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扉を開けたら  作者: 黒米 紅子
猫カフェ出口
17/55

5

[さすが猫キチ…ブレない]


「郁さん!お久しぶりです」


[こっちは天然]


俺様黒猫は、そーっと二人から少し距離を取った。


「お久しぶり、チャト、フムフム」


チャトはしゃがんだ郁の膝周りに


グイグイと頭を擦り付けていた。



[おい、馴れ馴れしく触れるんじゃねー]


一歩ずつゆっくり郁に近づく俺様黒猫。


[こいつは俺のしもべだぞ]


【あら、本人はそう思ってないんじゃないかしら?】


[既にマーキング済みだ。]


【ふーん、ま、私にはフムフムがいるけど

別に郁さんに、マーキングしたらダメって法はないわよ】


2匹は

鼻と鼻を押しつけあった。


「うわ~猫挨拶?!」

「写真撮らないと」


[俺のだからな]


【だったら、さっさとモノにしちゃいなさいよ。ヘタレ】


2匹は互いにグルグル周り出す。


俺様黒猫とチャトの耳が反り返る。


背中の毛が逆立つ。


「こらぁ~戯れ合うのもいいけど、

診療所行くわよ」


さっきからフムフムが

郁の袖を引っ張っているのだ。


[…休戦だ]


【いいわ、私もフムフムが大事だから】


2匹は何事もなかったのように、


尻尾を立てて診療所へ向かう。


「あ、待ってよ~」


郁とフムフムも後に続いた。



「どうぞ」


フムフムの部屋は片付いていた。


洗濯物は相変わらずキッチンに干されていたが、


それも少量だった。


流し周りには、カップやお皿が伏せられている。



…今度は料理にチャレンジかい??



寝室側には、ソファがソファで機能しており


テーブルの上には花が飾られている。


先日はなかったロッキングチェアが、


窓辺に置かれ、


膝掛けがかけられている。


…落ち着いた乙女の部屋って感じになってる。


目の前に出された 小花柄のカップには


ハーブティだろうか、


カモミールの香り…そしてミントの香りも漂う。


「いただきます…」



…うーん、ちょっぴりミントが強いかな。



「ど、どうでしょうお味」


「胃もたれする人にどうかと思って…」




…胃もたれ限定なの?




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