫が…食べたいって言うから…」
『まだ言うか!』
パシンと扇子を叩くハチワレ
…猫って正座できるんだ。
とぼけた事を思う郁であった。
『もう良い』
ハチワレの後ろの襖が開き
俺様黒猫が裃姿で登場する。
黄金に輝く左目
鋭く鈍く光る右目
ジロリと見られて、郁は思わず
…綺麗…と呆けた。
『…何寝ぼけててるんだ?』
目を開けると金眼銀目が郁を見下ろしていた。
「…綺麗…」
『…お前…』ツイっと横を向く俺様黒猫。
白い髭がピクピクして居る。
「…なんか足が動かないんですけど。」
『あれだな』
郁が肘をついて身を起こすと
ハチワレが腿の上で丸くなっていた。
「…この断罪ならいいかな」
『アホか』
朝食も昨夜に引き続き、
何を見せられてるんだかの世界が始まっていた。
「ツナと玉ねぎのサラダよ。ツナ好きでしょ?」
「玉ねぎ要らん」
「ほら、アーン!」
…完食
「これはね~ほうれん草のキッシュ。
美味しいわよ」
「ほうれん草取ってくれ」
「ちょっと食べてみようね~アーン」
…完食
月子が陽介から視線を外す。
次に食べて貰うものを選んでいる。
その時の陽介は、
…めっちゃ笑顔じゃないの!
でも次の瞬間、
「今度はね~…」
…不機嫌な真顔、
ただ口角はピクピクして居るが…
「なぁ月子、今日さぁ…」
「今日は買い出しの日なんだよね~」
「じゃ俺も…」
「陽介は休みなんだから、ゆっくりしててね。」
「いや、俺も…」
「買い物あるの?ついでにに買ってこようか?」
「そうじゃなくて…俺も…」
ニャオ
ハチワレが鳴く。
「…俺、荷物持ってやっから一緒に行くぞ」
ニャニャ
「…そうね、荷物持ちね。助かるわ」
「…ヨシ!」
ニャニャ…
「…ついでに何か欲しいものあったら買ってやるぞ」
ニャ
「…せ、世話になってるからな、その…お、お礼だお礼」
「あら嬉しい…」
ニャーオ。
得意げに尻尾を立てるハチ。
……いや。
本当に今のアドバイスだったの?
郁には最後まで分からなかった。




