2
ジャスの店の前で立ち止まる。
窓からそーっと覗く。
ジャスがカウンターを
磨いているのが見える。
『何やってんだ』
「なんか照れ臭くて」
『いいから入れ」
カランカラン
「いらっしゃいませ~あ!!!」
ドタバタとジャスがカウンターから出て来た。
「ボス…じゃない郁さん!郁さん!」
郁の手を両手で取り、ブンブンと上下する。
顔は上気し、うっすら目も潤んでいた。
…ドウドウドウって言っていい?
「はい、ジャス、お久しぶりです。」
「郁さんのおかげて、すごく効率よく
お料理できるようになりました!
本当にありがとうございました。」
ブンブンブン。
…腕抜けちゃうよ。
「ジャス…腕…痛い」
ジャスはハッと気づき
「すみません、嬉しくって…つい、どうぞ座って下さい。
ランチ終わったけど
サービスします!食べてみて下さいね!」
『美味いぞ』
「はい、いただきます」
猫カフェで散財したので、有り難く頂戴する事にした。
冷たいグラスに入ったお水。
暖かいおしぼりを出し
ジャスは厨房へ入って行った。
「この出し方だけで、もう違うね」
『あぁ』
…あれ?店内の音楽がアップテンポのレゲエになってる。
「お待たせしました」
前回より一回り大きくなったプレート皿。
小さなカップのサラダ。
入っているのはみずみずしい野菜に
かぼちゃのマッシュ。
その横には赤いココットに入った
熱々のグラタン。
乾燥パセリが振ってある。
グリーンのサラダ菜の上に置かれた
チキンソテー。
焼き色が香ばしい。
手前にはサフランライスに
ビーフシチューがかかっている。
添えられたスープカップには
黄金色のコンソメスープ。
「うわ!豪華!」
「デザート付きです」
「マジ?」
「マジです」
郁は隣の俺様黒猫に目もくれず、
黙々と食べた。
シャキッとしたサラダ。
とろりと熱いグラタンに
パリっと焼けたソテー
ビーフシチューは
やっぱ、バリバリうまい。
「美味しかった~」
『…だろうな…』
…すっかり忘れてた。
「デ、デザートはわけっこします。」




