22話
少し暑苦しい回です!
私は困惑していた。
……これだけじゃ分からないよね。
今見ている資料によると○○の領地で起こった魔物の発生に○○の貴族の関与の疑いなどあやふやな情報しかなく既に終わった話で確認の取りようなく手詰まりだ。
そんな情報を並べられ「どうだ!」って顔でこちらを見ているケイサツベライのリーダーのケイトに何て言えば良いのだろう。
こんなんだから原作にも出てこないで全滅したんだよ?って怒った方が良いのかな?
レイチェルさんも我々の情報を甘く見ないで下さいねって言っていたし、何だか信用ある幹部の人たちも連れてきて私への有能さアピールをされたのだが正直エルザが有能すぎてこれはゴミ以下の情報だよって言い出し辛い。
本日カインからケイサツベライからの招待が来て、どうやら私の考えをサポートしたいと一部の幹部が押しかけて来たそうだ。なので仕方なく前回のお店へ足を運んだのだがこれだ。
困惑した顔でカインとローズを見る。
2人も私の反応に戸惑っている。
「……あの、皆様はこれまで情報収集以外では何をなさっていましたの?」
とりあえず情報公開についてはスルーした。しかし、空気を読まず幹部の一人が口出しする。
「俺たちのやり方を知りたいのは分かったが貴族でも無いのにこれだけ情報を集めれたんだ。これでも危ない橋を渡ってるんだぜ?法服貴族の方なんかにお願いして調べて貰ったりしたんだからよ」
……それでこの情報?
頭が痛くなってきた。組織と言うよりクラブかなって思ってしまう。
「申し上げ難いのですが皆様の情報だと貴族への影響はありません。黒な情報でも証拠のない情報を頂いても使えないのです」
私がはっきり伝えると周りの雰囲気がガラッと変わる。
あっ、1人泣いちゃった。
発言したおっちゃんも絶望だって言わないで!
「それで組織として情報以外の活動を教えて下さい」
話が進まないので話は続ける。
「あぁ、すまない。ここには冒険者の集まりだからその手の依頼につくのが今の所の対抗手段だ。一応これでもランクAの集まりだから強いぞ」
すかさずカインが話を繋げる。
「ここにいる方々はこれでも騎士に匹敵する程の強さだから強さは期待して良いですぞ!」
ローズを見ると頷く。
……冒険者としての情報と法服貴族からの情報で奥手だが対抗していたようだ。
だが、騎士位の強さなら魔物にも遅れをとらず仕留める事は可能だ。
「貴方達の扱いが決まりました。私が必要な情報を渡します。貴方達は平民への誘導、貴族へ悟られてはいけませんよ?平民の安全を優先に魔物から守って下さい」
私の言葉にレイチェルが聞き返す。
「クレア様は情報も無いので我々から情報が欲しかったのではありませんか?それに我々を有効的に使おうとする姿勢は分かりますが何もない情報で動ける程、我々はバカではありませんよ」
私はリュックからエルザから貰った情報の資料の一部を無造作に机へ広げる。
皆が息をのむのが分かる。
「これが貴方達を動かす理由です。不確定だからこそ動けないのでしょう?ならこれなら大丈夫ですよね?」
レイチェルにニッコリ笑う。
「……問題、ありません。むしろ、どうやって此れ程の情報を証拠を集めれたのですか?貴族でも難しいですよね?それに今は第1王子は平民でも疑っているのですから貴族達は更にでしょう。それをこんな正確に集められるなんて信じられない」
「信じる信じないは貴方達の勝手ですわ。ですが、私は負ける気はありませんの。そして、私の平民達を殺させたくありませんの。なら出来る事をしなくてはなりませんの。貴方達の情報ははっきり言うと無意味なモノが多い。ですが、貴方達は戦いに関しては有能でしょう?裏作業なら私がサポートしますわ。貴方達は私が集めた情報を使って私の領地の民を守って下さいまし」
私は皆に深々と頭を下げる。
ケイサツベライの皆がびっくりするのが分かる。
「こりゃ参ったね。俺たちが協力してやろうって思っていたが逆に協力されてしまったか。しかもお貴族様からのお願いなんてありえねぇ。あぁ、ありえねぇな!ガハハハ!今日はなんて良い日だ!これまで貴族に良いイメージは持ってなかったが土地を任された本物の貴族様は本物だった!なら俺たちゃ冒険者だ!貴族様みたいな学も育ちも箔も名誉も何もねぇ。たけどこの命がある!あんたに俺の命を預ける!だから有効に使ってくれよな!」
幹部のおっちゃんはガハハハと笑いながら言う。
何だが柄にもなく心が熱くなってしまった。
周りも同じ雰囲気になっている。
そんな中、ケイトは私の前へ跪き頭を垂れる。
「我々、旗なき騎士の円卓は主人なき騎士でした。我々はあくまで弱きを守る騎士であるが為です。しかし、同じ意志を持ち我々を扱うに相応しいお方が現れたのなら我々はこれまでの在り方を変えねばなりません。ここでこれまでの在り方であればあの貴族達と我々はなんら変わらない。我々は貴方様の剣となれるように命を授けます。我々の気持ちを受け取ってください」
私は熱くなる気持ちを抑え応える。
「勿論よ。ですがこれだけは守って下さい。貴方達は私の為に弱きモノの為に命をかけると仰いました。貴方達は強いです。しかし、私から言わせてもらえば貴方達は私が守る対象なのです。勝手に死んだら許しません。良いですか?」
「はは、これは手難しいな。死なずに命を張れと言われるとは思いませんでした。しかし、クレア様の言い分は分かりました。確約出来ませんが主君の望みを叶えるのも騎士の役目です。皆分かったか?クレア様の望みは我々が叶えるぞ!」
おぉー!と雄叫びが上がる。
「では、この資料を見て下さいまし」
タイミングが良かったのでワライクバの件を見せる。
皆の顔が一瞬で変わる。
「この意味分かりますよね?」
「はい、まさかこの様な計画があるのですか?」
「私の情報源が嘘を付いてなければそうですわ。一応、私も確認を取りまして予定の変更が無ければ間違いないと踏んでます。私がこの件をその土地を任せられている貴族とお話するのはアリですが今の状況だと何が起こるか分かりません。最悪、私が嵌められます。なので時期を見て皆様に指示を出します。このタイミングを間違えたら何が起こるか分かりませんので皆様も情報の漏洩に焦りに気をつけて欲しいのです」
私の言葉に緊張した一面の皆が頷く。
「貴方達の働きによってこの土地の民は救われます。これまで苦い思いをしたでしょう。辛い思いをしたでしょう。これからは私がそうさせません。皆様、私に力を貸して下さいませ」
私は微笑み聞くと皆はもう一度雄叫びを上げるのだった。
お読み頂きありがとうございます!
明日も頑張って21時です。
しかし、途中でちょこちょこ投稿の可能性もありです!




