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扉を開けたら  作者: 黒米 紅子
猫カフェ出口
15/43

3

「どうぞ…」


ランチプレートが下げられたあと、


出されたのは、デミカップに入ったコーヒー。


それからプリン。


「…手作りなんです。」


…おおお、進歩進展進化だぁ。


ぷるぷる震えるプリンには

濃いカラメルソース。

苦味の後から

まったりと甘み…

卵とミルクが濃厚だ。


『…おい』


「…あ!!」


郁は渋々、スプーンを突き出した。


「…これも美味しいよ。すごいねジャス。」


「ありがとうございます。これも

郁さんが効率を考えて教えてくれたからです。」


「そう言ってもらえると、私も嬉しい。

元々、素地はあったのよ。


ビーフシチューは絶品だし、

このプリンだって…


でも、どうしてデザートまで手を伸ばしたの?」



「え?…それは…」


ポンと顔を真っ赤にしてモジモジするジャス。


「か、か…彼が美味しいって言ったので…

デザートに出してみたらって」


ガラガラガッシャン…


厨房から何かを落とす音がする。


ジャスが慌てて厨房に入っていく。


…ははーん?


案の定、顔を真っ赤にした

二人が出て来て

ペコリと頭を下げた。


…そりゃ二人なら効率よく仕事できるわさ。



「うふふ、ご馳走さまぁ~」


郁はカフェを出た。


…仲良きことは良きことかな。


ドアを開けて、うーんと伸びをする。


『…おい危ない!』


「っうぐ!」


何かがリュックに飛び乗った。


グルグルという声。


尻尾が灰かぶりだ。


「マジリ!」


マジリはリュックから、郁の肩に飛び移り、

頬にスリスリする。


…ダメだ。幸せすぎてダメな奴だ。


『あんがとにゃん』


グルグルに混じって、そんな声が聞こえた気がした。


その拍子にトンとマジリが飛び降りた。


「…それ!!」


マジリの口には、


羽の猫じゃらし。


意気揚々と尻尾を立てて去って行った。


『獲物だな』




きっとあの猫じゃらしは


ジャスのところへ


持っていくんだろうな~


ちょっと楽しい気分になった。


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