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「すごい量ですね~」
「今日は陽介が夕飯要らないって
突然言うもんだから…
もっと早く言ってくれればねぇ」
「そうなんですね~」
郁はオムライスを一口食べた。
…塩分多すぎだわ。子どもにはNG
「その上、偏食だし。野菜嫌いだし。」
「野菜嫌いなんですか?」
「…青臭いって言うの。プチトマトなんか
口の中で弾ける感触がやだって」
…お子ちゃまアルアルだね。
…夕飯要らんって言われて、
本当に与えないのもどうかと思うけど。
「その癖、文句は言うけど
ちゃんと食べるのよね~」
「時間も遅いですからね、遅く食べると起きれないし」
「お互い仕事だから、遅くなっちゃうの」
…そっか仕事か……仕事?偏食小僧が?
『気づけよ…』
郁はテーブルをマジマジと見た。
…子どもの食べる量ではない。
月子の分を含めても…だ。
…小僧ではない?
ピンポーン
「ただいま」
「あ、帰って来た。」
ドアを開けて頭を引っ込めるように
大きな身体の男性が
ヌっと入って来た。
「おかえりなさい。夕飯食べてくでしょ?」
「あぁ、お客さん?なら帰るよ」
「いえ、私は…」
「大丈夫。陽介が帰らないと思って
郁さんに夕飯付き合ってもらってたの。良いでしょ?」
「あ?あぁ」
「今日はウチに泊まってもらうの。明日は休みだし。」
「そうか」
「ほら、手を洗って来て。」
「あぁ…」
甲斐甲斐しく月子は世話を焼く。
手を洗い終えるとタオルを渡し、
椅子に座るとお茶を差し出し、
視線で食べたい物を取ってやる。
「ピーマン入ってる」
ハンバーグを一口食べると陽介が言う。
「小さく刻んだんだけど、わかっちゃった?」
「不味い…食べたくない」
「一口だけでも、ほらアーン」
月子が、フォークを差し出した。
パクリと陽介が食べる。
…おい、大人だろ。
『ガキだな、あれは」
「やっぱり無理?」
「食べる」
一時が万事 二人はその調子なのだろう。
気づけば皿は全て空になっていた。
…でも塩分取りすぎには違いない。
塩分のせいだけじゃない。
なんだか見ているだけで、
喉が渇く郁だった。




