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「どうぞ…」
ランチプレートが下げられたあと、
出されたのは、デミカップに入ったコーヒー。
それからプリン。
「…手作りなんです。」
…おおお、進歩進展進化だぁ。
ぷるぷる震えるプリンには
濃いカラメルソース。
苦味の後から
まったりと甘み…
卵とミルクが濃厚だ。
『…おい』
「…あ!!」
郁は渋々、スプーンを突き出した。
「…これも美味しいよ。すごいねジャス。」
「ありがとうございます。これも
郁さんが効率を考えて教えてくれたからです。」
「そう言ってもらえると、私も嬉しい。
元々、素地はあったのよ。
ビーフシチューは絶品だし、
このプリンだって…
でも、どうしてデザートまで手を伸ばしたの?」
「え?…それは…」
ポンと顔を真っ赤にしてモジモジするジャス。
「か、か…彼が美味しいって言ったので…
デザートに出してみたらって」
ガラガラガッシャン…
厨房から何かを落とす音がする。
ジャスが慌てて厨房に入っていく。
…ははーん?
案の定、顔を真っ赤にした
二人が出て来て
ペコリと頭を下げた。
…そりゃ二人なら効率よく仕事できるわさ。
「うふふ、ご馳走さまぁ~」
郁はカフェを出た。
…仲良きことは良きことかな。
ドアを開けて、うーんと伸びをする。
『…おい危ない!』
「っうぐ!」
何かがリュックに飛び乗った。
グルグルという声。
尻尾が灰かぶりだ。
「マジリ!」
マジリはリュックから、郁の肩に飛び移り、
頬にスリスリする。
…ダメだ。幸せすぎてダメな奴だ。
『あんがとにゃん』
グルグルに混じって、そんな声が聞こえた気がした。
その拍子にトンとマジリが飛び降りた。
「…それ!!」
マジリの口には、
羽の猫じゃらし。
意気揚々と尻尾を立てて去って行った。
『獲物だな』
きっとあの猫じゃらしは
ジャスのところへ
持っていくんだろうな~
ちょっと楽しい気分になった。




