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196話 ドナドナでステラディアへ。私の拘束生活

「メリー!これは一体なに!」

「大丈夫ですよディアーナ様。彼らはとても強いので、ステラディアまで快適に連れていきますから!」

「そ、そうじゃない!誰か、おねえさん!おじさん!!どこにいるの!?」



いつだって側にいてくれた二人がいない。

どうしようどうしよう、もしかしてひどい目に遭ってない?

助けに来てくれないのって、まさか死んだからじゃないよね!?


私のお付きの二人を殺してるなんてことはないと思いたい。



「安心してくださいディアーナ様。お付きの人たちも一緒ですよ、先に馬車で城まで護送してますから」

「ひどいことをしたら、許さないわ」

「しません!私、したことないです。じゃあ、ディアーナ様も行きましょうね」



抗議の声むなしく、私は近衛兵にえっさほいさと宿屋から馬車まで運ばれ、これまた寝転べるほどに大きい馬車に簀巻きのまま横たえられた。


本当に丁重で、衝撃も痛みも全くない。

馬車にはメリーが同乗して、扉を閉められた馬車は夜の中を進んでいく。


(ドナドナだ……まさかメリーに拉致されるとは)


私がとんでもなく焦っているのに、メリーは落ち着いている。

もう何歳だっけ、別れたときで16だったから23歳?


大人だ。

しかもステラディアの近衛兵に指示出してたよね!?



「メリーあなた、どうしてこんなことを」

「私たちみんな、ずっとディアーナ様の事探してたんです。七年間、ディアーナ様のお役に立てるようにっていっぱい力も付けたんですよっ」

「この状況についての説明をお願いしているのだけれど」

「えと、えっと。私がいっぱいルシアン王の秘書官になって、頑張ってたからルシアン王が『ディアーナ様捜索』に協力してくださいました!」

「ざっくり過ぎて詳細が全く入ってこないわね」

「えへへ……そのお言葉、七年前から変わりませんね」

「この状況で笑っていられるのはメリーだけではなくって?」



つまり、出世して近衛兵を連れだせるようになったから今回の拉致を起こしたと?

待って待て。


そんなこと原作にはない!……いや、それを行ったらディアーナ王女の国外逃亡だって原作にないんだから今更か。


というか、よくドナドナしておいて笑顔だよメリーめ!

あー、さっきまでライラだったのに今はディアーナモードだ。

別にいいけどさ、勝手に王女時代の知り合いの前ではスイッチはいるから。



「ソルディアからステラディアはそんなに離れてないですから、30分もあればお城につきますよ」

「今すぐ下ろしてちょうだい」

「ダメです!夜は危ないですし、ディアーナ様に聞きたいこといっぱいあるんですよ!」

「わたくしはないわ」

「せっかくルシアン様に全面協力してもらってここまで来たんです!ぜーったいに連れていきますからっ!!」

「じゃあ逃げないから縄をほどいてちょうだい」

「ダメです。ディアーナ様は頭がいいから、逃げそうですもん」



チッ、バレてたか。

だからって拉致は怖いでしょうよ普通に!!

こんなに丁重にされてもだよ?前提がおかしい!


(しかもたぶん純粋に好意なんだよなメリーの場合!)


メリーはレオンとかみたいに強引なことは得意じゃない。

でもいざという時の度胸は出会ったころから持ってた。


みんなが危ないだろうなって足を止めても、自分の感覚がGOサインを出せば突っ走れる子なのだ。


こうなってしまうとお手上げ。

訓練は積んでいても、私には強い力もなければ縄抜けできるテクニックもない。


転生してこの方、原作者知識とハッタリとよく回る口だけでいろいろ乗り切ってたけど、さすがにこれはまずい。


結局私はそのままルシアンが城主を務めるステラディアの城に到着。

毛布簀巻きの芋虫のまま、とんでもなく厳重な警備の部屋に移されて今に至る。



『部屋が気に入らない、ご飯がおいしくない、暇』


そういって面倒な奴だと思わせたら、さっさと逃がしてくれるだろうと高飛車ムーブすれば


『模様替えしますね!そういうかと思ってこういったものも作りましたよ!この本はどうでしょう!?ディアーナ様、こういう内容の本お好きでしたよね』


すぐに対処されてめちゃくちゃ快適にされる。


『わたくしはやることがあるの。たくさん行かなければならないところがあるし、予定が詰まっているのよ。こんな場所にいられないわ』

『ではその場所にお手紙を書きましょう!しばらくステラディアにいると言えば、きっと大丈夫です』

『手紙を出すのにも遠方だしすぐは無理でしょう?それに、書くのも手間なのよ』

『ルシアン王からディアーナ様の要望になんでも応えられるように融通利かせていいって言われてるので、お手伝いしますよ?』

『は?』

『ステラディア王の名前も入れれば次の日には現地に届きますし、人が足りなかったら呼びます!なにをしましょうか、ディアーナ様!部屋からは出せませんが、なんでも致しますよ』


終始こんな具合だった。


こんな逃亡王女に国王の勅命の手紙を使うな!

ディオメシアにいたときのノリでステラディアの使用人を融通せんでいい!

あとルシアンもグルとかメリーあなたなんて言って協力させた!!


一日三食おやつ付き、欲しいものはなんでもすぐに用意してくれるけど、部屋から出られないとはこれいかに。


どうやって逃げようかと思案して二日……


ご飯が運ばれてきたその時、ドアに目を向けると全員揃い踏みでした。


(あ、これ私終了のお知らせかな?)


スラムに生まれたライラから、成り代わったディアーナ王女、そして国外逃亡してまたライラに戻ったけど、私の人生ここで終わる気がします。


(だってメリー以外の三人の顔つきがおかしいもん!)


なにがあったの!?

私いない間に絶対にまずいことあったよね!?


あっ、普通に考えて雇い主が自分たちを捨てたら絶望か。

転生前、普通に出勤したら会社なくなってた時の絶望は経験してる。

あれと同じ気持ちならそりゃ殺意も湧く。


嘘でしょ?

私、ディアーナ王女として国家滅亡→処刑ルート変えたくて奔走してきた。

なのに、恨み募らせた部下たちにここで手ひどく殺されEND?


わ、笑えねぇ……!!

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