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212話 私が知る未来の共有。ついてこられるか?たぶん無理

「事態が動くのは今日か明日。小さなうねりとして初めに起こるのは、タイタニ―のボスの死去。これを皮切りに、武器の流通が活発化してしまうこと」

「それは本当ですか?月光国でもつかめていない情報ですが」

「本当よ。もっとも、改変の余波で変わっていないとも言えないけれどね」



ディオメシアを滅亡させないようにしよう大作戦の一つ目。

それは、そもそも戦争を激化させる武器の流通を絶ってしまおうというものだ。


メリーから大きな紙をもらい、羽ペンで簡単な図を書く。

「タイタニ―」「オールシー船団」この二つを丸で囲み、その他に「ソルディア」「ステラディア」「ヴァルカンティア」「その他反ディオメシア勢力」を一つの円の中に。

そして「ディオメシア」「裏カジノ」をまとめて円の中に。

3つの円ができた。


そして、オールシー船団の部分から2つの丸めがけて矢印を伸ばす。

簡単な鉄砲の絵も添えて。



「わたくしが作った未来では、タイタニ―の社長の死後、後を引き継いだオールシー船団の船長が世界中に武器をばら撒いて戦争を起こすきっかけになったわ」

「その前に、そのよくわからない黒い棒は何ですか?さては銃ですか?相変わらず絵が下手過ぎませんか?10歳のころから変わらない無垢な絵で大変かわいらしい」

「悪かったわねジーク。わたくしの絵心には目をつむりなさい!」

「ディアーナ、あたしは戦争に詳しいわけじゃねーけどよ。武器をそれぞれの勢力が持ったことで争いが起きるってのはわかる……でも、この円は納得できねえ」

「そ、そうですよ。だってこれ、私たちの今いる国がディオメシアの敵みたいになってます」

「メリーの言う通りよ。ディオメシアは、多くの勢力に潰される終末を辿るの」



アテナが指さしていたのは、ヴァルカンティアも入った円。

私が原作で描いた、ディオメシアを潰す勢力だ。


アテナとジークはディオメシアの同盟国、ヴァルカンティア。

メリーはディオメシアの属国であるステラディアとソルディア。

自分たちが今滞在している国が、ディオメシアを徹底的に滅亡させるなんて想像もつかないよね。



「元々の未来では、ディルクレウスがもっと悪王っぷりを発揮していた。それが主な理由で、属国や同盟国からも攻撃され、経済の根幹を担っていた裏カジノにも逃げられ、ディルクレウスもディアーナも捕らえられて公開処刑。これがディオメシアの滅亡よ」

「よろしいでしょうか?今ディアーナ様は『裏カジノ』とおっしゃいました。我々は『月光国』として認知されていますがそれを使わないということは、ディアーナ様のお書きになった世界では『月光国』はないということですか」

「勘がいいわね。そう、ここはわたくしたちが成した大きな改変よ」



図解の横に箇条書きで点を打っていく。

・裏カジノを月光国にしたことで、原作よりも勢力拡大

・ヴァルカンティア、ソルディア・ステラディアがディオメシアに対して友好的

・ディルクレウスの政治体形がそこまで独裁的ではない


こうみると、王女時代に行ったことは本当に重大だったなぁ。

全部生き抜くためで、死にたくなくて、大切な人を助けたいとか自分勝手な動機だったのに。

確かに、後々滅亡回避とは思ってたけど。


それらが今、原作を大きく変えるための重要なパーツになった。

これがどのくらいすごいかは伝わらないかもね。



「みんなが過ごした七年間の中で、勢力は大きく変わったわ。今の情勢は、こうね」



ディオメシアに敵対する国に線を入れていく。

ヴァルカンティア、ソルディア・ステラディア。

残ったのは「その他」だけだ。



「これから先がどうなるかは未知数。修正力の問題でいきなりたくさんの敵が現れることもあり得るわ。でも、現時点でかなり滅亡回避は見えてきているの」

「それは希望的観測過ぎますねぇ。その他だけが敵になったと言っても、ディオメシアの敵になっている属国はすでに20を超えている。それぞれは小さいですが、それが牙をむくとは思わないんですかぁ?」

「それをさせないために、わたくしは七年間属国や他の国を回って味方を集めたわ」

「で、さらにあなたの話では『シー先生』が味方と思ってたら敵かもしれないってことですよね?敵に踊らされて作ってしまった勢力って可能性は…ありそうですねぇ!!おやまぁ賢い偽物王女ともあろうものがなんて無様」

「だ、だからもうわたくしにはどうにもできないからこうして相談を」

「悪いけどもっと簡単にまとめてくれ!さっきから修正力だのちらほらわかんねー単語入ってきてあたしもメリーもお手上げだ!」



アテナの大声に、反射的に二人のほうを向く。

ジークとのヒートアップした会話にかまけて、アテナとメリーの反応見てなかった!

アテナはクッキー食べつくしてだらけた格好してるし、メリーはフクロウみたいに首傾げる通り越して回ってる!


そうだ当たり前だ!

私はこの世界を俯瞰で知ってるから喋れるけど、まだ言えてない情報だってある。

なのにどんどん話を進めて、ついていけるわけがない。


逆に言えば、ついてこられるコマチとジークがおかしいんだ。

転生、未来、原作改変なんてファンタジーを現実的に解析できる頭脳が恐ろしい。


やっぱり、今日一日だけで全部の作戦を話すのは無理がありそう……


先が思いやられ過ぎる。

私も説明が特別うまい方ではないし、ここから先の込み入った事情をどうやって4人に理解させれば!?


話はもっとSFというか、ファンタジーが絡んでも来る。

ジークがちらっと言ったように、シー先生のこともある。

4人にどう動いてほしいのかなんて、毎日どころか毎時間変わるかもしれないほど状況はめまぐるしく変わる。


頭が痛くなってきたその時、コマチが手を挙げた。


情報量が多すぎて、私ですらきつい。

そのうえ、コマチが何を言ってくるのかちょっと恐ろしい。


漆黒の瞳は、私をずっと見つめていた。

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